「自宅にコウモリの赤ちゃんが…！保護したいけど、どうすれば良いの！？」
コウモリの赤ちゃんを発見し、それを保護したり対処したりする方法が分からず、お困りの状態ではありませんか？
コウモリのような見慣れない動物で、なおかつその赤ちゃんだと、保護するといってもどのように対応すればいいか分からないですよね。
適切にコウモリの赤ちゃんを保護するためには、正しいコウモリの育て方を知っておくことが必要となります。
そこで今回は、コウモリの赤ちゃんを安全に飼育する方法や、飼育する過程で気をつけておくべき注意点について紹介していきましょう。
目次
コウモリの巣はどこにあるの？
コウモリが巣を作る場所と言えば、洞窟などをイメージされる方も多いかもしれません。しかし、私たちの身近に居るコウモリは、実は一般的な家の中に、その巣を作ります。
では、具体的にどのような場所にコウモリは巣を作るのでしょうか。コウモリが住みつきやすい環境の条件としては、以下のポイントがあります。
- 雨風を凌げる場所
- 外敵から身を隠せる狭いスペース
- 体温を保てる環境
これらの条件が当てはまる場所の一例として挙げられるのは、屋根裏、壁の隙間、エアコンの室外機の裏、雨戸の内側などです。このような環境は、一般的な住宅の多くに存在しています。そのため、ほとんどの住宅がコウモリに巣を作られてもおかしくないと言って良いでしょう。
このことから、コウモリがお住いの家に巣を作っており、そこで生まれた赤ちゃんを発見するというケースは、かなりの確率で起こり得ることなのです。
コウモリの特徴
コウモリの代名詞と言えば、翼で空を飛ぶ点です。この特徴から、コウモリを鳥類と勘違いしている方も多くおられます。しかし、実はコウモリは私たち人間と同じ哺乳類であり、哺乳類としての特徴を多々有しているのです。
哺乳類としての特徴としてまず触れるべきなのが、母コウモリが赤ちゃんを産むという点でしょう。鳥類は卵を産んでそれが孵化しますが、コウモリの場合は哺乳類であるため、胎児の状態で生まれ出てきます。
そして次に挙げられる特徴は、生まれ出た赤ちゃんコウモリは、母親のミルクを飲んで育つという点です。人間の赤ちゃんも生まれてすぐはミルクを飲んで成長しますので、コウモリも典型的な哺乳類だと言えるでしょう。
さて、コウモリが出産をして赤ちゃんを育てる際、母コウモリはより多くの栄養を得ることが必要です。そのため、餌となる虫等を捕獲するために、子育て期間中は頻繁に巣へと出入りをするようになります。
母コウモリが巣から出てしまっている時、その巣には赤ちゃんコウモリは置き去りにされた状態です。その時に不運にも赤ちゃんコウモリが巣から落ちてしまうなどすれば、母コウモリと赤ちゃんコウモリは、はぐれてしまいます。
人間が赤ちゃんコウモリを発見するのは、子育て期間中に、上記のような理由で母からはぐれてしまったタイミングが多いと考えられるでしょう。
コウモリは無断で捕まえちゃダメ！保護にも許可が必要！
傷ついてしまったコウモリを発見したら、手当をしてあげるために、そのまま捕獲しようとしてしまうかもしれません。しかし、ここで注意が必要なのが、コウモリは無断で捕まえてしまうと罪になるという点です。
コウモリは先述した通り哺乳類であることから、鳥獣保護法という法律において、保護されるべき対象となっています。その法律において、コウモリのような動物を無断で捕獲したり処分したりすることが禁じられているため、無許可で捕まえてはいけません。
もしも傷ついてしまったコウモリを捕獲して保護したいのであれば、一時保護として行政の許可を得る必要があります。
許可を得るためには、まずお住いの都道府県を管轄している役所の中にある、自然保護に関する部署を探してください。この部署の名称は、お住いの都道府県によって違いますので、都道府県庁の総合窓口などに問い合わせると良いでしょう。
そして、その自然保護に関する部署への申請手続きを行ってください。申請の方法については、書類の提出が必要な場合や、保護をするボランティアとしての登録が必要となるなど、都道府県によって違いがあります。
まずは窓口へ問い合わせをして、指示された方法での申請を行い、許可を得るようにしましょう。
また、申請をして許可が出たとしても、保護したコウモリの取り扱いについては様々な制約があります。その一例としては、コウモリが健康になればすぐに自然界に返す、その時は役所職員の立会いをしてもらう、コウモリが死んでしまった場合は役所の指示に従うなどです。
コウモリを捕獲・保護するための許可申請を行う上では、これらの点にも注意しておいてください。
コウモリの赤ちゃんを保護したら、どうやって育てる？
