家に入り込むアライグマ…糞の処理は?駆除方法は?ケース別に紹介します

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「家の中から、犬や猫とは違うイヤな臭いがする……」

「庭の植物がめちゃくちゃにされた……」

「いつのまにか家の壁に傷がついている……」

困った事件の犯人とは、アライグマです。

こんにちは!

足跡を見ただけで野生動物の種類がわかるド田舎出身ライター・中沢です。
畑や田んぼの近くに住んでいると、アライグマが家に入り込んでくることがありますよね。

「毎晩、屋根裏からドタドタ足音がする!」

「せっかく実をつけた畑の野菜や果物が食べられた!」

「天井にモワ〜〜ッと汚いシミが!」

なんとも田舎あるあるですが、都会に住んでいる方も例外ではありません。
アライグマは都心部にも生息しています。

(たくましいですね……。)

丸いフォルムと大きなしっぽで、どこか愛嬌のあるアライグマ。
いくら可愛いからといって、そのまま放っておくととんでもないことになります。

家に侵入するアライグマを放置していると、糞や尿で腐った天井板が腐り落ちたり、寄生虫によって最悪死に至る危険もあるんです。

とにかく、家の中をアライグマを一刻も早く駆除したい。

そんな方のために、アライグマ被害に遭った経験を持つ私が、アライグマの生態と今すぐ使える実践的な駆除方法を紹介します!

アライグマを駆除する方法は大きく分けて3つ。

  • 自力でアライグマの侵入対策をする
  • 自治体や保健所に連絡して、既に侵入してしまったアライグマを駆除する
  • 業者に依頼して、アライグマを駆除してもらう

この記事では、上記3つのやり方とそれぞれの注意点を細かく掲載します。

「アライグマの駆除」と言いましたが、そもそも外国の動物だったアライグマがどうして日本で害獣になったのか、あなたは知っていますか?

実は、これには私たち人間の行動が深く関係していたんです。

その理由は駆除方法と合わせて説明します。
それでは、早速見ていきましょう。

▼今すぐアライグマの駆除方法を知りたい方はこちら▼

目次

アライグマを駆除する前に……一体どんな動物なの?

すぐ駆除の方法をご紹介・・!といきたいところですが、
その動物、本当にアライグマですか?

アライグマって他の動物と間違えやすいから注意してくださいね。

効率よく、そして確実に駆除するためには、まずは害獣の種類を特定することが一番の近道です。

ここではまず、アライグマの特徴と生態についてお伝えし、次に他の動物との見分け方を解説します。

アライグマの特徴や生態は?

アライグマは、1970年代に北アメリカから日本へやって来た外来生物です。
そのため、日本の動物とは特徴や行動がかなり違います。

アライグマの特徴

アライグマの特徴

活動時間 夜行性で、夜に外をうろつく。
活動時期 3月〜5月に繁殖し、活発になる。
性格 意外と凶暴。
得意なこと 木登り。鋭い爪を持ち、あっという間に7〜8m登る。水の中も歩いて移動する。
ねぐらの場所 ねぐらの場所:民家の屋根裏や壁の隙間などにねぐらを作る。
ねぐらの特徴 藁などを持ち込み、ため糞をする。
名前の由来 水をかき回してエサを探す様子が、手を洗っているように見えることから名付けられた。
食べるもの 果物、野菜、穀物、生ゴミ、サンショウウオ、カエル、コオロギ、キリギリス、ザリガニ、タニシ

……こうして見ると、かわいい見た目に反してかなり気性の荒い動物ですよね。

日本に輸入された当時はペットとして飼われていたようですが、人の手を噛んでケガをさせることが多かったんだとか。
アライグマがもし犬や猫のように人なつっこい性格だったら、今ごろ違う扱いになっていたかもしれません。

それに加えて、かなりの雑食。

アライグマは人の畑に侵入することも多いです。
アライグマによる日本の農作物被害は、年間約3億2千7百万円にも上ります※。

※農林水産省│全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成29年度)

