「毎年、同じ時期になるとコウモリの糞でベランダが汚れる…!」
「なんど掃除しても、コウモリが糞を巻き散らかしてキリがない!」
このような、ベランダに住み着いてしまったコウモリからの被害でお困りではないでしょうか?
ベランダに寄り付いたコウモリは、どこに潜み、そしてどうすれば追い払うことができるのか。
その方法や、糞害の適切な処理方法、さらにコウモリ対策を行うべきタイミングまで、細かな説明をしていきます。
目次
ベランダに住み着くコウモリの巣を探そう!
頻繁にベランダに糞などの被害があるのは、実はそのベランダにコウモリが住み着いてしまっていることが原因です。
そのため被害を防ぐ上では、コウモリの巣を探すことが初めの一歩となります。まずはコウモリが住み着きやすい場所をチェックしていきましょう。
コウモリが好む環境・住み着きやすい場所
コウモリは暖かく、体温が保てることや、雨風を凌いだり外敵から身を守ったりできる場所を好みます。そしてその条件を満たす場所は、ベランダの中にいくつも存在しているので、入念にチェックして巣を見つけてください。
室外機の裏
コウモリが巣を作りやすい典型的な場所の一つが、室外機の裏です。
室外機は稼働している間、熱が発生しているので暖かさがあります。さらに壁と室外機の隙間は狭いので、コウモリにとって外敵に見つかる心配も少なく、雨風を防げて体温を奪われる心配もありません。
壁の隙間
次に、ベランダに点在する壁と壁の間も巣が作られやすい場所です。
ベランダの構造上できた隙間はもちろんのこと、老朽化によって破損した壁の隙間にもコウモリは巣を作ります。
壁と壁の隙間は目立たない場所にも多くあり、「こんな所に巣を作っていたの!?」とびっくりするケースも少なくありません。僅かな壁の隙間であってもコウモリは巣を作るので、入念に探してください。
ベランダの隅
最後は、ベランダの隅の方も要チェックです。
ベランダの隅に物を置いている場合、コウモリが巣を作る環境としてより適したものとなります。ベランダに多く物を置いているご家庭であれば、注意して隅々まで確認しましょう。
上記でご紹介した場所の他にも、そのご家庭のベランダの特徴に応じて、多彩な場所にコウモリが巣を作ることはあります。
予想外の場所に巣を作るケースも少なくないので、コウモリが好む環境と照らし合わせて、巣の場所を確認してみてくださいね。
ベランダのコウモリを追い払う方法
コウモリの巣を発見したら、次は追い払う作業にとりかかります。
コウモリを上手に追い払うには、駆除スプレーや防虫ネット、忌避剤といった道具を使うのがオススメです。
ここからは、コウモリ駆除初心者の方でも、安全にコウモリを駆除することができる方法を説明していきます!
駆除スプレーでコウモリを巣から追い出す
駆除スプレーを使ったコウモリの追い出し方は、能動的で即効性がある方法です。しかし駆除する際は、作業を行うタイミングが重要となります。
コウモリは夜行性のため、昼間は巣に集まって休息していることがほとんどです。ですので、活動を始める日没以降に駆除作業を開始することが重要です!
コウモリの駆除スプレーでおすすめできるのが、イカリ消毒から発売されている「スーパーコウモリジェット(420ml:税込1058円)」です。
スーパーコウモリジェットは、噴射力が強く、効果が持続する時間が長いのが特徴です。一度の噴射で3時間〜6時間ほど効果が持続します。
短時間の間にコウモリが巣に戻ってくるのを防げるので、その後の作業も円滑にすすめることができます。
- 駆除スプレーを使うポイント
1㎡あたり2秒から3秒の間、スプレーを噴射します。この時に、コウモリが巣から出て行くのを確認しましょう。
コウモリの侵入口を塞ぐ
追い出しが完了したあとは、コウモリが再び巣に侵入するのを防ぐために、巣の入り口を封鎖します。
一般的には、目の細かな金網やパンチングメタルなどを取り付けることが多いのですが、今回のようにベランダにコウモリが住み着いている場合は、ネットを使ってコウモリの侵入を防ぐ方法がオススメです。
防虫ネットは、農業用で用いられるものが多く売られており、その種類も豊富にあります。
自宅のベランダの広さをカバーできるものを選ぶと良いですが、コストや大きさの面で、シンセイから販売されている防虫ネット(1mm目 1.8m×10m:税込1576円)が使いやすいです。
また、防虫ネットを貼り付ける際に必要な、テープも必須となります。家を補修する際に用いる強力な補修テープなど、粘着力の高いものを用意しておいてください。
では、具体的に防虫ネットはどのように使えば良いのか、説明します。
<防虫ネットの使い方>
(1)まずは購入した防虫ネットを、ベランダの一辺の広さに合わせて切り取ります。
(2)次に切り取った防虫ネットをベランダを囲うような形で柱やベランダの屋根に貼り付けていきます。
※上下左右を密閉させる形で、二重から三重でテープを上乗せして貼り付け、防虫ネットをしっかりと固定させます。
隙間なくネットを覆うことができたら、これで作業は終了です!
