自分でできる!雨漏りをコーキングで対策・修理する方法

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自宅で雨漏りが起きてしまったら、できるだけお手軽に、安く直せたらいいなと思いますよね。雨漏りを直す方法として、コーキングで修理するという方法があります。しかしポイントをおさえなければ、かえって雨漏りが酷くなってしまうこともあるので注意が必要です。

「コーキングってなあに?」というそもそもの疑問から、「コーキングってどうやればいいの?」「どんな場所もコーキングで直せるの?」などといった疑問にもお答えいたします。

雨漏りの対策にコーキングって実際どうなの?

雨漏り対策について調べていくと、コーキングという手段が必ず出てくるのではないでしょうか。

コーキングをしたいけれど、いざ自分でコーキングするとなると、「どんな場所でもコーキングしていいの?」「どんなコーキング材を使用すればよいの?」などといった疑問が沸き上がりますよね。

この章ではそのような疑問にお答えすると共に、自分で行うコーキングのメリット・デメリットについても述べていきたいと思います。

そもそもコーキングとは?

コーキングは英語で「caulking」と綴ります。Caulkとは、〈すきま・船板など〉を(槙肌などで)詰めるという意味があります。

建築用語におけるコーキングとは、気密性や防水性を維持するために、細い隙間を目地材などで充填することを言います。

またコーキング材は建材同士が直接ぶつかりあうのを防ぐクッションの役割として使われることもあります。

外壁や屋根などにできたひび割れの補修、隙間の処理、部材の端末処理、外壁材のつなぎ目の処理など幅広く使用される方法です。

シーリングとは何が違うの?

「コーキング」ではなく「シーリング」と呼ぶ場合がありますが、違いはあるのでしょうか。

シーリングは英語で「sealing」と綴りますが、密閉するとか蓋をするといった意味があり、厳密に言えばcaulkingとは意味が異なります。けれども実際には、コーキング工事とシーリング工事は同じものと考えて問題はありません

日本工業規格(JIS)によれば、もともとシーリング材と油性コーキング材はそれぞれ定義づけられており、油性コーキング材以外はシーリング材に属すとされています。

現在では油性コーキング材は殆ど使用されなくなりましたが、かつて油性コーキング材を使用した工事のことをコーキング工事と呼んでいました。その当時の名残が現在も残っているため、コーキング工事とシーリング工事の二種類が使用されていると考えられています。

コーキングやシーリングは建築業界以外、例えば車業界や船業界でも使用されています。特に決まりはなく両者を使い分けている場合もありますが、船体にはコーキング、蒸気機関車にはシーリングといったように、業種や会社によって呼び方を変えている場合もあります。

自力のコーキングで対応できる箇所

自力でコーキングする場合は、対応できる箇所とおすすめしない箇所があります。

例えば、外壁や笠木、サッシ周り、排気口・通気口などはコーキングで対応できる場合があります。ただし、場所によって適するコーキング材が異なるため、同じコーキング材を色々な箇所に使いまわすのはやめましょう。

自力のコーキングをおすすめしない箇所

外壁の隙間には、例えば排水や通気性に関わる部分など意味のある隙間もあります。こういった場所にコーキングをしてしまうと水の行き場が無くなってしまったり、通気性が悪くなって構造躯体自体に悪影響を及ぼしてしまったりすることがあります。

サイディング壁と屋根の取り合い部の施工不良が原因で雨漏りしたというケースでは、逆にこの部分をコーキングしたために雨漏りが悪化してしまったという事例もあります。

雨漏りの激しい場所は自力のコーキングをしても意味がないばかりか、余計に悪化させてしまうことがあります。

コーキング材に大きな断裂が入っていたり縮んで剥がれる肉やせという症状が起きていたりする場合は危険度が高いため、早急な補修が必要になります。なるべく早めに業者に対応してもらうようにしましょう。

隣家との距離が近い場合も、近隣トラブルにつながる恐れがあります。

また屋根の上など高所での作業には危険を伴います。決して無理をせずに、プロの業者に依頼することを検討しましょう。玄関周りなどの外壁は人目に付くことが多く、素人では美しく仕上げるのに限度があります。よほど腕に自信があるという場合を除き、DIYは避けた方が無難な場所だと言えるでしょう。

コーキング材の種類と特徴

コーキング材にはシリコン系、変形シリコン系、ウレタン系などがあります。

  • シリコン系…耐久性・耐熱性・耐水性に優れている。
  • 変形シリコン系…シリコン系よりも耐久性や耐水性に劣るが、上から塗装できるという利点がある。
  • ウレタン系…密着性が高く、硬化すると弾力性に富む。一方で紫外線に弱いため、コーキング材の上から塗装をする必要がある。