ペットではなく、野生生物としてたちまち全国に増えていった理由が分かる気がしますね……。

迷ったらこれを見よ!アライグマと他の動物の見分け方

続いて、外見の特徴について。

アライグマとほかの野生動物をひと目で見分けるには、やはり見た目で判断するのが1番です。
下の表を見てみてください。

顔の模様 全身 足跡
アライグマ

  • 眉間い黒い筋
  • 耳の周りが白い

  • がっしりしている
  • 縞のある大きな尾

  • 5本指
  • 細長い指
タヌキ

  • 目の間は白い
  • 耳の周りが黒い

  • ずんぐりしている
  • 首回りに黒い模様
  • 小さい尾

  • 4本指
  • 丸いシルエット
ハクビシン

  • 鼻筋が白い (白眉芯の由来)
  • 目の周りに斑模様

  • スリム
  • 体が灰色
  • 長い尾

  • 5本指
  • 細い指
アナグマ

  • 目の周りに縦の黒模様
  • 耳が小さい
  • 鼻が大きい

  • 体が灰色
  • 手足が長い

  • 5本指
  • 横長のシルエット
イタチ

  • 目の周りが黒
  • 口の周りが白

  • 細長い
  • 長い尾

  • 5本指
  • 指が離れている

特に間違えやすいのはアライグマとタヌキです。
パッと見同じに見えますが、顔の模様としっぽの大きさに特徴がありますね。

「見た目を確認したくても、夜道で素早く移動されると、よく見えないんだよね……」
という方もいると思います。

そんな時は、土の上に足跡が残っていないか見てみましょう。

アライグマは5本足、タヌキは4本足です。
足跡の違いから、アライグマとタヌキ、どちらが通ったか判断することができます。

あなたの命にかかわる危険も……アライグマの侵入を放置してはいけない理由

アライグマの侵入を放置すると、屋根裏や壁の隙間などに巣を作られる可能性があります。
巣の中にアライグマの糞が溜まることで、家がボロボロになったり、人間の健康に害を与える可能性があるんです。

代表的な被害5つをピックアップしてみました。

  • 家の中の悪臭
  • 天井の腐食
  • 足音による騒音
  • ノミやダニの発生
  • 感染症や病気

どれもイヤですね〜。

それぞれの被害がどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

家の中の悪臭

「家の中からひどい悪臭がして、初めてアライグマの存在に気付いた」
という方もいるでしょう。

アライグマは雑食なので、糞の臭いも独特です。

ペットの犬や猫などの糞とは違う、イヤ〜な臭い。
ある意味、これが最大の悩みの種かもしれません。

天井の腐敗

ある日、ふと居間の天井を見上げたら、不吉な黒いシミが……。
このシミはアライグマの糞尿が天井裏に溜まり、染み出した汚れによるものです。

そのままにしておくと、糞尿に含まれる雑菌で家がボロボロになってしまいます。
天井板が腐り、重みに耐えきれず抜け落ちてしまうこともあります。

足音による騒音

アライグマは夜行性の動物です。
昼間は巣の中で寝ていても、夜になるとエサを探して、活発に動き回ります。

アライグマの侵入を放置していると、
「深夜にアライグマの足音で起こされて、毎日寝不足……」
なんてことになりかねません。

ノミやダニの発生

「なんだか全身がかゆいな」と思ったら、アライグマに付いていたノミとダニが原因だった
……なんて状況は避けたいですよね。

ノミやダニに刺されると、痛みを伴うだけでなく、感染症を引き起こす原因にもなります。

感染症や病気

アライグマが運んでくるのは、ノミやダニだけではありません。
アライグマの糞による雑菌で、病気や感染症にかかる危険性があります。

ここでは、特に注意してほしい2つの病気をご紹介します。

「アライグマ回虫」という寄生虫を知っていますか?

これはアライグマの小腸に棲む回虫で、糞と一緒に卵を排出します。
人間が素手で糞に触れ、この卵を誤って口に入れてしまうと大変です。

重い脳障害を引き起こす可能性があります。


また、アライグマは狂犬病も媒介します。

狂犬病は致死率100%の病気です。
治療法はまだ見つかっておらず、今も世界中の人が苦しんでいます。

このように、アライグマを放置すると様々な危険が待っています。
家に侵入したアライグマはすぐに駆除しましょう。

ちょっと待って!駆除目的でも違法になるって本当?