ベランダの構造によっては、柱や屋根に貼り付けられるスペースが無かったりします。このような場合は、外壁に防虫ネットを貼り付けましょう。
その場合、テープで貼り付けた部分が直接雨風に晒されるので、剥がれやすいデメリットがある点に注意が必要です。
なお、防虫ネットとよく似た商品に防鳥ネットがありますが、コウモリの場合は防虫ネットを使用します。その理由は、防鳥ネットだと網の目が大きいため、体の小さなコウモリはその隙間を簡単に擦り抜けるからです。
防虫ネットは、防鳥ネットに比べて網目が細かいので、コウモリの対処にも有効です。防鳥ネットと防虫ネットを間違えて購入してしまわないように気をつけておきましょう。
<防虫ネットが使えない場合の対処法>
ベランダの環境によっては、防虫ネットを張ることができないというケースがあります。そのような場合は、防虫ネットを貼らずに、忌避剤を使ってコウモリを追い払える環境作りを行いましょう。
忌避剤とは、コウモリが嫌う成分が入ったものです。それをベランダに設置しておくと、コウモリがやってくるのを防ぐことができます。
忌避剤は、市販品としてジェルタイプのものがあるほか、ハッカ油を使って自家製の忌避剤も作成可能です。
- ジェルタイプの忌避剤を使用した対処法
ジェルタイプの忌避剤を使用する場合は、ピーコンプロから販売されているバードフリー(250g:税込5940円)がおすすめです。
ジェルタイプの忌避剤を使用する際は、かならずコーキングガンが必要になるので、セットになっている商品を選ぶと良いでしょう。(上記で紹介しているのはセット価格です)
商品の準備が整ったら、まずジェルタイプの忌避剤をベランダにセッティングしていきます。
侵入防止を目的とする場合、ベランダに忌避剤を吊るすためのロープや紐の設置が必要です。洗濯用ロープなど、ベランダに適していて強度の高いものを選んでベランダに張りましょう。
そして、トレーに忌避剤を入れて、それをフックにかけ、等間隔でロープに吊るしていきます。ジェルタイプの忌避剤には、専用のトレーやフックが付属されていることが多いので、それを利用すると便利です。
ジェルタイプの忌避剤は、1ヶ月間はコウモリが嫌がる匂いを継続して放ち続けます。しかし、一ヶ月経過すると徐々に匂いの効果は薄れていくため、1ヶ月ごとのペースで忌避剤の交換が必要になります。
吊るすのが面倒であったり、場所がないという場合は、忌避剤をそのまま壁等に塗布できます。それだけでも、十分に忌避効果を発揮してくれます。
ただし、この使い方の場合、壁が汚れてしまう可能性があるというデメリットにご注意ください。
- ハッカ油を使用した対処法
次に、ハッカ油を使った対処法について説明します。
コウモリはハッカ油から香ってくる、独特のミントの匂いが苦手です。そのためハッカ油を忌避剤の代用品として使うことができます。
・ハッカ油
・無水エタノール
・精製水
これらを配合して、オリジナルのハッカ油忌避スプレーを作成しましょう!
作り方はかんたんです。無水エタノール5mlに対し、ハッカ油を40滴、精製水を45ml配合すれば、忌避スプレーの完成です。
この配合をする際に注意すべきなのが、無水エタノールを先に容器に入れ、その後からハッカ油を加えてよく混ぜることです。ハッカ油と無水エタノールを中和させてから、精製水を入れるのがポイントとなります。
また、ハッカ油にはさまざまな種類があります。「どれをえらべばいいのかわからない!」という人は、健栄制約のハッカ油P(20ml、税込406円)を購入するのがオススメですよ。
ここで作成したハッカ油の忌避スプレーを、ベランダ全体に吹きかけておくことで、コウモリが寄り付くのを防ぐことができます。
ただし、ジェルタイプの忌避剤に比べて、ハッカ油は効果が短いのが欠点です。ですので、効果を持続させるには、頻回にハッカ油の忌避スプレーを吹きかけておくことが必要となります。
以上のような忌避剤を上手に活用すれば、防虫ネットを張らずとも、コウモリのベランダへの侵入を防げるでしょう。
ベランダに動かないコウモリがいる場合、どうするべき?
