痛いハチ刺されに!間違ってない?正しい応急処置と薬

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軟膏の塗布

「ハチの毒針に刺された!痛みや毒の影響を軽減するために、薬は必要?どんな薬を使えばいい?」

ハチに刺されてしまったときやその状況を考えたとき、使うべき薬が分からず、困ったことはありませんか?

ハチの毒針で刺されると、強烈な痛みがあるだけでなく、命を落としたり後遺症が残ったりする可能性があります。とても恐ろしいですよね。

だからこそ、ハチに刺されたときは、正しい手順や薬ですぐに応急処置を行う必要があります。

ハチに刺されたときに、痛みを軽くしたり自分の命を守ったりするためには、どのような処置や薬が必要なのでしょうか。

この記事では、適切な応急処置の方法と、ハチ刺されに効果のある薬やその使い方を説明していきます。

ハチに刺されたら、応急処置を!

応急処置セット

もしもハチに刺されてしまったら、即座に応急処置を行って体内への毒の侵入を最小限にする必要があります。毒の侵入を最小限にできれば、毒によって発生する症状を軽減させることができるからです。

特に、命を落とす危険性のあるアナフィラキシーショックという症状は、ハチに刺されてから1時間以内に起こることが知られています。

ですので、ハチに刺されたらできるだけ早く、最低でも1時間以内に応急処置をすることが、自分の命を守る上でも重要です。

では、その応急処置の具体的な方法について、以下に解説していきます。

こんなときは迷わず、救急車の要請を!

ハチに刺された人の10%〜20%が、そのハチ毒の中の成分によってアナフィラキシーを起こすとされています。

さらにその中の数%が、より重度で致命的なアナフィラキシーショックを起こすとされ、この場合、命を落とす危険性もあります。

命を守るために、アナフィラキシーショックの兆候が少しでも出たら、迷わずにすぐ救急車を呼んでください。可能な限り早い段階で、医療機関での適切な治療を受けるべきだからです。

しかし、ハチに刺されたとしても「救急車を呼ぶべきかどうか、迷ってしまう。」という方も少なくないと思います。

その判断に迷わないために、ハチに刺されたときの症状のうち、救急車を呼ぶ目安となる症状を知っておきましょう

救急車を要請する必要がある典型的な症状の例として、以下のものが挙げられます。

  • 全身にじんましんが起こる
  • むくみが出る
  • 呼吸困難になる
  • 意識がもうろうとなる
  • 吐き気や嘔吐が起こる

このような症状が起こった場合は、即座に救急車を呼んで医療機関への搬送を依頼しましょう。

その他、普段では考えられないような体の変化があった場合も、無理をせずに救急車を呼んでください。

また、ハチに2回以上刺されたときは、上記のような救急を要する症状が起こりやすいです。

そのため、過去にハチに刺された経験のある人は、より注意しながら体に現れる症状を観察してください。

救急車を呼ぶかどうかの判断についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、迷ったときは参考にしてくださいね。

応急処置の方法

ハチに刺されたら、応急処置を行うことで、その後の症状の悪化を防げます。

応急処置は自分でも行えますので、救急車を呼ぶかどうかの判断をする段階や、救急車の到着までの待ち時間など、タイミングがあればすぐに行いましょう

正しい応急処置の手順やポイントは、以下の通りです。

  1. 皮膚に残った針や毒嚢を取り去る

ミツバチに刺された場合、毒が入った袋である毒嚢が毒針とともに皮膚に残ることがあります。

ピンセットでつまんだり、指などで弾き飛ばしたりして、皮膚から取り去りましょう。

注意点として、毒嚢を押しつぶしてしまうと、毒嚢に残っている毒が体の中に注入される危険があります。慎重に毒針と毒嚢を除去するようにしてください。

スズメバチやアシナガバチに刺された場合は、基本的には毒針は残りません。

ですがもし、折れるなどした毒針が残っている場合は取り除きましょう。

  1. 傷口を流水で洗う

ハチの毒は水溶性です。

そのため、流水で刺された場所を洗うことで、毒を洗い流し、それ以上毒が体内に侵入するのを防ぐことができます。

  1. 毒を絞り出す

手で刺された箇所の周辺をつまんだり、毒の吸引器を使用したりして、毒を絞り出しましょう。

このときも流水で傷口を流しながら行うと、毒が水に溶けるので、効果的に毒を体から排出できます。

なお、口で毒を吸う方法は、唾液にハチ毒が溶けて体内に入ったり、ハチに刺された傷口から細菌が入り込んで炎症を起こす可能性があるので、行わないようにしましょう。

  1. 軟膏を塗る

ハチの毒には、抗ヒスタミン成分が入っている軟膏や、ステロイド剤が入った軟膏が効果的です。

これらの成分が入った軟膏を直接、刺された患部へ塗布してください。

ハチ刺されに使える薬については、つぎの『ハチ刺され・予防に使える薬をチェック!』で詳しく紹介していますので、参考にしてくださいね!

