「自宅にアシナガバチが巣を作っていた!自分で駆除したいけれど、刺されるのも怖いし、どう対処すればいいか分からない…。」 あなたは身近に現れたアシナガバチやその巣について、自力での駆除ができずにお困りの状況ではありませんか?
アシナガバチは人を襲うこともある蜂なので、怖いと感じて自分での駆除をためらってしまいますよね。それに加えて、上手く駆除できそうにないとか、駆除できても、また巣を作られてしまうのでは、といった不安を持たれている方も多いのではないでしょうか。
安全かつ確実にアシナガバチの巣を駆除するためには、アシナガバチの特徴を知り、安全な方法で駆除を行う必要があります。
そこで今回は、アシナガバチの特性や危険性、安全に駆除できるタイミングのほか、駆除する際により危険な蜂であるスズメバチと間違えないように、その両者の違う点などについて紹介していきます。
もし少しでも不安がある場合は、ハチ駆除を専門に行なっている業者に相談すると安心ですよ。
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次
アシナガバチが巣作りをしていたら、どうすればいい?
もしも自宅付近でアシナガバチが巣作りを行っていれば、早急に巣の撤去や蜂の駆除を行う必要があります。これは、時間が経過するにつれてアシナガバチの個体数が多くなり、駆除が困難な状況になるからです。もし、自力での駆除を安全に行うのであれば、女王蜂だけが巣作りをしている初期段階がベストタイミングになります。
ここでは、作り始めた状態の巣かどうかを判断する方法や、既に巣が大きくなっていた時の危険性、そしてアシナガバチに刺されることの怖さについて解説していきます。
作り始めの小さい巣のうちに、早めの対応を!
アシナガバチの巣を駆除するならば、その巣が作られ始めたばかりの、小さいサイズの段階でその作業を行うべきです。その巣が作られ始めたばかりかどうかは、見た目で判断できるので、その判断のポイントをおさえておきましょう。
【作られ始めの巣の特徴】
アシナガバチの巣が作られ始めたばかりであれば、その巣は直径4センチから5センチ程度と、とても小さいです。サイズが小さい分、幼虫を育てるための部屋も少ないのも特徴でしょう。
巣が作られ始めた段階であれば、その巣には女王蜂しか居ません。これは、冬を越すことができるのが女王蜂だけなので、新たな季節に巣作りを開始する段階では女王蜂しか存在しないからです。
【自力での駆除をするなら、早めの対処をする】
アシナガバチは働き蜂の個体数が少ないほど、襲ってくる蜂の量が少ないので、楽に対処できます。そのため、巣が作られ始めたばかりの女王蜂しか居ない状況は、アシナガバチの巣を1番駆除しやすいタイミングと言えるでしょう。
逆に、時間が経過するにつれて、女王蜂が産んだ卵が孵化して働き蜂が誕生し、爆発的にその数が増えていきます。その結果、毒針で刺されるといった危険性が高まり、駆除作業が難しくなるので、できるだけ早期に駆除をすることが大切なのです。
また、駆除に取り掛かるのが早い段階であったとしても、アシナガバチの巣の撤去は、必要な道具を揃えたり正しい手順で作業を行ったりする必要があります。そのようなポイントを踏まえておかなければ、駆除時に怪我をしたり、完全に駆除できずにアシナガバチが再び巣を大きくしたりすることが想定されるでしょう。
巣が大きくなっていたら、業者に依頼した方が安全!
