毎年家の敷地内や近所に、蜂に巣を作られて困っていませんか?じつは、蜂に気に入られやすく、巣作りされやすい場所というのがあります。
たとえば、雨風がしのげて巣の材料となる枯れ木が豊富にある場所などは、蜂にとって絶好の巣作り場所です。そのような場所は、繰り返し巣を作られてしまう可能性が高いでしょう。蜂に巣を作られてしまうと、羽音や糞、刺される危険性など被害が心配です。
今度こそ、繰り返し作られる蜂の巣を何とかしたいですよね。ここでは、蜂が巣を作りやすい場所や対策について詳しく解説していきます。
目次
蜂が同じ場所に巣を作るのはどうして?
苦労して、やっとのことで蜂の巣を駆除したのに、しばらく経ってからまた同じ場所に巣を作られてしまうと、がっかりして気が抜けてしまいますよね。
蜂が同じ場所に巣を作るのは、そこが巣を作るのに最適な場所だからです。たとえば、雨がしのげて巣材が豊富にあるところなどが該当します。
「蜂の巣が作られやすい場所」とは?
蜂の巣が作られやすい場所について、具体的に知っておくと役立ちます。
- 軒下
- 換気口
- 屋根裏
- 床下
- 壁の間
などです。これらの場所に共通しているのが、天候の影響が少なく閉鎖された空間であることです。
日陰となって雨風をしのげるような場所は、蜂が巣を作りやすいといえます。また、閉鎖された空間は外敵が侵入するリスクが少なく、天候の影響も受けにくいのです。 たとえば、物置や倉庫といった長い間出入りをしていない場所、長期間開けっ放しにしている雨戸の戸袋なども危険です。このような場所をスズメバチやミツバチが好む傾向があります。
さらに、エサとなる昆虫が捕獲しやすいところも、蜂が巣を作りやすい場所です。古い樹木や幹、根に空洞ができていると、そこに蜂が巣を作ることがあります。
また、植物や木などが豊富にあると、昆虫など蜂の餌となるものが多く集まってきます。蜂にとってはとても快適な場所ですから、巣を作られるリスクが高いといえます。
もう蜂の巣を作らせない!本当に効き目のある予防法って?
以前家の敷地内や近所で巣を作られたことがある場合、再度作られる可能性が高いと心得ておきましょう。
今後、巣を作らせないためには、予防法について知っておくことが大切です。適切に予防するためには、正しい方法を正しいタイミングで実践することが重要です。
予防のタイミングはいつ?
蜂の巣を作らせないようにするためには、予防を行うタイミングが重要になります。適切なタイミングは、女王蜂が巣作りを始める3月下旬から5月下旬にかけてです。
ほとんどの種類の蜂の女王蜂は冬眠をして、温かくなってくると冬眠から目覚めて、活動し始めます。このとき、まずは巣作りに最適な場所を探します。そして、気に入った場所が見つかったら巣を作り始めるのです。
蜂の巣を予防するには、この時期に女王蜂が寄り付かないようにすることが1番です。蜂の巣を作る場所を決めるのは女王蜂だからです。
また、たとえ巣作りが始まっていたとしても、この時期ならまだ間に合います。巣には、女王蜂だけしかいませんので駆除も難しくはありません。
ただし、地域によっては巣作りが行われる時期が6月頃までずれることがあります。一般的な巣作りの時期が終わっても、念のため周辺をチェックしておくことをおすすめします。
もしあなたの家に既に巣が作られている場合、また巣が大きくなり始めている場合は蜂駆除業者に相談するのが安全でしょう。
予防の方法や使用する道具は?