  1. 患部を冷やす

刺されてしまった部分は、冷やすことで腫れや痛みを軽減させることができます。

濡れたタオルや氷、保冷剤などを刺された患部にあてて、痛みや腫れが引くようにしましょう。

  1. 安静な体位を取る

仰向けになって、足が心臓よりも高い位置になるような姿勢(ショック体位)を取ります。枕やクッション、荷物などを足置き場にしましょう。

特に、アナフィラキシーによる全身症状が起こっている場合、必ずこの安静な体位を保持するようにしてください。

ただし、嘔吐の症状がある場合は、仰向けだと吐いたもので喉が詰まってしまうことがあるので、体の右側を下にして、横向きになりましょう。

  1. エピペンを持っている場合は使用する

1度、ハチに刺された経験のある方でエピペンを処方されていれば、それを使用しましょう。

エピペンはアドレナリンの成分などが含まれている、ハチの毒によるアナフィラキシーなどに効果がある応急処置薬です。

ただし、エピペンだけでハチ毒が全て分解されるわけではないので、その効果を過信しすぎないように注意しておきましょう。

  1. 医療機関を受診する

重篤な症状が出たときはもちろん、アナフィラキシーなどの重い症状が起こらなかったとしても、医療機関への受診は必要です。

医療機関では、ハチ刺されによる症状への処置のほか、ハチ毒への抗体検査や、ハチ毒の成分を体に順応させて治療するアレルゲン免疫療法など、予防面でも専門的な処置を行ってくれることがあります。

症状が軽いと感じていても、医療機関へは必ず受診しに行くようにしましょう。

ハチ刺され・予防に使える薬をチェック!

白い軟膏

市販品や医師が処方してくれる薬には、ハチの毒の影響の軽減や、ハチを寄り付かせないようにできるものがあります。

ここではハチに刺されたときに応急処置で効果を発揮する薬と、ハチからの被害に遭わないための予防策として使える薬の2つについて、効果を発揮する成分やオススメ商品など、詳しくチェックしていきましょう。

ハチに刺された場合の薬

ハチに刺された場合、その症状に対して効果がある成分を理解し、その成分を含んだ薬を選ぶことが重要です。

適切な成分の薬を使えば、患部のかゆみや痛み、炎症などを軽減したり治したりすることができます。

ハチに刺されてしまったときの応急処置が確実にできるように、以下に紹介する成分を知っておき、その成分が入った薬を用意しましょう。

ハチ刺されに効く成分と効果

ハチに刺されたときに効果的な成分であるのが、抗ヒスタミン剤・ステロイド・抗生物質の3つです。

これらの成分は、ハチに刺されたときに起こる症状に応じて、使い分けたり併せて使用したりすることで、より高い効果が期待できます。

  • 抗ヒスタミン剤(成分名:ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンなど)

抗ヒスタミン剤は、ハチの毒によって起こるかゆみを軽減してくれます

ハチの毒の中にはヒスタミンが含まれています。体内に入ったヒスタミンが体の中のヒスタミン受容体と反応すると、皮膚に強いかゆみを生じるようになります。

抗ヒスタミン成分の特徴であるのが、かゆみの原因の1つであるヒスタミン受容体の機能の抑制です。

ヒスタミン受容体の機能が弱まると、受容体と反応するヒスタミンの量が少なくなります。この働きによって、かゆみを軽くすることができるのです。

  • ステロイド(成分名:ベタメタゾン、コルチゾン、プレドニゾロンなど)

ステロイド剤は、高い抗炎症効果や免疫抑制効果があるため、ハチに刺された箇所の腫れに効果があるのが特徴です

ハチの持つ針に刺されると、毒針による物理的なダメージの他に、そこから分泌される毒によって過剰に免疫機能が亢進してしまうという化学的なダメージを受けます。

この過剰な免疫の働きによって起こる炎症や腫れに対してステロイドを使えば、炎症を抑え、痛みや不快感を低下できるのです。

  • 抗生物質(成分名:ゲンタマイシン、フラジオマイシン、オキシテトラサイクリンなど)

