蜂にもいろいろな種類がいますが、中でも凶暴で刺されたときの危険度が高いのがスズメバチです。スズメバチに刺されてしまったら、命を落とすこともあるほどです。
しかし、スズメバチは私たちの身近なところに巣を作ることがあります。偶然遭遇してしまったとしたら怖いですよね。
スズメバチは、攻撃を仕掛ける前に「カチカチ」という警告音(威嚇音)を出すと言われています。
でも、本当にそんな音がするのが疑問ですよね。そして、「カチカチ」という音に気が付いたときは、どうすればよいのかも気になるでしょう。
ここでは、スズメバチの出す警告音や威嚇行動、スズメバチに遭遇したときの適切な対応について紹介していきますね。
目次
スズメバチが発する警告音は、攻撃前の最後のサイン!
スズメバチは攻撃を仕掛けようとしているとき、「カチカチ」という音を立てると言われています。しかし、実際にその音を聞いたことがあるという人は少ないようです。
警告音「カチカチ」って、実際はどんな音?本当に聞こえるの?
スズメバチが鳴らす警告音ですが、実際にどんな音なのか、そしてどの程度聞こえるのか、気になりますよね。
スズメバチは「カチカチ」という警告音を自身の大きな顎を鳴らして出しています。そしてこの音は、例えるなら爪同士を弾いたときのような音がします。
しかし、この警告音ですが、スズメバチが飛んでいるときの羽音によってかき消されてしまうことがあるようです。屋外でスズメバチに遭遇して威嚇されたときは、「カチカチ」という音よりも、羽音の方がよく聞こえるかもしれません。
「カチカチ」という警告音に気付いたら、どうすべきか
人がスズメバチの巣にうっかり近づいてしまった場合など、スズメバチが自分たちの巣や仲間が危険だと判断すると、敵とみなした相手に対して警告音を出してきます。
もし、このような警告音に気が付いたときは、以下の点に気を付けてください。
- 落ち着く
- 慌てて逃げ出さず、姿勢を低くし、後ずさって距離を取る
- 腕を振って追い払おうとしない
走って逃げてしまうとかえってスズメバチを刺激してしまい、攻撃を受けるリスクが高くなります。また、蜂は左右の動きには敏感なので、腕を振って追い払おうとするのも危険です。スズメバチに刺された人の2割は右手を刺されている、というデータもあります。
警告音だけじゃない!スズメバチの威嚇行動
スズメバチが発する「カチカチ」という警告音ですが、実際その音に気が付く人は少ないようです。
そうなると、スズメバチからの警告を見落としてしまってスズメバチからの攻撃を受けるリスクが高くなりますよね。
スズメバチは警告音以外にも威嚇のサインを出してきます。威嚇のサインを知っておくと、万が一のときに役立つかもしれません。
1.監視
巣の入口の見張りのハチが、攻撃してくる敵がいないか、外を監視しています。
2.偵察
その相手が敵であるかどうかを見極めるために、相手を偵察します。
3.警告
カチカチという音を出すだけでなく、敵とみなした相手の周囲を飛び回ります。そして、この警告音とフェロモンを発して仲間の蜂を呼び寄せます。
4.攻撃
敵とみなした相手が警告に気が付かなかったときは、攻撃を始めます。
スズメバチが威嚇行動を取るのは、こんなとき!
スズメバチの威嚇行動に、段階があることは理解していただけたと思います。
では、そもそもスズメバチが威嚇や攻撃などの行動を取るのはどんなときなのでしょうか?それは、つぎのようなときです。
- 巣が危険(攻撃される)と判断したとき
- 仲間が危険(攻撃される)と判断したとき
- 自分が攻撃されたと判断したとき
人にそのつもりがなくても、人の行動がスズメバチにとって脅威と判断されれば、攻撃の対象となってしまいますので、注意が必要です。例えば、走ったときの振動が巣に伝わってしまった場合でも、スズメバチは巣が危険に晒されたと判断してしまうことがあります。
巣が見えなくても注意!スズメバチの警戒範囲は巣から15m!