コウモリの赤ちゃんを初めて保護した場合、どう育てれば良いのか分からないという疑問は必ず起こるものです。それでは、コウモリの赤ちゃんが健やかに成長するように、適切な飼育方法についても紹介します。
まず、コウモリの赤ちゃんを育てる上で重要なのが、栄養の元となる餌です。その餌として、ミールワームという虫がよく用いられています。このミールワームは、釣具店やホームセンターで売られているので、比較的入手しやすい餌です。
ミールワームの食べさせ方は簡単。適当なサイズに切り、口元まで持って行ってあげましょう。もしもちゃんと食べないようであれば、より食べやすいサイズに小さく切るなどして調整してください。
次に、水分補給についてです。水もしくは小動物用のミルクを用意し、それをスポイトに入れて赤ちゃんコウモリが吸うように、口元へと近づけてあげてください。スポイトでは飲みづらいようであれば、ガーゼに水分を染み込ませて、それを吸ってもらう方法もあります。
また、保護した赤ちゃんコウモリは、怪我をしていたり病気をしていたりする可能性もあります。適宜様子を観察して、異変が無いかチェックしておいてください。
もしも異変があるようならば、個人の力だけで対処はせず、役所への連絡やお住いの地域を管轄している動物救護に関する機関の受診を行うようにしましょう。そうすることが、赤ちゃんコウモリの命と健康を守ることに繋がります。
コウモリを保護する際の注意点
たとえ赤ちゃんのコウモリであったとしても、それは野生の動物には変わりありません。ですので、その取り扱いには、一般的な野生動物に接するのと同じように十分注意しておく必要があります。
保護をする際の注意点としてまず考えられるのが、コウモリを素手では触ってはいけないという点です。
全ての野生動物に言えることですが、コウモリにも危険な病原菌や寄生虫がたくさん付着している可能性があります。それゆえに、素手で触ってしまうと、自分にもそれらが感染したり寄生したりするかもしれません。
もしも感染・寄生されると、著しい健康被害を受けることがあるので、要注意です。
また、コウモリは手荒く素手で触ると、ビックリしてショックを受けてしまうことも考えられます。それを防ぐためにも、クッションの役割として、軍手やゴム手袋、タオルなどを使用し、素手では触らないようにすることが大切です。
次に気をつけるべきなのが、コウモリは噛むことがあるという点です。口元に手を持っていくと噛まれてしまい、怪我やその傷口から病原菌の感染などが起こってしまいます。噛まれないようにするために、捕獲する際には口元を持たず、胴体を持つようにしましょう。
さらに、保護をしようとしているコウモリは、その状態を十分に確認してから触れるようにしてください。巣からはぐれてしまったコウモリの中には、既に亡くなっている個体や危険な病気を発症している者も多いからです。
亡くなって体が腐敗しているものや、病気を発症しているものは、触れるのはもちろん近づくだけでも危険なケースがあります。ですので、コウモリの動きや外見をじっくりと観察してから、保護できるかどうかを判断するのも重要です。
もしも保護が難しい様子であれば、役所に通報したり動物を保護してくれる施設等へ持ち込みを行ったりしましょう。保護をする際には、常に安全で衛生的な対応を心がけるようにしてください。
コウモリが持つ菌の影響
コウモリを保護する上で特に気をつけておくべきなのが、コウモリから感染の可能性がある病原菌の存在です。感染する病原菌は、その種類にもよりますが、人体に多大なる影響を与える者も存在しています。
以下のものが、コウモリに付着している可能性がある病原菌と、その影響の一例です。
ハンタウイルス
日本でも発症例のあるハンタウイルスは、それに罹患すると重篤な症状を来すことがあります。その主な症状は、腎症候性出血熱とハンタウイルス肺症候群の二つです。
腎症候性出血熱の場合、その名称にも含まれているように、腎障害や皮下出血、内臓出血、発熱といった症状や、頭痛が起こります。
もう一つのハンタウイルス肺症候群は、致死率が５０％もあるかなり危険な疾患です。初期症状は風邪程度の軽いものですが、急激に肺水腫が発症して呼吸不全を起こしたり心臓へのショックが起こったりします。
ヘンドラウイルス
主にオオコウモリからの感染経路が知られているウイルスです。人間に感染して発症した人の数は少ないですが、オーストラリア等の海外では、実際に感染した例が報告されています。
もしも感染してしまうと、インフルエンザにかかった時のような呼吸器の症状になったり、出血を伴う肺炎、髄膜炎を起こしたりするのが特徴です。
ヒストプラズマ