コーキング材の種類によって向いている箇所は違う

コーキング材の種類によって、それぞれ向いている施工箇所が違うので注意が必要です。

  • シリコン系…水をはじくという特性があるため、風呂場や水回り、瓦屋根の補修などに適している。ただし水をはじく性質があるので、上から塗装をする外壁などには不向き。
  • 変形シリコン系…外壁の補修、外壁の目地や窓枠のサッシ、笠木、排気口や通気口などに向いている。可塑剤などがにじみ出ないノンブリードタイプがおすすめ。
  • ウレタン系…密着性が高いため、コンクリートや木材の補修に適している。

自分でやるメリット・デメリットは?

自分でコーキングして雨漏りを修理する方法には、当然ですがメリット・デメリットが存在します。

自分でコーキングするメリット

  • 費用が安く済む可能性がある
  • 自分の家の状態を自分で把握することができる
  • 自分のタイミングでいつでもできる
  • 悪徳業者に騙される心配がない

自分でコーキングするデメリット

  • 素人作業なので美しく仕上がりにくい
  • 高所での作業など、危険を伴うことがある
  • 仕上がり内容に不安が残る
  • 失敗した場合、余計に時間と費用がかかってしまう
  • コーキングの知識をかなりつんでおく必要がある
  • 時間を取られてしまう
  • 近隣住民への配慮を自分で行う必要がある

自分でコーキングで雨漏り修理をする方法

自宅で雨漏りを発見したら、なるべく早く、費用のかからない方法で直したいですよね。この章では自分でコーキングして雨漏りを修理する方法やオススメの商品を紹介いたします。

ただし自分でコーキングを行う際は、欠かせない手順や注意しなくてはならないことがあるため、併せて紹介していきます。

用意するもの

コーキングをする際に必要なものは以下の通りです。ホームセンターやインターネットで購入することができます。

  • カッターもしくはペンチ
  • マスキングテープ
  • プライマー
  • コーキング材
  • コーキングガン
  • ヘラ

おすすめ材料

コーキングをする際にオススメの材料を紹介いたします。

プライマーでおススメなのが、こちらの「ボンドシールプライマー#7N 100g」です。
シリコンコーク、変成シリコンコーク、アクリルコーク、ウレタンコーク使用時の下塗り材として使用します。刷毛や筆などが別途必要です。

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雨漏りのコーキング材で最もよく使用されるのが、こちらの「セメダインPOSシール変成シリコーンシーラント」です。
粘度がよく、使いやすいため初心者には特におすすめです。雨風に強いため、施工後も長持ちするのが特徴です。色の種類も多いので、外壁の色に関わらず対応することができます。

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コーキング材には二種類ある

コーキング材には1液型と2液型があります。

  • 1液型…混ぜる必要がない、そのまま使用できるタイプ。DIY用に販売されているものは殆どが1液型で、素人向けです。
  • 2液型…コーキング材液と固める材液が分かれていて、使用する際に混ぜるタイプ。大量に使用する場合に適しているので業者向けです。

大手のメーカー、無名のメーカーのどちらを選ぶかは悩むところですよね。

大手のメーカーの方がやや高額である分、品質がよい場合が多いため、初心者は大手の物を選ぶようにする方が無難と言えるでしょう。

雨漏りの原因となっている箇所を探そう

自分でコーキングをする際、最も難しいのが雨漏りの原因箇所を突き止めることです。どこが原因で雨漏りをしているかがはっきりとしないうちに補修をしようと思っても、やりようがありません。

雨漏りの原因箇所は一か所とは限らず、複数の要因がある可能性もあります。一か所のみをコーキングしても意味がないばかりか、かえって雨漏りを悪化させてしまうこともあります。

また一見雨漏りが止んだように見えても、外から見えない部分への雨漏りは止まっていないというケースもあります。この場合、気づかないうちに構造躯体にダメージが及んでしまうので大変危険です。

コーキングをする際に重要なのは、雨漏りの原因をしっかりと突き止めることであり、それができないうちはコーキングをしてもあまり意味がないということは知っておくべきでしょう。

コーキングのやり方

自分でコーキングをするときの流れです。

  1. 既存のコーキングを剥がしてキレイにする
  2. 養生をする
  3. プライマーを塗る
  4. コーキング材を充填する
  5. マスキングテープを剥がして乾燥させる

それぞれのステップごとにわかりやすく説明していきます。

1.既存のコーキングを剥がしてキレイにする

既存のコーキングが残っていたり、埃や汚れが残っていたりすると、上手にコーキングすることができません。また防水性や耐久性も劣ってしまうので、必ず古いコーキング材は取り除きましょう