蜂が巣を作らないように予防する方法や使用する道具について紹介していきます。ここでは、以下の4つの方法について詳しく解説していきます。
①予防もできる殺虫剤(スプレー)
蜂用の殺虫剤を使って、蜂が近づくのを防ぐ方法があります。蜂に対応した殺虫剤にもいくつかの種類があり、フマキラー「フマキラーハチ・アブバズーカジェット」などがあります。
また、蜂の殺虫と蜂を寄せ付けない効果が期待できるのが、アース製薬の「蜂の巣を作らせないハチアブスーパージェット」です。飛び回っている蜂にしっかりと狙いを定めて噴射することで、即効で蜂を殺してくれます。
また、既に作られてしまった蜂の巣には、「ハチアブマグナムジェット」がおすすめです。バズーカ噴射方式で大量に殺虫剤を噴射できる仕組みとなっています。
スプレー式の殺虫剤は手軽に蜂予防ができるだけでなく、もしも巣を作られてしまった場合も駆除ができるということがメリットです。
スプレーを使った予防方法の手順を紹介していきます。
- 巣を作りそうな場所(以前巣を作られてしまった場所を含む)に、薬剤を十分(濡れる程度の量)噴射します。
- 効果は約2週間持続しますので、効果が切れる頃を狙って再度同じ場所に噴射をしておきます。
巣を作りそうな場所が屋外や直射日光が当たるような場所の場合は、効果が薄れるのも早いです。通常よりも短いスパンで噴射することをおすすめします。
②フェイクネスト(おとりの巣)
蜂は種類によって特徴が異なるため、対策も異なることがあります。たとえば、アシナガバチに関してはフェイクネスト(おとりの巣)を設置するのが効果的な対策になります。
アシナガバチは縄張り意識が強いのが特徴です。そのため、既に巣がある場所には巣を作ろうとしません。その習性を利用したのがフェイクネストです。作り方もとても簡単です。
- 紙を丸めます
- さらに大きな紙で包んでボール状にします。
- 端の一部を1か所に絞り、余らせた状態にして紐で縛ります。
このフェイクネストを蜂が巣を作りそうな場所や、以前作られた場所に設置しておくだけです。いくつか設置しておくと、より効果的です。殺虫剤を使うよりも人間への影響が少なく、安全性も高い対策だといえるでしょう。
また、このフェイクネストによる対策は、アシナガバチだけでなくスズメバチにたいしても効果があると言われています。
③バポナなどの殺虫プレート
巣を作られやすい場所に殺虫プレートを吊るしておくのもおすすめです。たとえば、アース製薬から販売されている「バポナ」は、ハエや蚊、ゴキブリといった害虫全般を殺虫してくれる殺虫プレートです。
吊るして使用するタイプですから、ベランダや室外機に吊り下げて使うことができるでしょう。吊るしておくだけで有効成分がプレート部分から拡散して、蜂に対しても殺虫効果を発揮してくれます。
2〜3か月は効果が持続しますので、試してみましょう。ただし、人にも影響がありますので、人が多く集まるような場所での使用は控えてください。また、効果が薄れてくる前に早めに新しいものと交換するようにし、効果を持続させることが大切です。
④木酢液
木材を炭にするときに煙が発生するのですが、その煙を冷やすと液体になることをご存知でしょうか。その液体の上澄み部分が木酢液と呼ばれています。
この木酢液が蜂予防に効果を発揮してくれるのです。木酢液には特徴的な臭いがあり、それが蜂対策に効果的に働いてくれます。
木酢液は木を燃やした煙から作られますので、木材を燃やした後のような強い臭いが残っています。その臭いは火を連想させるのですが、蜂を始めとする昆虫や動物は火を恐れます。本能的に火を拒絶しますので、木酢液の臭いを嫌うのです。このように、蜂だけでなく蚊やゴキブリ、ネズミや猫といった害虫・害獣全般に効果が期待できます。
さらには、土にまいても土壌改良の作用が期待できますので、土に直接まいてしまっても問題ありません。
木酢液には、他にも消臭剤などさまざまな活用方法があります。そんな木酢液は、購入もできますが自分で作ることもできるのです。
木酢液を散布したり、設置したりするのも女王蜂の活動が始まる2〜5月頃が最適です。
- 木酢液を用意する
- 蜂が巣を作りやすい場所に木酢液を散布する
ちなみに、木酢液と似たような香りがするのが、竹酢液です。木材の代わりに竹を焼いて作る液体のことであり、木酢液と同等の効果が期待できます。
木酢液は天然成分で作られていますので、小さいお子さんがいる家庭でも安心して使えるのがうれしい点です。
しかし、中には質の悪い木酢液もあるようです。そのような木酢液を選んで使ってしまうと、悪影響が出ることもありますので、注意しましょう。質の悪い木酢液は、浮遊物の有無や液の色で判断できます。
蜂の巣作りを予防するために日々心がけることは?