もしも発見したアシナガバチの巣が大きくなっていた場合、自力での駆除はやめておいた方がいいかもしれません。なぜなら、大きな巣はそれだけ多くの働き蜂が居るため、襲われる危険性が高くなるからです。そのため、専門的に駆除を行ってくれる業者に、作業を依頼するのが安全な方法です。
アシナガバチの巣は、8月から9月の暑い時期にピークを迎え、1年の中で1番大きくなります。そしてこの時期は、働き蜂の数も1番多く、人を襲うなどといった攻撃性もかなり強いです。
基本的にアシナガバチは穏やかな性格をしていますが、この時期は意図せず巣に近づいただけで襲われてしまうという事故も起こりやすくなります。そのため、駆除を行わなかったとしても、アシナガバチの巣には近づかない方がいい時期だと言えるでしょう。
巣が最も大きくなるタイミングで攻撃性も高くなるのは、巣の中に新しい女王蜂が生まれて育つという重要なイベントが起こる時期であることがその理由です。新女王蜂は次の世代へと命を繋ぐ大切な存在なので、働き蜂達はそれらを守るために必死になり、周囲への攻撃性を高めます。
このように、巣が大きいと働き蜂の数が多く攻撃性も高いので、自力での駆除は難しいと考えられるでしょう。ですので、巣が大きくなっていると判断できる場合は、専門業者へ依頼することをおすすめします。
業者に依頼をすれば、作業員の方が駆除の全てを行ってくれるので、自分は待機しておくだけでいいということもあり、とても安全で便利です。
アシナガバチに刺されるとどうなる?
アシナガバチの駆除を行うならば、その前にアシナガバチに刺される可能性があることも想定しておかなければなりません。ここでは、アシナガバチの攻撃と、刺された場合の症状について紹介していきます。
【アシナガバチの攻撃の特徴】
アシナガバチは穏やかな性格ですが、巣に近づきすぎたり攻撃をしてきたりする相手には、攻撃をしかけてきます。その攻撃として、お尻にある毒針を何度も刺してくるのが特徴です。それに、複数回同じ場所を刺すのではなく、狙いをを別の場所に変えながら何度も刺してくるという特徴もあります。
【アシナガバチに刺された時の痛みの感覚】
もしもアシナガバチに刺されてしまうと、まずその針に含まれた毒が体に入り、痛みを感じます。痛みの感覚は、刺されたアシナガバチの種類にもよりますが、電気が通ったような痛みや強烈な虫歯の痛みなどに似た、かなりの痛みです。
【アシナガバチの毒によって起こる症状】
毒針に刺されて起こる痛み以外の症状は、軽度なものなら刺された箇所の腫れ、中度のものなら体の痺れ・吐き気・頭痛などが典型的な症状の一例です。
さらに毒による症状が重篤化すれば、
- 呼吸困難に陥る
- 意識障害や血圧低下
- 激しい動悸がする
などの症状が出現する可能性が高いです。
重篤化した際の症状が出現すると、最悪のケースで命を落としてしまう可能性もあります。
このように、アシナガバチの攻撃をあまく見ていると、痛みや生命の危険にも繋がるような健康被害を受けるかもしれません。アシナガバチを駆除するには、これだけの危険性があることを知っておきましょう。
アシナガバチに巣を作られないようにするためにはどうすればいいの?