これまで様々な被害をお伝えしてきましたが……、

「こうしちゃおれん!一刻も早くアライグマを駆除しなきゃ!」
と行動する前に、1点だけ注意してほしいことがあります。

アライグマは鳥獣保護法で狩猟獣に指定されています。

さらに「外来生物法(※1)」によって特定外来生物にも指定されており、飼育・運搬・放獣が法律で禁止されているんです。

(※1)特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に感する法律

あなたがもしアライグマを見つけても隠れて保護したり、飼育してはいけません。

「殺処分するのはかわいそう」
「保護して、里親に出したい!」

という気持ちが湧いても、まずは速やかに自治体に相談してください。

アライグマを許可なく保護・飼育すると、3年以下の懲役か300万円以下の罰金が課せられます。

「一人暮らしの寂しさ紛らわすため」アライグマを無許可で飼育、78歳男を書類送検 兵庫県警

(厳しいですね……。)

さらに、「駆除するためにアライグマを捕獲したぞ!自分で保健所に持っていこう!」
これもNGです。

保護してはいけないだけでなく、駆除目的の運搬でも違法になるなんて、驚きですよね。


アライグマはなぜ、ここまで厳しく管理されるようになったのでしょうか。
実はアライグマが害獣に認定された背景には、とある悲しい事情があったんです……。

1970年に北アメリカから輸入され、日本でペットとして人気を集めたアライグマ。
ブームを終えてからは、飼育放棄や脱走によりたくさんのアライグマが野生化しました。

アライグマは元々、北アメリカの水辺に住んでいた生き物です。
しかし、日本の都会に落ちているゴミやスナック菓子の味を覚えたことで、どんどん雑食化して行きました。
あとはご存知の通り。

民家の屋根裏にねぐらを作るようになり、被害が拡大した結果、今に至ります。

つまり、アライグマが害獣になってしまったのは人間のエゴのせいでもあるんですよね。

「それなら、アライグマを故郷に返したらいいんじゃない?」
と言う人もいますが、ダメなんです。

アライグマを原地に返したとしても、結局は今の現地の生態系を壊すことになってしまいます。
自分のためにも、地域や生態系を守るためにも、1体1体確実に減らしていくしかありません。

実践!アライグマの駆除方法

法律上、駆除するのが難しいアライグマ。
1度で駆除するために、最も良い方法は何なのか?

それは……ぶっちゃけ被害度合いによって変わってきます。

そこで、あなたのケースに適した方法は何なのか、見てみましょう。

あなたはどのタイプ?ケース別アライグマ対策

フローチャートを用意したので、試しにやってみてください。

さあ、どんな結果になりましたか?
CASE1〜3という数字は、アライグマから受けたあなたの被害レベルを表しています。

CASE1:そこそこタイプ

そこそこアライグマの被害に遭っているが、できれば自力で解決したいと考えているあなた。
アライグマの駆除は、たとえ自力でやる場合でも自治体への連絡が必要です。

自治体は、無料でわなを貸し出してくれたり、場合によっては駆除から処分まで一貫して行ってくれる心強い味方です。
対応は地域ごとに違うので、まずは相して指示を仰ぎましょう。

相談後は、自力でわなを仕掛ける必要があるかもしれません。
土壇場でもしっかりと行動できるよう、わなを仕掛けるコツやポイントを覚えておくといいです。

下記のトピックで、自治体への相談の流れわなの仕掛け方をお伝えするので、確認してみてください。

▼アライグマ対策と侵入口の塞ぎ方、糞の掃除方法はこちら▼

CASE2:まだまだタイプ

現時点では、まだ大きな被害には遭っていないあなた。
今後のために、アライグマの侵入対策を見ておきましょう。

万が一アライグマが侵入した時に備えて、侵入口の塞ぎ方糞の掃除方法も覚えておいてくださいね。
アライグマの侵入対策は、下記のトピックから確認できます。

▼アライグマ対策の方法はこちら▼

CASE3:いよいよタイプ

アライグマの被害が深刻、もしくは自分でやるのが不安で、いよいよ本格的に心配になってきたあなた。

一刻も早くアライグマを駆除したいが、どこから手をつけていいのか分からない……。
そんな時は、駆除専門の業者に依頼して、駆除してもらいましょう。

▼アライグマ駆除業者への連絡はこちら▼

診断結果によってとるべき対応が変わってくるので、ぜひ参考にしてください。

それでは、1つ1つ詳しく見ていきましょう。

自力でアライグマを駆除してみよう!自治体への相談からわなの設置まで

そこそこアライグマの被害に遭っているが、できれば自力で駆除したい!
そんな「そこそこタイプ」のあなた。

アライグマの被害に遭った時は、まずは自治体か保健所に相談しましょう。

「え?自力で駆除できるんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、アライグマは特定外来生物に指定されているので、1から10まで個人でやりきるのは難しいんです。