上記のように、基本的にスズメバチは巣や仲間が攻撃されそうだと判断したときに、人間に対して攻撃を仕掛けてきます。
しかし、スズメバチに刺された人に聞いてみると、巣の存在に気が付かなかったという人も少なくありません。
スズメバチの巣にどの程度近づいたら敵とみなされるのかというと、巣からおおよそ15m以内だと言われています。意外と離れたところまでスズメバチの警戒対象となっているため、巣の存在に気が付かないこともあるでしょう。
しかし、スズメバチが警告音を出したり、周りを飛び回ったりしていたら威嚇されている証拠です。スズメバチの巣の警戒範囲の中に入ってしまったと考えたほうがいいかもしれません。
威嚇を受けてしまったときは、焦らずにその場からゆっくりと離れることが大切です。
スズメバチに刺されないために
スズメバチの持つ毒は強力で、危険です。だからこそ、スズメバチから身を守ることが大切です。
スズメバチに刺されないようにするためには、どうすればよいのでしょうか。
スズメバチによる被害が多い危険な時期・場所
スズメバチによる被害を受けやすい時期や場所があるので、それを理解しておくと役立ちますよ。
- 時期
まず、スズメバチの被害が発生しやすい時期ですが、春から秋にかけてです。
スズメバチの巣を作る女王蜂が冬眠から目覚めると、春頃から巣を作り始めます。
そして、巣の中で卵を生んで幼虫を育て、どんどんその数を増やしていきます。夏から秋頃にかけて、蜂の数も巣の大きさもピークを迎え、それに伴ってスズメバチに刺される被害も増加します。
また、夏は暑いので肌を露出する洋服を着ることが多いでしょう。そのため、蜂による被害も拡大しやすいのです。
- 場所
スズメバチの巣に近づくと攻撃を受ける危険性が高くなります。
スズメバチが巣を作る場所は、屋根の軒下や家の天井裏、庭の木、床下や土の中です。また、山の中や森林もスズメバチが巣を作りやすい場所なので、夏に山登りやハイキングに出かけるときは十分な注意が必要です。
出かける前にチェック!こんなことに気を付けて!
スズメバチの被害に遭わないようにするためにも、対策を取ることをおすすめします。特に、夏のアウトドアに出かけるときは、入念な準備が必要ですよ。
- 素肌を出さない
夏は暑いので肌を露出した格好をよくしますが、肌を露出しているとスズメバチに刺されるリスクが高くなります。夏のレジャーにでかけるときは、肌の露出を控えましょう。
- 色の濃い衣類を着ない
日中にスズメバチが攻撃を仕掛けるときは、色の濃い部分を狙うということが分かっています。黒など濃い色の服を着るよりも白っぽい色の服を着ることをおすすめします。
- 香りの強いものに注意
整髪料や化粧品、洗剤といった甘い香りはスズメバチを刺激します。スズメバチが多くいそうな場所に出かけるときは、これらの使用は控えましょう。
やっちゃダメ!スズメバチを刺激してしまう行動
こちらがスズメバチを攻撃したつもりはなくても、スズメバチが攻撃だと受け取ってしまうことがあります。 スズメバチの前でやってはいけない行動について、知っておきましょう。
- 騒がない
スズメバチの巣の巣の近くで、騒いだり大きな音を出したりしてしまうと、スズメバチに攻撃されたと受け止められてしまい、敵と認識されてしまいます。
- 大きな音を立てて歩く・走る
スズメバチの中には、土の中に巣を構える種もいます。山歩きなどの際に、ドタドタと大きな音を立てるように歩いたり、走ったりしてしまうと、その振動が土の中のスズメバチの巣に伝わり、スズメバチが攻撃してくることがあります。
基本的にスズメバチは敵とみなした相手を威嚇し、それでもその場を動かないときに攻撃を仕掛けてきます。
しかし、スズメバチが攻撃だと断定したときは、威嚇行動なしで攻撃を仕掛けてくることがあるので注意しましょう。
まとめ
この記事のポイントとしておさえてほしいのは以下の3点です。
- スズメバチの威嚇音は聞こえないことがあるが、羽音や周りを飛び回るなど他の威嚇行動で判断できる
- スズメバチが攻撃してくるのは巣や味方に危害が加えられそうだと判断したときである
- スズメバチに攻撃されないためにも、服装に気を付け、慌てないで落ち着いて行動することが大切である
スズメバチに刺されてしまったら、大変危険です。スズメバチから身を守るためには威嚇の行動を察知して、落ちついてその場から立ち去ることが大切です。
スズメバチの威嚇行動の特徴やスズメバチに刺されないようにするためのポイントを理解して、スズメバチ対策に役立てましょう。