他にも蜂の巣作りを予防するためのさまざまな方法があります。ここでは3つ紹介します。
- 庭の草木を整える
庭木も古くなってくると空洞ができやすく、そこに蜂が巣を作りやすくなります。蜂以外の他の害虫が寄ってくる場所にもなり得ます。それらは蜂の餌となってしまうため、蜂が好んで巣を作るきっかけになります。蜂に巣を作らせたくない・害虫対策をしたいなら、古い木材は伐採しておきましょう。
- 柔軟剤の使用に注意する
柔軟剤などを使った洗濯物を外に干さないようにすることも、蜂の巣対策につながります。柔軟剤の香りの中には、花の香りがするものがあります。この花の香りを付けるために、蜂のフェロモンの成分と同じ成分が使われていることがあり、蜂を引き寄せてしまうのです。洗濯物を部屋干しにする以外に、柔軟剤を無香料のものに変えることでも、蜂の巣対策の効果が期待できます。
- 巣を作られそうな場所に水を撒く
蜂は湿った場所を嫌う特徴があり、水をまいただけで寄ってこなくなります。ただし、水をまく場所の材質によっては、傷みやすくなってしまうことがあるので、十分に注意してください。
上記の3つの方法は、スプレーなどを使う方法ほどの高い効果は期待できません。しかし、さまざまな対策を取ることで、相乗効果が期待できるようになります。
巣ができてしまった場合はどうする?
いろいろな対策を試しても、蜂に巣を作られてしまったときはどうすればよいのでしょうか。その対策について紹介していきます。
巣は作り始めならスプレーで駆除可能!
しっかり対策していたのに、ある日気が付いたら蜂に巣を作られていた、ということもあり得るでしょう。
巣が作り始めであるときは、自力での駆除が可能です。蜂は巣を作ってからどんどん蜂の数を増やし、巣も巨大化していきます。しかし、巣を作り始めた頃は女王蜂だけ、もしくは他の蜂がいたとしても数匹程度です。そのため、殺虫剤などを使って自力で駆除できることがほとんどです。
ポイントは早めに巣を見つけることです。対策をしたからといって安心するのではなく、定期的にチェックを欠かさないようにしましょう。万が一巣を作られてしまっても、早めに見つけておけば被害を拡大させずに済みます。
どうしてもだめなときは業者に頼もう
自力での駆除が難しいと感じたときは、業者に依頼することをおすすめします。
蜂の種類によっては凶暴性もあり、大事に至る危険性が高くなるからです。たとえば、スズメバチのような毒性も強く凶暴性もある蜂に刺されると、アナフィラキシーショックを起こし、死に至ることもあるのです。
他に、駆除に使用する薬剤によって人間が悪影響を受けることもあります。また、薬剤の使い方を誤ってしまうと、人間だけでなくペットや植物など、周りに悪影響を及ぼすことがあります。薬剤が原因で火災が起こったケースもあるほどです。
被害が自分の家だけで済めばいいのですが、近所まで巻き込むようなトラブルに発展してしまったら大変です。
さまざまなリスクを考えると、業者に依頼するのが安全です。きちんとした業者に依頼をすれば、適切に薬剤を使って駆除してくれますので、これらのトラブルを防ぐこともできるでしょう。
また、蜂は以前巣があった場所に戻ってくる習性があります。蜂の巣を駆除しているときに、巣を離れていた蜂が巣を駆除されたことに気が付いたら大変です。凶暴化して巣があった場所の近くにいる人間などに、襲いかかって来るかもしれないのです。業者に依頼すれば戻り蜂対策もしっかり行ってくれるでしょう。
さらには、翌年以降の蜂予防について相談することもできます。蜂に巣を作られた場所は、翌年以降も巣を作られる可能性が高い場所です。一旦蜂の巣を駆除できたとしても、毎年巣を作られるようでは困ります。業者は蜂の特徴についてよく理解していますので、適切な対策についても聞くことができるでしょう。
まとめ
この記事のポイントとしておさえてほしいのは以下の3点です。
- 蜂は天候の影響を受けにくく、閉鎖された場所を好む
- 殺虫スプレーなどで蜂が巣を作らないように予防する
- 蜂が巣を作っても初期段階なら自己処理できるが、場合によっては業者に依頼するのが得策
ポイントをおさえて、蜂の巣対策に役立ててみましょう。