捕獲後の運搬や処分は個人でやると違法になってしまいます。

自治体に協力してもらえば、法律面でも安心
さらに費用も抑えることができて、一石二鳥ですね。

自治体に連絡してから自力で駆除するまでには、大きく2つの作業があります。

  1. 自治体に相談する
  2. わなを設置する

それぞれの流れと注意点を順番に見ていきましょう。

1. 自治体に連絡してみよう

自治体に相談する際の流れはこんな感じです。

  1. 電話で自治体に連絡し、状況を伝える。
  2. 役所に行く、もしくは郵送・FAXなどで申込書を提出。
  3. 自治体が申込み書を受領後、正式に許可が降りるのを待つ。
  4. 捕獲のための日程調整。

※住宅内にわなを仕掛けて捕獲できかった場合は、最長3週間の貸し出しが限界で、延長はありません。
(東京都 町田市の場合)
参考:町田市 アライグマ・ハクビシン防除事業

(結構時間がかかりますね……。)

駆除にあたって、細かいルールは住んでいる地域によって異なります。
対応が違う主な理由は、地域によって住民の被害度が変わるからです。

たとえば、アライグマによる被害の多い地域だと、一括で駆除を引き受けてくれるかもしれません。
しかし、そうではない地域では「わなを貸し出すので、設置と捕獲だけは自分でやってくださいね」と言われることもあります。

あなたの地域はどうでしょうか?

「○○市(区) アライグマ 駆除」などのキーワードで検索してみましょう。
市区の公式ホームページに、無料の相談窓口が掲載されているはずです。

ここで1つ頭に留めておいてほしいのですが、獣害は個人の問題ではなく、地域的な問題です。

今はアライグマ駆除に力を入れていない地域でも、あなたが相談することで今後のサポートが見直される可能性があります。
役所が地域範囲で対策してくれれば、あなただけでなく周りの家も助かりますよね。

自分のためにも、周りの人ためにも、アライグマ被害に遭ったらまずは連絡することを忘れないでください。

「自分の地域では駆除を請け負ってくれなかった」
「処分はするが、捕獲は対応外だった」

という場合は、自分でアライグマを捕獲しましょう。
今から、その方法についてお伝えします。

2. 箱わなはこう使え!捕獲のポイントと注意点

たとえ自治体に相談しても、「箱わなの設置と捕獲は自力でやってください」と言われることがあります。
そのような時にも慌てず対応できるよう、自力でアライグマを捕獲する方法を見ておきましょう。

アライグマの捕獲には「箱わな」を利用します。

自治体に申請すれば箱わなを貸し出してもらえることが多いですが、自前で用意する場合でも大丈夫です。
amazonなどの大手ネットショップでも売っているので、すぐに調達することができます。

大・中・小とありますが、アライグマは中型なので、Mサイズを選びましょう。
(大はイノシシなどに使用します)

シンセイ アニマルキャッチャー M LSL-HB-M
価格 価格¥4,695

(2019年9月13日時点のamazon価格)

箱わなが到着したら、いよいよ設置です。

箱わなの設置手順

  1. アライグマの通り道で、なるべく平たい場所に箱わなを置く。
  2. 箱わなをペグでしっかりと固定する。
  3. アライグマ用の誘引餌を設置する。
  4. 箱わなを隠すように草や木の枝を被せて、完成。

(意外と重労働ですね……。)

捕獲の際、箱わなの金属でけがをすることがあるので、きちんと軍手を使用してください。
わなを外に設置する場合は、誤って人が触ってしまわないよう、目的を書いたカードを下げておくこともお忘れなく。

準備が整ったら、アライグマがわなにかかるのを待ちましょう。

(かかった!)
無事に捕獲できたら、すみやかに自治体や保健所に連絡して引き取ってもらいましょう。

さらに詳しく知りたい方は、こちらの動画を参考にしてみてください!

外来生物方に基づくアライグマの防除捕獲│環境省

対策してみよう!侵入口を塞ぐ方法と糞の掃除方法

今はまだそこまで大きな被害に遭っていないが、アライグマの侵入対策が知りたい。
そんな「まだまだタイプ」のあなた!