ヒストプラズマがコウモリを媒介して人間に感染すると、主に肺に入り込んで肺炎等の症状を起こします。急性期症状で軽快することもあれば、慢性的で重たい呼吸器の障害を起こすこともあるので注意が必要です。
また、肺以外の部分にヒストプラズマが伝播し致命傷にもなる、進行性播種性ヒストプラズマ症という症状を来すことがあります。
免疫が低下していると罹患して重症化しやすいです。そのため、免疫不全の方はもちろん、疲れていて抵抗力が弱っている方は特に感染に気をつけなければなりません。
狂犬病ウイルス
海外ではコウモリから、狂犬病ウイルスの感染例が数件あります。
狂犬病ウイルスの致死性は、ほぼ１００％と言われているほど、危険な病気です。狂犬病ウイルスは哺乳類であれば感染する病気であるため、哺乳類であるコウモリも例外なく感染する可能性があります。
狂犬病において特徴的なのが、水等の感覚を怖がる点です。そのため、恐水症という別名でも知られています。症状が後期に入ると、全身麻痺により呼吸困難などを起こし、死亡に至るという流れです。
日本において、コウモリから人へ狂犬病ウイルスが感染した例はまだありません。しかし、保護したコウモリが狂犬病ウイルスのキャリアである可能性は否定できないです。
野生のコウモリに触れることは、狂犬病にかかるリスクがあることも意識しておきましょう。
上記で紹介したもの意外でも、野生のコウモリには危険な病原菌が付着している可能性があります。それに、危険性がそれほど高くない病原菌であっても、保護する人間の側の免疫が低下していると日和見感染を起こすことも考えられるでしょう。
そのため、コウモリの赤ちゃんを保護する際には、これらの病原菌への感染リスクに十分注意しておきましょう。そして、感染しないような防御策を取った上で、適切なコウモリの取り扱いを行うようにしてください。
コウモリ駆除は、業者に依頼するのが確実！
自宅でコウモリの赤ちゃんを見つけたとすれば、他のコウモリが自宅に巣を作って住み着いている可能性が高いです。もしも家を観察してコウモリが住み着いているようであれば、業者に駆除を依頼するのがオススメです。
コウモリの駆除を自分で行うのは、あまりお勧めできません。なぜならば、駆除に失敗してしまう可能性が高いからです。
コウモリは一度追い払うことができても、特別な対策が取られていなければ再び同じ場所に戻ってきます。自力での駆除は、追い払った後に侵入経路を塞ぐ対策まで十分に行えないことが多く、追い出したコウモリがまた住み着いてしまうケースがあるのです。
また、力加減を考えずに駆除作業を行ってしまうと、コウモリを殺してしまう事故も起こり得ます。先述した通り、コウモリは鳥獣保護法によって守られている動物です。もしも殺したり傷つけたりすると、罪に問われてしまいます。
これらのリスクを回避するためには、極力自分での駆除は行わない方が良いでしょう。
業者に駆除を依頼した場合、コウモリを傷つけずに確実な駆除をし、再びコウモリが住みつかないように侵入経路を塞ぐ等の予防まで十分に行ってくれます。さらにもしもコウモリの再発があった時のために、アフターフォローの保証をつけてくれている業者も多いです。
また、コウモリ駆除の作業は業者が全て代行してくれるので、病原菌に感染するリスクを防げますし、コウモリの糞や死骸など、見たくないものを見なくても済みます。
このように、確実かつ安全にコウモリを家から追い出すのであれば、専門業者に駆除作業を依頼するのが得策です。
当サイト管理人がおすすめの駆除業者は『みんなのコウモリ駆除屋さん』という業者です。
全国どこでも対応してくれる上に、再発保証が5年と長いので、かなり手厚いフォローが受けられます。気になった方はぜひチェックしてみてくださいね！
まとめ
今回はコウモリの赤ちゃんを見つけて保護をする際に、どう育てるか、そしてどのような部分に注意するべきかについてまとめてみました。
コウモリの赤ちゃんであったとしても、それはれっきとした野生動物です。感染病への罹患や噛まれるなどの危険性を踏まえた上で慎重に対処してください。そして、適切な方法によって保護・飼育してあげましょう。
この記事のポイントとして押さえて欲しいのは、以下の３点です。
- コウモリは法律で守られているため、保護する場合は役所の担当窓口へ連絡を入れ、許可を得てから行う。
- 野生のコウモリには危険な病原菌が多いので、それらに注意しながら保護・飼育する。
- 赤ちゃんコウモリを保護した近くに、コウモリの巣がある可能性は高い。安全かつ確実に駆除をするなら、業者に任せることがお勧め。
これらのポイントを踏まえた上で、上手にコウモリの赤ちゃんを保護してあげてくださいね！