アシナガバチによる被害を未然に防ぐためには、その巣が作られないような予防策を事前に取っておくことが重要です。
その予防策を確実に行うためには、アシナガバチが巣を作りやすい場所を把握し、その付近でアシナガバチに巣を作られないような環境を整える方法を取るようにしましょう。そのための必要知識や、具体的な対策方法について、以下の項目で詳しくお伝えします。
【アシナガバチが巣を作りやすい場所】
巣作りをされるのを予防するためには、アシナガバチがどのような場所に巣を作りやすいかを知っておく必要があるでしょう。
その巣作りが行われやすい条件として、日当たりがいい場所や、強い雨や風の影響を受けにくい場所であることが挙げられます。この条件を満たす具体的な場所は、
- 軒下
- ベランダ
- 戸袋の中や下
- 屋根裏
- 床下の空間
- 木の枝
などが代表的です。
一般的な住宅環境であれば、上記のようなアシナガバチが巣を作りやすい条件に該当する場所が、1箇所以上あるのではないでしょうか。そのため、巣作りの予防をするには、まず、巣が作られやすい場所がどれだけあるのか、できるだけ把握しておくことが大切です。
【巣を作られないための方法】
巣を作られやすそうな場所が把握できれば、そこに巣作りを予防するための対策を行っていきましょう。その予防策として有名なものには、以下のものがあります。
- こまめに水を撒く
定期的に高い頻度で水を撒くことで、巣が作られるのを防ぐことができます。
なぜ水を撒くことで巣作りを防げるのかというと、蜂は基本的に水が苦手だからです。他の蜂と比較すると、アシナガバチは水濡れには強い方です。しかしそれでも、雨が当たりやすかったり、水気の多かったりする場所は巣を作る場所として避ける傾向があります。
この巣作りの特性を利用して、巣作りを行いやすそうな場所にこまめに水を撒けば、水気を嫌って巣を作らなくなるのです。
- 殺虫剤を散布する
巣作りを防ぐ上で効力が高い方法なのが、殺虫剤を散布するという方法です。
蜂対策の殺虫剤は、蜂そのものに効果があるだけではありません。スプレーなどをした場所において、持続的に蜂の巣を作らせないようにする効果があります。そのため、蜂の巣予防の効果がついている殺虫剤を選び、それを巣が作られやすい該当場所にスプレーしておきましょう。
殺虫剤の巣作り予防効果の持続性は製品や使用した環境にもよりますが、1ヶ月以上効果が持続するものが多いです。ですので、それほど頻繁にスプレーをしなくてもいいというメリットもあります。
- アシナガバチが好む木を整理する
アシナガバチが巣を作る際、巣作りを行う周辺に生えた木を原料として使用することがあります。それゆえに、もしも自宅やその周辺に加工しやすい木材があれば、その木材を使用するため、アシナガバチが周辺に巣を作る可能性があるでしょう。
巣作りを助長しないように、アシナガバチが巣作りのために好む、加工しやすい木が家にあるかどうかのチェックしましょう。そして、もしも家の庭に片付けられていない木材があれば、それを処分や片付けるなどして巣作りされにくい環境を整えるようにしてください。
【ダミーの巣を使った予防手段もある】
アシナガバチの巣作りを防ぐための目新しい方法として、ダミーの巣を作るという手段も話題です。
その方法は、蜂の巣に似たダミーを巣の作られやすい場所に設置しておくだけというもの。新聞紙を球体状に大きくまるめたものをダミーとして用意し、それを麻紐などで吊るしておきます。これだけで、アシナガバチが巣を作らなくなるのです。
ただし、この方法は科学的な裏付けが取れた方法というわけではありません。それゆえに、確実に成功するという保証はないため、その他のアシナガバチへの対策とも並行して行うのがベストでしょう。
以上のように、巣が作られやすい場所の確認とその周辺の環境整備、水や殺虫剤を使用した定期的な予防対策を知っておくと、アシナガバチに巣を作らせない対策をする際に役に立ちます。
アシナガバチとスズメバチは似ている?アシナガバチの特徴と見分け方
アシナガバチは、凶暴な蜂であるスズメバチとよく似ているため、見間違いをすることが多くあります。これはアシナガバチがスズメバチと同じスズメバチ科の蜂であるため、生物学的に見てもとても近い種類だからです。
しかし、アシナガバチにはスズメバチとは明確に違う特徴があるため、その特徴と見分け方を知れば、アシナガバチかスズメバチかを判断できるようになるでしょう。
