ハチに刺されると痛みだけでなく、アナフィラキシーショックに気を付けた方がいいと聞きますよね。でも、「一体、どんな症状が危険なの?」と疑問に思ったことはありませんか?
また、実際にハチに刺されると、「ハチに刺されたところが、すっごく腫れてて不安…。病院に行ったほうがいいのかな?」「ハチに刺されたところを病院で見てほしいけど、何科に行けばいいのかな…?」など、多くの疑問が湧いてくることもあります。
ハチに刺されることに対して恐怖心を抱いていると、実際に刺されてしまったときに冷静な対応を取れなくなります。
ここでは、ハチに刺されたときに迷いがちな医療機関の受診についての判断の基準になる症状や、応急処置の方法など、知っておくと役に立つ情報を紹介していきたいと思います。
目次
こんな症状があるときは救急車で病院へ!
アナフィラキシーショックが起こると一刻を争うことになるので、早めにお医者さんに見てもらった方が良いと言われています。さらに、場合によっては救急車を呼ぶべきだとも、見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、救急車を呼ぶか、呼ばないかの判断は難しいですよね。そこで、どのような症状が見られたら救急車を呼ぶべきかを把握しておきましょう。
- じんましん・かゆみ・皮膚の赤みが全身に見られる
- 息切れ・せき・呼吸音がおかしい・呼吸がしづらい
- 血圧の低下
- 意識喪失
- 激しい腹痛や嘔吐
上記のような症状が見られたら、すぐに救急車を呼びましょう。そして、このようなアナフィラキシーの症状は、ハチに刺されてから1時間以内で起こることがほとんどです。
すぐに症状が現れなかったとしても安心せずに、しばらく様子を見ることをおすすめします。
それでも救急車を呼ぶか迷ったら?そんなときの3つの強い味方!
救急車を呼ぶべきか迷ったときは、専門家に相談してみるのも手段の1つです。ここでは、救急車の必要性や、それ以外の対応について相談できる、専用ダイヤルやアプリについて紹介します。
市町村の「救急安心センター」(相談窓口)「#7119」
市町村で提供しているサービスです。#7119に電話をかけると、医師・看護師・相談員が、原則24時間365日体制で相談に応じてくれます。電話での聞き取りで症状を把握し、つぎのようなことを教えてくれます。
- いつまでに病院に行くべきか
- 応急処置の方法
- 救急車を呼ぶべきか
- 何科を受診すべきか
小児救急専用の電話相談窓口「こども医療電話相談」「#8000」
こちらは都道府県が設けている相談窓口で、夜間や休日に、子どもの症状について相談ができます。#8000に電話をかけると、小児科の医師・看護師が対応してくれます。
子どもは身体が未成熟で大人とは違う点も多いので、子ども専用の窓口に相談できると安心ですよね。夜間・休日の子どもの受診について相談したいときは、連絡してみましょう。
ただし、こちらは実施時間帯が夜や休日に限られている都道府県がほとんどです。各都道府県ごとの実施時間帯は、厚生労働省や日本小児科学会のホームページで確認することができます。
「全国版救急受診アプリ(Q助)」
症状から緊急度を判定して、利用できる医療機関や、救急車の必要性など受診するための手段の情報を提供してくれるアプリです。アプリの画面上で、当てはまる症状などを選択していくと、結果が表示されます。
総務省消防庁のホームページから、アプリを携帯電話にダウンロードして使用する他、Webサイト上で使用することもできます。
他にも、都道府県や市町村のホームページ、お住まいの地域を管轄している消防のホームページにも、119番に関連する情報が掲載されていますので、ぜひ1度チェックしてみてくださいね。
ハチに刺されたときの病院の受診、どうやって判断したらいい?行くときは何科?
ハチに刺されると、激しい痛みやさまざまな症状が出て、不安に感じることもあると思います。
ハチに刺された場所が腫れあがることはよくありますが、刺された場所以外に症状が出たとき、たとえば頭痛や腹痛が生じた場合は、速やかに、目安としては2時間以内に病院を受診するのがおすすめです。
また、ハチに刺されたことで不安を感じるときも、病院に行って診てもらった方が安心できます。
これらの場合に医療機関を受診するときは、自分で車を運転するのはやめましょう。運転中に何か症状が出てしまったら、運転に支障が出て危険だからです。家族に連れて行ってもらうか、タクシーを呼ぶようにし、その際、ハチに刺されたことを伝えておくようにしましょう。
何科に行けばいいの?
