もしかしたらご近所さん?ミツバチの行動範囲〜仲良く暮らすために〜

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巣箱に出入りするミツバチ

家の近くでミツバチを見かけたら、

「どこから飛んできたんだろう?」

と不思議に思う人も多くいますよね。

ミツバチは巣を基準に行動しているので、もしミツバチを見かけたら、一定に範囲内に巣があることになります。

この記事では、ミツバチの行動範囲や生態に加え、ミツバチがどんなところで飼育されているのかや、生態系の維持に重要なミツバチと仲良く暮らすための情報を紹介します。

意外なところでミツバチに会うことがあるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてくださいね!

どこから飛んで来たの?ミツバチの行動範囲

花粉を運ぶミツバチ

近所でミツバチを見かけると、どこから飛んできたのか、気になりますよね。

「まさか、我が家や近所に巣がある…?」

と不安になる人もいるでしょう。

日本に生息しているミツバチの行動範囲は、長くても巣から半径4kmほどです。

ただし、これはセイヨウミツバチという種類のミツバチの場合です。

ここからは、日本に2種いるミツバチの種類ごとに、もう少し掘り下げて見てみましょう。

【セイヨウミツバチ】

セイヨウミツバチは養蜂のために移入された、もともと日本にはいない、外来のミツバチです。

日本では、セイヨウミツバチは飼育されていることがほとんどで、野生のものはいないと考えてよいでしょう。

セイヨウミツバチには、天敵となるオオスズメバチに対抗する手段がないため、野生化できないと考えられているためです。

したがって、養蜂場や個人の趣味でセイヨウミツバチを飼っている場所などから、半径4kmまでの範囲でしか、セイヨウミツバチを見ることはないでしょう。

【ニホンミツバチ】

ニホンミツバチは、古くから日本にいた種とされます。

ニホンミツバチの場合は、セイヨウミツバチよりもその行動範囲が狭く、長くても巣から半径2km以内と考えれれています。

個人の趣味や、希少なハチミツを採る目的で飼育されていることもあります。

しかし、ニホンミツバチは巣が気に入らないとすぐ引っ越しをする習性があり、飼育がとても難しいのです。

その一方、オオスズメバチに対抗する手段を持っているので、野生の群がたくさんいます。

もし、近くでミツバチを飼っている人がいない場所でミツバチを見つけたら、それは野生のニホンミツバチの可能性が高いですね。

どれくらい知ってる?ミツバチの基礎知識

私たち人間にとって身近なハチであるミツバチですが、意外とその生態について知らない人も多いのです。

ここで少し、ミツバチの基礎情報も見てみましょう。

  • ミツバチの1年の生活史

ミツバチの1年がどのようなものかを紹介していきます。

ミツバチはスズメバチなどと違い、群で冬を越すことができます。

また、ミツバチは10℃を超えたくらいから巣の外で活動することができるので、3月ころから働き蜂が巣の外で活動し始めます。

暖かくなるにつれて女王蜂は盛んに産卵し、成長した働き蜂たちが花の蜜や花粉を一生懸命集めたり、巣の中の仕事をしたりして、群が大きくなります。

群が大きくなり、新しい女王蜂が誕生すると、古い女王蜂は自分の子どもたちを半分ほど連れ立って、巣を出ていくのです。(分蜂)

秋になり、花の数も減ってくると、冬眠に備えて花粉や蜜を巣の中に蓄えます。

そして冬になると、ミツバチたちは巣にこもってお互いを温めあって過ごし、春がくるのを待つのです。

意外なところでも!ミツバチを飼育しているところ

日本の養蜂

近くにミツバチを飼っている人がいたり、養蜂場があったりすると、ミツバチに会う確率が高くなります。

意外な場所でミツバチが飼われていることもあるので、ここからはミツバチの飼育について、紹介していきます!

養蜂〜ミツバチといえば!〜

ミツバチと聞いて、ハチミツやローヤルゼリーを真っ先に思い浮かべる人もいますよね。

ミツバチ産品を生産する業者だけではなく、個人でミツバチを飼育している方もいて、日本では、北海道から沖縄まで全国で養蜂が行われています。

その中でも、たとえば、和歌山県和歌山市も養蜂が盛んな地域の1つであり、ハチミツを使った特産品が町おこしに一役買ってくれています。他にも、淡路島や長野県が養蜂の盛んな地域として有名です。

果樹園など〜小さいけど大事なはたらき者〜

果樹園の中には、ミツバチを飼育して、ミツバチに果樹の受粉をしてもらっているところもあります。

りんご農家やさくらんぼ農家などで飼育していることがあるので、このようなミツバチを飼育している果樹園などが近くにあると、ミツバチと会うこともあるかもしれませんね。

ミツバチプロジェクト〜じつはこんな街中でも!〜

ミツバチは田舎でよく見かけるものだと思っていませんか?

実は、近頃東京や大阪といった大都市でも、ミツバチを飼育するケースが増えてきています。これを「ミツバチプロジェクト」と呼んでいます。

ミツバチプロジェクトは、ミツバチの保護や環境保全と、ミツバチが蓄えたハチミツやそのハチミツを使用した商品開発による街おこしなどを目的として行われます。

しかし、緑の少ない都会で、自然豊かな場所で生息していることが多いミツバチをどうやって飼育しているのでしょうか?