ここではまずアライグマに侵入されない家を作る方法を紹介し、次に応急処置として侵入口の塞ぎ方と糞の掃除方法についてお伝えします。

「ある日突然、アライグマに侵入された!」
「家の中にアライグマの糞を見つけた!」
という時にも慌てず対処できるよう、流れを抑えておきましょう。

ここで紹介するノウハウは、アライグマの侵入を予防するだけでなく、1度駆除したあとの再発防止としても有効です。
実際にアライグマ被害に遭っている「そこそこタイプ」の方も、ぜひ見ておいてくださいね。

まずは、アライグマに侵入されない家にするにはどうしたらいいのでしょうか。
早速見ていきましょう。

アライグマに侵入されない家にするために

アライグマに侵入される家と、そうでない家の違いは一体何なのか。

それは、アライグマが好むものや場所があるかどうかの違いです。

アライグマに侵入されない”鉄壁の城”を作るには、

(1) アライグマをおびき寄せる原因
(2) アライグマが侵入する場所

この2つを潰していく必要があります。

まず、(1)。

(1) アライグマをおびき寄せる原因をなくそう

あなたの家にアライグマをおびき寄せる原因があるかどうか調べてみましょう。

以下のチェックリストを見てみてください。
当てはまる項目はありませんか?

  • ペットの犬や猫のエサ箱を外に放置している
  • 家の周りに果物の木があり、食べごろの実がついたままになっている
  • 畑の野菜を収穫せずに放置している
  • 生ゴミを捨てるポリバケツを外に置いている
  • ゴミ出し前日の夜は、外に生ゴミを出している

1つでもチェックがついた方は、要注意です。
このような行動は、アライグマに「うちに来てくれ」と言っているようなものです。

食べられる作物を放置しないこと、ゴミ出しの時間にきっちり捨てることは、アライグマ対策の基本中の基本です。
どうしても作物やゴミを家の中に入れられないという人は、

  • 作物の周りにネットを張る
  • ゴミを小分けにして、密閉した状態で捨てる

などの対策をしてみましょう。

(2) アライグマが侵入する場所を把握しよう

続いて、アライグマがどんな場所から侵入するのか見ていきます。
下の写真のどこが侵入口になりそうか、一緒に考えてみましょう。

わかりましたか?
例えば、

  • 床下の通風孔
  • ひさしの外れた部分
  • 軒天井の換気口
  • 屋根の上

……などなど、いかにもアライグマが入りそうですよね!

アライグマは狭い隙間が大好きな生き物です。
直径10cm程度の穴でも、頭さえ入れば身体をベタッと平たくして潜り込みます。
(猫と同じですね……。)

アライグマは鋭い爪を持っています。
この爪で出窓と壁の僅かな隙間を広げたり、天井裏や壁の間に入れてある断熱材を引き剥がしてしまいます。

もしもあなたの家の外壁や柱に長めの引っかき傷がついていたら、アライグマが侵入した可能性大です。
外壁の隙間やパイプのひび割れからも家に侵入することがあるので、劣化しているところはないか入念にチェックしてみてください。