劣化していないコーキング材であれば綺麗に取り除くことができますが、劣化が進んだコーキング材は取り除きにくいため、カッターやペンチなどで外壁材を傷つけないように丁寧にコーキング材を剥がします。剥がしたらホコリやゴミなども雑巾などでキレイに拭き取りましょう。

2.養生をする

養生とはコーキング材が外壁にはみ出ないように、マスキングテープなどを貼って周囲を覆うことを言います。

コーキング材を塗る場所周辺、例えば目地にコーキング材を打つのであれば、目地に沿ってマスキングテープをキレイに貼り付けます。乾いたら、マスキングテープをゆっくりと剥がしましょう。

3.プライマーを塗る

プライマーとは外壁材とコーキング材との接着力を高めるための下塗り材のことを言います。

マスキングテープからはみ出ないように気をつけて塗りましょう。

4.コーキング材を充填する

プライマーが乾いたのを確認したら、いよいよコーキング材を充填します。上から下へ、量を多めに打ち、ヘラなどで均一にならします。空洞ができないように気をつけましょう。

5.マスキングテープを剥がして乾燥させる

コーキングが乾いてしまうとマスキングテープが剥がれにくくなってしまいます。コーキング材を打ち終わったら、必ずマスキングテープを剥がしましょう

その後しっかりとコーキング材を乾燥させたら完成です。天候や使用するコーキング材にもよりますが、表面が乾くには丸1日程度、完全に乾燥するには一週間程度かかります。その間はコーキング材に触らないようにしましょう。

自分でできない時は業者に頼もう

雨漏りのコーキングは、場所によっては危険を伴います。また下手にコーキングを打ってしまうと雨漏りが直らないばかりか、かえって雨漏りが悪化してしまう場合もあります。

自分でコーキングすることが難しい、自信がないと感じたならば、速やかにプロの業者に依頼することを考えましょう

コーキングはどの業者に頼むの?

「コーキングを業者に依頼したい」と決めたのであれば、次は業者探しです。でもコーキングってどの分野の業者にお願いすればよいのかわからない、という人は少なくないのではないでしょうか。

実はコーキングは塗装屋の分野になります。外壁塗装などを請け負っている業者の中から選ぶようにしましょう。

こんな業者には注意して!

コーキングには既存のコーキングの上に新しくコーキングする「増し打ち」という工法と、既存のコーキングを剥がしてからコーキングしなおす「打ち替え」という工法があります。

打ち替えの場合、既存のコーキングを剥がす費用がかかってしまうため、増し打ちよりも費用が高額になってしまいます。けれども既存のコーキングをそのままにしておくと、剥がれやすかったり亀裂が入りやすかったりするため、長い目で見た時には損をしてしまう可能性があります。

一見すると増し打ちの方が安く見えるため、安さを売りに増し打ちを勧めてくる業者も少なくありません。きちんとした理由があっての増し打ちであればいいのですが、よくわからない理由で増し打ちを勧めてくるような業者には注意しましょう

コーキング修理の相場ってどのくらい?

参考単価として増し打ち1m500~900円、打ち替え1m700~1200円、既存のコーキング材を撤去するのに3万円ほどかかります。

足場は業者や地域によっても変わりますが、一般的には700~900円/㎡が目安です。

2階建て30坪で増し打ちなら10万~18万円。打ち替えなら14万~24万円となります。

足場の相場が12万~20万円なので、合計すると増し打ちで20万から40万円、打ち替えで30万~50万円が目安となります。

コーキングは寿命が短く修理の回数が増えるため、つい安価な業者に依頼したくなってしまうかもしれません。

けれどもコーキングの寿命は業者の腕にかかるところが大きいため、値段ではなく技術面や知識面で信頼できる業者を選ぶことが大切です

まとめ

雨漏りをコーキングで対策・修理する、についてまとめてみました。 雨漏りは放置しておくと構造躯体にまでダメージが及んでしまうこともあるので大変危険です。

素人では原因を突き止めることが難しく、中途半端にコーキングしてしまうとかえって悪化することもあるため、なるべくプロの業者に依頼するようにしましょう。

この記事のポイントは以下の3点です。

  • 雨漏り対策としてコーキングする際、コーキングに向いていない場所もあるので注意する必要がある。
  • 自分でコーキングするのは、安く仕上がるというメリットがある一方、うまく仕上げるのが難しく危険を伴うというデメリットもある。
  • 雨漏りの処置を間違えるとかえって大ごとになってしまう可能性があるので、早い段階でプロの業者に依頼することを検討した方がよい。

以上のポイントを押さえて、雨漏り対策を速やかに、確実に行いましょう。