じつはビルの屋上などを利用してミツバチを飼育しているのです。たとえば、東京の中心地、銀座でもビルの屋上を利用してミツバチプロジェクトが行われています。

ミツバチはとてもおとなしく、捕まえたり嫌がるようなことをしたりしなければ刺されることはありません。

もし、街中でミツバチを見かけたら、ミツバチプロジェクトのことを思い出し、ミツバチをそっと見守ってあげてくださいね。

ミツバチと一緒に暮らしていくために

桜の花を訪れるミツバチ

ハチの中でもミツバチは、ハチミツを採ってくれたり、受粉をサポートしてくれたりと人間にメリットをもたらしてくれる存在です。

そんなミツバチと上手く共生していくために、知っておきたいことをまとめてみました。

刺されないために

ミツバチは他の種類のハチと比べて穏やかな性格の持ち主です。そのため、こちらから刺激しない限り、突然襲い掛かってくることはありません。

ミツバチを刺激しないためには、どんな行動がミツバチを刺激してしまうのかを理解することが重要です。

日々の生活や、ミツバチに出会ったときは、以下の注意点に気をつけましょう。

  • 香りに注意

甘い香りのする柔軟剤や香水を付けていると、花の蜜の香りと勘違いしてミツバチが近寄ってきます。

  • 刺激しない

いくらミツバチがおとなしくても、ミツバチが嫌がることをすれば、ミツバチも怒ってしまいます。

しつこくミツバチを捕まえようとしたり、つかんだりしないようにしましょう。

  • 頭突きによる警告

ミツバチは攻撃を仕掛ける前に威嚇行動をします。ミツバチの威嚇行動は、「頭突き」です。ミツバチが急にぶつかってきたときは、威嚇行動だと思ってその場から離れましょう。

  • 水を置かない

飲水などを求めて、プールや池など、水のあるところにミツバチが寄ってくることがあります。

もし、ミツバチに家のまわりを飛んでほしくない、というような場合には、空の植木鉢などの水が溜まるものは片付けるようにしましょう。

ミツバチの巣を見つけたら

ミツバチの巣を自宅の敷地内や近所で見かけたときは、どう対処したらよいのか考えてしまいますよね。

ですがミツバチの巣は、見つけたからと言って、即駆除しなくてはいけないわけではありません

駆除が必要な巣の条件や、対処法について知っておきましょう。

  • 駆除が必要な巣

ミツバチは人間に利益をもたらしてくれる益虫ですが、巣によっては駆除した方がよいこともあります。

たとえば、自宅の屋根裏などに巣を作られてしまったときは、早めに駆除した方がよいでしょう。

ミツバチの巣にはハチミツが蓄えられるので、それを狙って別の虫や動物が寄ってきたり、巣から垂れたハチミツが屋根などを汚してしまったりすることがあります。また、洗濯物がフンで汚れされてしまうこともあるのでやっかいです。

ミツバチの巣には、1年を通してたくさんの働き蜂がいるので、ミツバチの巣の駆除は業者に依頼することをオススメします。

  • ミツバチを殺さずに回収してくれる可能性もある

「人間に恩恵を与えてくれるミツバチを殺してしまうのはちょっと…。」

そんなときは、ミツバチを回収してくれる業者などがいないか、探してみましょう。

ミツバチを飼育している養蜂場や個人の方が、ミツバチを回収してくれることがあります。さきほど紹介したミツバチプロジェクトが近くで行われているなら、その団体に相談するのもいいでしょう。

もし、自分でそのようなミツバチを回収してくれる人や団体を見つけることができなければ、役場にも相談してみてくださいね。

農薬などを使う前に

自宅の庭や畑などで除草・虫除けを目的に、農薬を使うことがある人もいるかもしれません。

しかし、もし近くにミツバチを飼っている人・業者がいる場合、農薬の使用には注意が必要です。

なぜなら、農薬の使用がミツバチに影響を与えてしまう可能性があるためです。

ミツバチは巣から4km以内の場所を行動範囲として、蜜の採取などに飛び回っています。基本的にミツバチは帰巣本能があるので、蜜を採取したら自分の巣に戻ります。

ところが、農薬の種類によってはミツバチの脳をマヒさせてしまって、巣に戻れなくさせてしまったり、ミツバチを弱らせてしまったりすることがあるのです。

したがって、農薬を使用する場所や量には十分な配慮が必要です。

また、どうしても農薬を使う必要があるときは、安全性などをよく確認したり、ミツバチを飼っている人・業者と相談したりした上で使うようにしましょう。

まとめ

この記事のポイントとしておさえてほしいのは以下の3点です。

  • ミツバチの行動範囲は、巣から半径およそ4km以内の範囲である
  • ミツバチは人間に危害を与えるリスクが少なく、ハチミツを作ったり受粉を手伝ったりと利益をもたらしてくれる
  • ミツバチと共存するためには、ミツバチの生態や、刺されないためのポイントを知っておく必要がある

ミツバチは、地球の環境を維持する上で、とても重要な役割を担っていると考えられています。

ミツバチについて、理解を深めることで、仲良く暮らしていけるといいですよね。