アライグマの侵入口の塞ぎ方

「十分な対策をしたけれど、アライグマに侵入されてしまった……。」
そんな時は、すみやかに侵入口を塞ぎましょう。

正しい塞ぎ方のポイントは大きく2つです。

  1. 頑丈に塞ぐ
  2. 塞ぐタイミングに気をつける

順番に見ていきましょう。
まず、「1」について。

1. 頑丈に塞ぐ

アライグマは力の強い生き物です。
コンクリートや漬物石も簡単にどかしてしまいます。

なので、なるべく頑丈に塞いだほうがいいです。

自力で塞ぐ際には、侵入口の大きさに合わせて以下の道具を使用しましょう。

必要な道具一覧

  • 隙間を埋めるテープ/ゴム材
  • 金網
  • 鉄柵
  • 防鼠版
  • フラップシール
  • パテ

これらはネットショップやホームセンターにも売っているので、手軽に対策できていいですね。

屋根や軒下の隙間など、素人では対処が難しい場所は、駆除業者や工務店に頼んで設置してもらいましょう。

続いて、「2」です。

2. 塞ぐタイミングに気をつける

侵入口を塞ぐにはタイミングも重要です。
アライグマのつがいや子供が中にいる状態で塞いでしまうと、中で餓死してしまい、かえって大変なことになります。

なので、侵入口を塞ぐ前に個体が何匹いるか確認するようにしましょう。

「家の中にアライグマが何匹いるのかわからない……」
という場合は、専門家に相談してみてください。

▼アライグマ駆除の相談窓口はこちらから▼

アライグマの糞を掃除する方法

「敷地内で糞をされた。とにかく、一刻も早くキレイにしたい!」

という時に、やむを得ず糞を自力で掃除する場合の流れを紹介します。

まず、使用するグッズは下記の通りです。

【基本のグッズ】

  • マスク
  • ゴム手袋
  • ほうき
  • ちりとり
  • ビニール袋(多めに用意)
  • 雑巾/布
  • 消毒用アルコール/エタノール

【あると嬉しい】

  • 毛髪ネット/三角巾/髪ゴム
  • 使い捨てのビニール保護服

掃除の際には、完全防備で挑むことを忘れないでください。

アライグマの糞に含まれる雑菌や、埃を吸い込んでしまうと大変です。
前にお伝えした通り、感染症や病気にかかる危険性があります。

少しオーバーですが、下の写真の左側のような服装が理想ですね。
右のように素手で触るのは絶対にやめましょう。

道具を準備出来たら、早速掃除を始めましよう。

糞掃除の5STEP

  1. まず、捨ててもいいほうきで糞を集め、袋に集める。
  2. 糞を入れた袋の上にさらに袋を重ね、何重にも密閉する。
  3. 袋ごとゴミに出す。
  4. 処理に使用した道具もすべて処分する。
  5. 最後に床をアルコールやエタノールで消毒し、雑巾で拭いて完了。

いかがでしょうか。

糞を掃除した場所はアライグマが警戒して避けることが多いので、その後のアライグマ対策としても有効です。
ただし、屋根裏や天井に糞がある場合、素人ではなかなか掃除が難しいですよね。

手の届かない狭いところや、糞がどこにあるのか確認しづらいところは、業者に依頼して掃除してもらった方がいいでしょう。

「屋根裏」「天井」などの単位でまとめて除菌してもらえば、掃除のし忘れも回避できます。

▼アライグマ駆除の相談はこちら▼

実践したけれど……効果がなかった方法と教訓

ここまで、自力でできる対策や方法を紹介してきました。

補足として、効果のない方法も紹介しようと思います。

下の表は、私の実家でアライグマが出た時に、ネットや本を見て対策したみたものの、効果が見られなかった方法です。
よく見る方法ではありますが、あまり効果がないので実践しないでくださいね!

バルサンを焚く 効果なし。(ノミやダニは退治できたかも)
殺鼠剤 大量に使用しなければ効果がない。免疫をつけてしまう可能性も。
木酢酢を撒く 一時的な効果しかない。雨で流れて消えてしまう。
電気柵 広範囲に設置するのが難しい。現実的でなかった。
動物よけネット 畑の野菜を守ることはできた。家への侵入は防げなかった。

それぞれどこがダメなのか、詳しく見ていきましょう。

バルサン、殺鼠剤

これはわかりやすいですよね。
バルサンと殺鼠剤、どちらも小型の動物や虫を想定した分量になっています。

なので、そのままの状態では中型動物のアライグマにはあまり効果がありません。

誘引エサに薬剤を混ぜる場合も、対アライグマの場合は大量に入れなければいけません。
下手に少量を入れてしまうと、かえって薬剤への耐性をつけてしまう可能性があります。

やめた方がいいでしょう。

木酢酢

続いて、「木酢酢を撒く」

アライグはハーブや唐辛子などの臭いが苦手だと言われています。 この特徴を利用して、アライグマの苦手な臭いを発する液体を撒くやり方です。

……結論から言うと、これらの「におい作戦」はあまり効果がありませんでした。
一時的には効果が見られるものの、雨で流れてしまうので、追い払ったアライグマがまた来るようになってしまったんです。