アシナガバチと間違って、危険なスズメバチに近づき被害に遭わないように、その両者の特徴と見分け方を紹介します。
アシナガバチの特徴
- 形態
アシナガバチの形態で、1番の特徴であるのが、スラッと伸びた細長い足です。そして、その足をだらんと垂らすような体勢で飛行します。
次に、体型の特徴についてです。体のフォルムはスズメバチに比べてスリムで細長く、体の色は淡い黄色と黒の縞模様をしています。体の大きさは、1センチ強から2センチくらいのものが多いです。
- 巣の特徴
アシナガバチの巣の見た目は、お茶碗を逆さにした状態やシャワーヘッドの形に例えられます。そして、幼虫を育てるための六角形をした部屋の入り口がむき出し状態です。
大きさは春から夏にかけて徐々に拡大し、大きいものならば最盛期に15センチほどまで成長します。
- 生態
春(4月〜5月)から女王蜂が巣作りを始め、徐々に働き蜂の数が増えていきます。夏から秋にかけては、働き蜂の数もピークを迎えるため、その時期は活動が最も活発です。そして冬は新しい女王蜂だけ生き残り、冬眠をして次の春がくるのを待ちます。
性格については、「アシナガバチに刺されるとどうなる?」の章で説明しています。
スズメバチの特徴
- 形態
アシナガバチに比べて、スズメバチの体は太く大きいことが特筆すべき点です。その中でも、体型が大きい種類であるオオスズメバチには、働き蜂で4センチのものが居ます。ただし、日本各地に分布するキイロスズメバチは、アシナガバチと同じくらいの大きさ(2センチ程)なので、大きさだけで判断するのは注意が必要です。
体の色の面では、アシナガバチと同じ縞模様ではありますが、スズメバチは黄色の部分が濃いため、色の濃さをよく観察すれば見分けることができるでしょう。
- 巣の特徴
成熟した巣の構造は、外被と呼ばれる覆いによって内部が保護されており、球体状をしています。しかし女王蜂が巣作りを始めて間もない頃は、とっくりを逆さまにしたような形や傘のついた電球のような形をしているため、スズメバチの巣と判断できないことがあるかもしれません。
巣のサイズはアシナガバチのものに比べてかなり大きく、80センチ程になるものもあります。
球体状で大きな巣を持つのはスズメバチだけですので、大きくなった巣を見ればほぼ確実にスズメバチであると判断することができるでしょう。
- 生態
性格面では凶暴で、すぐに人間を襲ってくることが有名です。巣に少し近づいただけでも、翅を鳴らして威嚇行為をしたり、容赦なくお尻の毒針を刺してきます。そして毒針から注入される毒もかなり強力です。アナフィラキシーショックを引き起こすことも多く、その場合は命を落とす危険性もあるので、かなり注意が必要だと言えるでしょう。
生息場所として、民家の軒下や屋根裏、床下に巣を作ることも多いです。特に凶暴性の高いキイロスズメバチは都市部に順応した種ですので、人間の生活圏の近くに生息しています。もしかすると皆さんの自宅も、現時点で既に巣を作られているかもしれません。
スズメバチの活動時期については、全体的にアシナガバチの1ヶ月遅れのサイクルです。そのため、巣作りは5月に開始するので、巣が作られ始める時期によってアシナガバチかスズメバチかを見分けることができます。
まとめ
アシナガバチが巣作りをしていたとしても、それが初期段階であれば、比較的簡単に駆除ができます。それゆえに、できるだけ早い対処を心がけることが重要になります。
また、駆除が終わった後や翌年に巣を作られないようにするためには、巣作りされやすい場所を確認し、アシナガバチが巣を作りにくい環境を整えるようにしてください。
特に、自分の生活している範囲がアシナガバチが生息域だったり、巣が作られやすい環境だったりすれば、アシナガバチとの距離が近くなって襲われる危険が高くなります。そのため、なるべく早めに対処するようにしましょう。
この記事のポイントとして、おさえておいてほしいのは以下の3点です。
- アシナガバチの巣作り開始初期は、女王蜂1匹しか居ないため、簡単かつ安全に駆除が行いやすい。
- こまめに水を撒く・殺虫剤を使う・巣の材料になる木を置かない・ダミーの巣を用意するなどの環境を整えれば、巣は作られにくくなる。
- スズメバチとアシナガバチは似ているが、それぞれ大きく違った特徴を見極めることで判別できる。
これらのポイントをおさえて、アシナガバチから被害を受けないように、的確な対処を行ってくださいね!