毒針に刺された部位が化膿するのを防ぐ際に用いられるのが、抗生物質です

抗生物質には、細菌を殺す働きがあります。

ハチに刺された部位は、毒針や自分の手を媒介して雑菌が付着し、感染を起こしてしまうことがあります。

抗生物質はそんな場合に使用することで、雑菌を殺し、傷口の化膿しないようにできます。

ハチに刺されたときに使える薬

ハチに刺されたときの応急処置に使用できる効果的な薬は、市販品として購入できるものも多いです。その中でも、特にオススメしたい薬を挙げていきます。

【新レスタミンコーワ軟膏(30g)】

(2019年9月6日 15:17時点のAmazonの価格)

抗ヒスタミン成分の1つである、ジフェンヒドラミンが配合されています。

ハチに刺された患部がそれほど重症ではなく、かゆみだけがあるという場合に使用するのが適切な薬です。

柔らかいの軟膏なので、広範囲にかゆみが出ているという場合でも、皮膚の上で伸ばしながらまんべんなく塗布することができます。

  • 購入できる場所

一般的な薬局やドラッグストア、大きめのスーパーマーケットなどのほか、インターネットでも入手可能です。

  • 注意点

有効成分がかゆみに効く抗ヒスタミン剤だけなので、腫れや強い痛み、化膿などのその他の症状が起こっている場合、それらの治療効果がありません。

また、この軟膏を塗布してかゆみがひどくなったり、腫れや発疹が増したりするなど異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し医療機関を受診しましょう。

【テラ・コートリル軟膏(6g)】

(2019年9月6日 15:18時点のAmazonの価格)

テラ・コートリル軟膏には、有効成分としてステロイドと抗生物質の2つが配合されています。

刺された箇所の強い痛みや、感染による化膿などの症状がある場合は、それらに対して一石二鳥の効果を発揮してくれる薬です。

  • 購入できる場所

購入をする際には、薬剤師もしくは登録販売者のいる店舗でなければ購入できません。基本的に一般のスーパーマーケットなどには置いていないので、薬局やドラッグストアで購入しましょう。

インターネットで購入することは可能です。

ただし、この薬は「指定第2類医薬品」といって、まれに副作用が起こることがある薬のグループに分類されています。

安全のために、できる限り薬局やドラッグストアで薬剤師などと相談の上、購入してください。

なお、ドラッグストアなど薬剤師や登録販売者が在籍している店舗でも、勤務の都合上、それらの専門家が不在の時間帯は購入することができません。その点には気をつけて、購入するようにしましょう。

  • 注意点

有効成分に自己免疫を下げるステロイドが含まれているので、水疱瘡・水虫・たむし等に罹患している部位に塗るのは避けましょう。

過去に、抗生物質やステロイドの使用でアレルギーを起こしたことがある場合や、使用してから皮膚に異常が起こる場合は使用をしないようにしてください。

ハチ刺されを予防できる薬(虫よけ)はある?

ハチに刺されるのを予防するためには、虫よけを使用すると効果的です。そして、その虫よけを選ぶ上で重要なのが、メントールを配合しているという点でしょう。

メントールはハチが嫌な匂い成分です。ですので、メントールが配合された虫よけならば、ハチよけにも効果が期待できます。

また、メントールが多く含まれるハッカ油を使用して、自作の虫よけを作るのも良いでしょう。自作のハッカ油スプレーの作り方はこちらで紹介しています。

  • 注意点

虫よけを使用することでハチ予防は可能ですが、完全にハチがやって来るのを遮断できるわけではありません。ハチの活動時期は、虫よけを過信しないように注意しておきましょう。

また、メントールの成分は小動物等にも、不快な刺激です。ペットとして小動物を飼っている場合は、その近くでメントール入りの虫よけを多用しないように気をつけておいてください。

まとめ

ハチに刺されたときは、刺された部分に現れる症状に応じて、対応できる成分が配合された薬を上手く使えば、ハチに刺されによる症状を軽減したり、治癒を早めたりできます。

また、ハチに刺されたときに現れるかもしれない重篤な症状やその場合の対応、応急処置の方法を知っていれば、大切な命を守れる可能性が高くなります。

では、この記事のポイントとしておさえておいて欲しいのは、以下の4点です。

  • ハチ刺されによるアナフィラキシーは命を奪う危険性があるため、兆候があればすぐに救急車を呼ぶ。
  • 患部を洗ったり毒を抜いたりして、薬を塗布すれば、症状が重篤になるのを防げる可能性がある。
  • ハチ刺されに効く成分として「抗ヒスタミン剤・ステロイド・抗生物質」の3つがあり、症状に合った成分が入った薬を使うとよい。
  • メントールを含む虫よけは、ハチよけ効果も期待できる。

これらのポイントをおさえて、ハチに刺されても適切な応急処置ができたり、刺されるのを未然に防いだりできるようにしておいてくださいね。