ハチに刺されたときは、何科を受診していいのか迷ってしまうでしょう。症状に応じて適切な診療科を受診できると、治療がスムーズに進みやすくなります。
症状が、ハチに刺された場所にだけ出る局所症状のみの場合は、基本的には皮膚科が受けてくれます。また、局所症状の場合でも、子どもについては小児科を受診した方が安心です。
一方、頭痛や腹痛など、刺された場所以外に症状がある場合は、アレルギー科を受診しましょう。
また、何科を受診していいのか判断がつかないときは、病院に電話をしてみて適切な診療科を訪ねてみると確実です。
間違ってない?応急処置の仕方
ハチに刺された後、応急処置を適切に行うことで症状が軽減されることがあります。以下に、応急処置の仕方を紹介しますので、確認してみてください。
- 傷口を洗い流す
- 毒を絞り出す
- 薬を塗る
- 患部を冷やし、安静に過ごす
まずは、刺された部分を水道で十分洗い流します。ハチの針が皮膚に残っているときは、指で針をつままずに、ICカードやクレジットカードのようなものを使い、そぎ取るようにしましょう。これは、針を指でつまんでしまうと、針についた毒のう(毒が入った袋)をつぶし、体内に毒を入れてしまう恐れがあるためです。
続いて、傷口を洗いながら皮膚の中に入っている毒を抜くために、傷口周辺を強くつまんで、毒を絞り出しましょう。ハチの毒は水に溶けやすいので、流水を当てながらすると効果的です。ハチに刺された部分をつまむのはとても痛いですが、ここでより多くの毒を洗い流すことができた方が、その後の症状の軽減に繋がります。注意点としては、毒液を出すときに、口で吸い出すと口から毒が体内に入るので、患部に口を付けてはいけません。
傷口を十分に洗った後は、抗ヒスタミン薬やステロイド軟膏などがあれば塗布しましょう。その後、濡れたタオルなどをあてて患部を冷やし安静に過ごします。刺された傷口とその周辺を冷やすことで、近くの血管が狭くなり、毒が体内に回るのを抑制することができます。
また、ハチに刺されたときは、お酒も控えた方がより安心です。お酒には血行をよくする働きがあります。血行がよくなると、ハチの毒が体内に回りやすくなってしまい、症状が悪化することがあります。
刺されてから数日経過していても注意して!
ハチに刺された後、日にちが経過してから、病院を受診しようか迷うことがあります。そのときの対応についておさえておきましょう。
刺されてから数日経過。今まで平気だったけど、だるい…。そんなときは?
ハチに刺された当日は目立った症状がなかったとしても、数日経って症状が出ることもあります。ハチに刺されてから10日ほど過ぎてから、熱やだるさといった症状が出てくることもあるのです。
ハチに刺された場所が腫れる以外の症状が出たときは、病院に行くのがおすすめです。
このように、ハチ刺されの症状は後になってから出ることもあるので、ハチに刺されたら、2週間は注意して様子を見ることをおすすめします。
昔のハチ刺され、今できることはある?
昔ハチに刺された経験がある人は、2回目以降に刺されたときにアナフィラキシーショックを起こす確率が高くなると言われています。日常生活でハチに刺される危険性もあるので、不安を感じている人も多いでしょう。
不安を軽減するためには、アレルギー検査を受けることをおすすめします。医療機関によっては、ハチ毒に対するアレルギー検査を実施しており、アレルギーの有無を調べることができるのです。
アレルギーの有無を事前に確認できると、ハチに刺されないように注意するようになったり、刺されたときのための薬を処方してもらえたり、刺された後も冷静に対応できたりするようになります。
まとめ
この記事のポイントとしておさえてほしいのは以下の3点です。
- ハチに刺されたときに医療機関を受診した方がよい症状をおさえておきましょう。
- 病院を受診する必要性を判断してくれる、相談窓口やアプリがあるので、活用しましょう。
- 応急処置の正しいやり方と注意点を理解しておくと、症状緩和に役立ちます。
ポイントをおさえて、ハチに刺されたときに冷静な対応ができるようにしてくださいね!