単体のコウモリや集団で巣に居るコウモリをベランダで発見した時、それらが動かずに、反応が無いということがあります。
このような動かないコウモリは、死んでいる可能性もありますが、冬眠中であったり、子供のコウモリだったりすることも考えられるでしょう。
コウモリは寒さに弱い特徴を持っており、気温が低くなる冬の間は、ほとんどの個体が冬眠をしています。冬眠状態のコウモリは体力温存を最優先していますので、基本的に巣から動くことはありません。
この冬眠の時期は、コウモリ駆除にも影響を与えます。というのも、冬眠をしているコウモリは追い出し策を高じても、動かずに追い払えないからです。
そのため、コウモリ駆除をするには、冬眠をしていない11月から3月以外の時期を狙う必要があります。
また、生まれたての子供コウモリは、自由に動き回ることができません。そのため、不完全な子供コウモリが居る時期に駆除作業を行っても、子供のコウモリは追い払えません。
基本的にコウモリの繁殖期は夏場であるため、その頃には巣に子供のコウモリの数が増えていると考えていいでしょう。具体的な月でいうと7月から8月は、駆除作業をするには適した時期ではありません。
もしも冬眠中や子供など、コウモリが動けない状態で駆除をすると、巣の中でコウモリが死んでしまう可能性があるので注意が必要です。
それでは、コウモリを駆除する最適な時期はいつなのか。
冬眠時や繁殖期を除ける形で逆算すると、4月から6月、9月から10月が駆除に適した時期になることが分かります。
4月から6月は気温も高くなり、コウモリが活動しやすい環境が整います。この時期になるとほとんどのコウモリが冬眠から目覚めているので、駆除作業を行うのにも適した時期です。
9月から10月も、まだ暖かい気候が続いているので、コウモリは活動性を維持しています。それに、夏場に生まれたコウモリの子供も活動能力が身につく頃なので、巣から追い払える状態です。
駆除を行うのであれば、できるだけコウモリを追い払うのに適した時期に行いましょう。
コウモリの糞は素手で触ってはいけない!
ベランダに住み着いたコウモリが私たちに与える一番の害が、日々排泄する糞によるものです。
コウモリの糞害が怖いのは、糞が原因となって感染症にかかる可能性がある部分でしょう。これは、コウモリの糞の中に数多くのウィルスやカビ等の病原菌が潜んでおり、それらに感染するからです。
ハンタウイルス
このコウモリの糞から感染しやすい病原菌の一例として、ハンタウィルスや真菌が挙げられます。
ハンタウィルスに感染したことによる主な症状は、軽度なものであれば風邪のような軽度なものですが、重症化すると腎機能障害や肺炎を起こすことが知られています。
重症化した場合、致死率は3%から15%と言われているため、かなり危険な感染症です。
ヒストプラズマ症
コウモリの糞に含まれる真菌については、それを吸い込むことによってヒストプラズマ症を引き起こすことが知られています。
主に肺にその症状が出て、軽度なケースが多いです。しかし、時として肺から他の臓器へ伝播していく可能性があり、肝臓やリンパ節、骨髄などに感染して致死率の高い症状を引き起こします。
このように、コウモリの糞の中には、かなり危険な病原菌が含まれている可能性が高いです。
それに、コウモリの糞に含まれる病原菌は、その個体によって差があります。そのため今回ご紹介したもの以外の、より危険な病原菌を含んでいる可能性も否定できません。
コウモリの糞を片付ける際に素手で触れてしまうと、手を媒介して病原菌が体に入り、病気を発症する危険性が高くなります。
それゆえに、直接素手で触れずに、厳重に防御を固めた状態で糞を処理する必要があるのです。
コウモリの糞を安全に消毒・掃除する方法
ベランダに巻き散らかされた糞は、そのまま放置していることでも感染のリスクが高まります。そのため、安全に消毒をしてから、綺麗に掃除をするべきです。
その消毒・掃除を行うにあたって、まずは病原菌から自分の身を守るための防備を準備し、装着してください。
基本的に用意するべき防備は、マスク、手袋、捨ててもいい衣類です。
より重点的に感染を防ぐには、使い捨てエプロンやゴーグル、フェイスシールドを用意すると良いでしょう。
(1)防備を装着して、糞を取り除く
防具を装備したら、糞掃除専用のホウキとちりとりを用意して、コウモリの糞を掃除していきます。
集めた糞は、新聞紙などに包んでゴミ袋に入れ、さらに中身が漏れないようにもう一枚重ねてゴミ袋へ入れてください。
(2)糞が落ちていた場所の除菌・消毒
糞を全て掃除し終えたら、糞が落ちていた場所の消毒作業に移ります。
消毒には、エタノールを使用します。消毒用のエタノールスプレーは市販もされていますが、自分でも作ることができるので、試してみると良いでしょう。
自家製の消毒用エタノールスプレーの作り方は簡単で、無水エタノールと水道水を7:3程度の比率で配合するだけです。
消毒の方法は、この消毒用エタノールスプレーを糞が落ちていた場所に吹きかけ、少しの時間放置します。その後、雑巾で糞の汚れを拭き取ってください。
これで、除菌と拭き掃除の両方が完了です!