これから試そうとしていた人は、やめた方がいいですね。

電気柵、ネット

最後に、電気柵やネット。

これらは、物理的にアライグマが入ってこれなくなるので、畑や草花を守るのには有効でした。
農作物に被害が出ている場合、やってみる価値はあります。

しかし、家屋を含めた広範囲にネットを張るのは不可能です。
畑を通り越して家に入ってくるアライグマを食い止めることは出来ませんでした……。


以上、”ダメな例”の紹介でした。
屋根裏のアライグマに困っている皆さんは、くれぐれも実践しないでくださいね。

このように、アライグマとの一進一退の闘いを経験して、1つだけ学んだことがあります。

それは、「アライグマはできるだけ1度で駆除した方がいい」ということ。

薬剤などでアライグマを中途半端に弱らせた場合、近隣の屋根裏にあるねぐらに帰り、そこで死ぬ場合があります。
こうなると、のちのち厄介です。

なので、アライグマはできるだけ弱らせず、個体の処理を含めて駆除しきる必要があると頭に入れておいてください。

アライグマを自力で駆除する場合のポイント

できれば、1度で完結させたいアライグマ対策。
自力でやる場合のポイントをおさらいしてみましょう。

自治体に相談
  • 「○○市(区) アライグマ 駆除」で検索する。
  • 各自治体の公式ホームページにある相談窓口に連絡する。
箱わなの使い方
  • なるべく頑丈に塞ぐ。
  • 塞ぐタイミングに気をつける。
アライグマの侵入対策
  • エサとなるものを放置しない。
  • ゴミは速やかに処分する。
  • 建物が劣化していないかチェックする。
  • 庭の木を剪定する。
侵入口の塞ぎ方
  • 中型動物用の箱わなを使う。
  • けがをしないよう、作業中は軍手を使用する。
  • 周りの人が触らないよう、わなの目的を明記する。
  • 捕獲後は移動せず、すみやかに自治体や保健所に連絡する。
糞を掃除する方法
  • 糞に触らないよう、完全防備で作業する。
  • ほうきで集めた糞を袋に入れ、何重にも密閉して処分する。
  • 掃除に使った製品は、すべて捨てる。

自力でやる場合のネックは、どうしても手間と時間がかかることですよね。

「自治体に相談すれば、楽に駆除できるんじゃない?」
と思うかもしれませんが、そうでもありません。

電話で相談したあと、アライグマ駆除の申請書を郵送するとします。
この書類を相手が受け取り、実際に捕獲するまでには、だいたい1〜2週間ほどかかると思ってください。


自力でやる場合は、素人目線の見落としにも注意が必要です。

「侵入口も塞いだし、掃除もきっちりできた!」と思っても、できていなかったとしたら……。
またアライグマが入って来てしまう可能性があります。

これでは意味がないですよね。
そこで……

アライグマの駆除業者に依頼しよう!

アライグマの専門家である駆除業者に依頼すれば、相談から処理までがとてもスピーディーです。
駆除だけでなく、糞の掃除や天井裏の除菌などもトータルでやってくれます。

「アライグマを手負いにしない」
「再発を防ぐ」
という観点からも、業者に依頼することは非常に合理的です。

ここでは、「スピード」と「金額」という2つの観点から優良な業者選びのコツを紹介します。
あとから後悔しないよう、業者に依頼する際の流れも知っておきましょう。

業者選びのコツは?

業者選びのポイントは2つあります。

(1)迅速に対応してくれるか
(2)料金相場が適切か

順番に見ていきましょう。
まずは(1)から。

(1)迅速に対応してくれるか

相談から駆除までの流れがスムーズな業者を選びましょう。
また、こちらのスケジュールに合わせて日程を組んでくれるかも見た方がいいでしょう。

業者へ依頼してからの流れは、大体こんな感じです。

  1. 業者へ相談、現場の確認と見積もり
  2. 作業と費用についての説明
  3. 捕獲・追い出し
  4. 殺菌・消毒・清掃
  5. 侵入口の封鎖

なるべく早く来てもらうために、業者のホームページに下のような記述があるか確認してみましょう。

・インターネットからの相談可
・土日祝日見積もり対応
・夜間でも相談可

これなら、「休みの日の夜、緊急で相談したい!」という時でも安心ですね。
続いて、(2)。

(2)料金相場が適切か

アライグマは、法律上の観点から、駆除が難しい動物です。

中には、それを逆手にとって法外な金額を請求する悪徳業者もあります。
業者選びの際には、適正価格で駆除してくれる業者に依頼しましょう。

業者による駆除の料金相場は、家の大きさ、被害の度合いによって異なります。

基本的には、アライグマの駆除にかかる基本料金は20,000円程度
それにプラスして、捕獲用のわなの申請手続き、設置、侵入口の封鎖や糞の掃除などの料金が加算される仕組みになっています。

私の場合、平屋の戸建てでトータル50,000円〜100,000円程度で、相場の範囲内でした。
現地調査から見積もりまでを無料でやってくれる業者もあるので、まずは来てもらうのが手っ取り早いですね。

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以上になります。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
少しでもアライグマ被害に遭ったら、早めの対策・駆除を徹底してくださいね。

それでは、またお会いしましょう!