(3)糞の処理
糞で汚れた場所を掃除し、消毒までできても、まだ安心してはいけません。なぜなら、糞の適切な処理を気を抜かずに行う必要があるからです。
ゴミ袋に入れた糞は屋内ではなく、屋外に置いておくようにしましょう。これは何らかの理由でゴミ袋が破損したとき、糞による新たな汚染が起こる可能性があるからです。
糞の汚染被害を防ぐためには、できるだけすぐにゴミに出すことが重要です。ゴミの日の前日に糞掃除を行ったり、糞掃除をした当日に、お住いの地区を管轄しているゴミ処理施設へ持ち込んだりすると良いでしょう。
それに、糞からの病原菌の感染は、糞掃除に使用した防備や道具からも起こります。防備や拭き掃除で使用した雑巾は糞と同様にできるだけすぐにゴミに出す、ホウキやちりとりなどは洗ってエタノールで消毒をするなどの対策を取るようにしましょう。
糞に触れてしまったらどうする?
コウモリの糞に含まれる細菌は、とても感染力が強いものがあります。糞が手に触れてしまったら、くれぐれも、糞に触れた手で体の別の部位を触らないようにしましょう。
もしも手が触れてしまったら、殺菌成分の入った石鹸で手をよく洗い、エタノールスプレーを手に塗布して、しっかりと消毒を行いましょう。
念には念を入れて、重点的な細菌からの感染の防御対策を取りながら、糞の処理を行うようにしてください。
被害を繰り返す場合は、業者に相談しよう
コウモリは一度追い払ったとしても、何度もベランダに戻ってきて、再び糞害を発生させることが多々あります。このようなケースでは、個人の力だけで何度も対処するのは難しいかもしれません。
そのため、どれだけ駆除作業を頑張ってもしつこくコウモリが戻ってくるならば、専門の駆除業者を活用すると良いでしょう。
コウモリ駆除業者に依頼するメリット
専門業者にコウモリ駆除を行ってもらうメリットとして、再発保証が用意されている点があります。
再発保証は一定期間内にコウモリからの被害が再発した際に、無料で調査から駆除まで行ってくれる保証です。
保証期間は業者によって違いますが、多くの業者が数年単位での保証期間を用意しています。「またコウモリが来たらどうしよう?」と悩むことなく、安心して駆除作業を頼むことができるでしょう。
もう一つ、専門業者を利用するメリットとして、衛生的な面でも安全である点が挙げられます。
先述した通り、コウモリは危険な病原菌を含んだ糞の処理がとても面倒です。自分でそれを行うとなれば、病気に感染するリスクも高くなります。
それに、コウモリは糞だけではなく、コウモリ自体にも様々な病原菌や寄生虫が付着しています。駆除作業を行っている最中に、それらに感染・寄生される可能性もゼロではないでしょう。
このように、コウモリ駆除には、衛生的な面での危険性があります。ですが、専門業者にコウモリ駆除を依頼すれば、全て代わりに行ってくれるので、危険な病原菌や寄生虫の被害を受けることはありません。
再発防止、そして衛生的なリスクを防いでコウモリを駆除したいならば、専門業者への作業依頼は優先するべき手段だと言えます。
まとめ
いかがでしたか?
ベランダに住み着いたコウモリは、定住期間が長くなるほど、糞害も酷くなって危険な病気への感染リスクも高まります。コウモリからの被害に気がついたら、すぐにアクションを起こしてください。
ベランダに住み着いたコウモリを駆除する場合、抑えておいてほしいポイントは以下3点です。
- コウモリはベランダの細かな隙間を好んで巣を作り、そこに住み着く。
- 駆除スプレーで追い払い、防虫ネットや忌避剤を使うことで、コウモリの駆除と再発を防げる。
- コウモリやその糞は、危険な病原菌等を多く含むので、安全面に気をつけて対処する。
コウモリの駆除は難しい部分も多く、衛生的な面でも不安が大きいです。
正しい駆除の手順を踏んで糞からの感染に気をつけて駆除作業を行い、必要と感じれば業者の力も借りながら対処してくださいね!