車のシートやトランクが濡れていたり、雨が降るとどこからとなく雨が漏れてきたり…そんなときは、雨漏りを疑うべきかもしれません。
「一体どこから雨漏りしているんだろう…?」 「これって修理に出さないとダメ?」 「自分で直せるのかな?」
今回は「車から雨漏り…!?その原因・対策方法とは」についてまとめてみました。
車から雨漏りする原因は?よくある事例を紹介
車が雨漏りするのは、車のどこの部分が関係しているのでしょうか。その部分が劣化するのは何が原因なのでしょうか。また、雨漏りを放置することによってどんな危険が起こり得るのかも紹介したいと思います。
ほとんどの場合はゴムの劣化が原因
車が雨漏りするのにはいくつかの原因が考えられますが、特にゴムの劣化による雨漏りが一番多いと考えられています。
ゴムには車のドア周りに装着されているゴム製品の枠であるウェザーストリップや、フロントガラスやテールガラス、ブレーキランプなどと車体の間にあるゴム製のパッキンなどがあります。
ゴムの役割~埃・騒音・振動・水の侵入を防ぐ~
ウェザーストリップには、埃や騒音、振動を防いでくれる役割があります。さらにドアを閉めたときにウェザーストリップが閉まることで水の侵入を防いでくれます。同じようにパッキンもゴム製の素材でできており、水の侵入を防いでいます。
ゴムが劣化する理由~早ければ5~6年で劣化することも~
ゴム製品が経年劣化によって弾性が失われたりヒビ割れが起きたりすると、ちょっとした雨でも車内が水浸しになってしまいます。近年はゴム材の改良が進んで丈夫になってきてはいますが、走行中は常に振動し続ける上に、真夏の灼熱や真冬の極寒といった過酷な環境を幾度も超えることでどうしても劣化は進んでしまいます。
またウェザーストリップは部位ごとに厚みが異なるなど複雑な形状をしているため、単純な形状よりもさらに劣化しやすい部位と言えるでしょう。
パッキンの場合は、テールガラスの傾斜がきつく、水が逃げにくい構造をしている車に雨漏りが発生しているケースが多いと言えます。
サンルーフを装備した車は年式が高くなるにつれてパッキンが劣化しやすくなります。近年の車種ではまず雨漏りをすることは考えられませんが、もしもサンルーフから雨漏りするという場合は、まずはパッキンの劣化を疑った方がよいでしょう。
ボディがヒビ割れしている可能性も…!
天井などゴムが関係しない部分から雨漏りがする場合は、ボディがヒビ割れしている可能性もあります。天井自体にクラックがないかどうかを確認しましょう。
またフロントガラスは丈夫なので簡単に割れないと思われがちですが、ボディの劣化が原因によって錆びができている場合、少しの衝撃でも簡単にヒビが入ることがあります。
そのため新車はもちろんですが、中古車、特に事故車の場合はボディのヒビ割れによる雨漏りが多い傾向にあります。修理当初は雨漏りしなくても、時間が経つにつれて亀裂部分が錆び、雨漏りにつながるケースもあるので注意が必要です。
雨漏りを放置するとどうなるのか?
車が雨漏りしているのにそのまま放置してしまったらどうなってしまうのでしょうか。
まず雨漏りを放置して起こり得ることと言えば、シートやカーペットにカビが生えることです。カビが生えてしまうと狭い室内に悪臭が漂うため、特に夏は耐えがたい苦痛を感じることになります。カビはアレルギーの原因ともなるため、深刻な健康被害も考えられます。
またシートの下には電子制御をするためのユニットが入っているため、水に触れると故障の原因となってしまうばかりか、最悪の場合は漏電して引火し火災に繋がってしまうこともあります。
自分ですれば安く済む?車の雨漏り対策
雨漏りをできるだけ安く直したい!ということであれば、自分で直して節約したいところです。まずは雨漏りの場所を特定、そして応急処置へと移りますが、自分で行う雨漏り対策は限界があるので注意が必要です。また雨漏りをさせないための予防法には簡単なものもあるので是非実践してみましょう。
あくまでも応急処置である
車から雨漏りした場合、安く済むのであればDIYで済ませたいものです。コーキング剤や防水テープで修復するという方法もありますが、不十分な対応では見た目が悪くなってしまったり、見えないキズから腐食してサビが進行してしまったり、長い目で見るとかえって雨漏りの状態を悪化させてしまう可能性があります。
また、自力で処置を始めたはいいけれど、車体に大きな穴が開いてしまったり、ドアが閉まらなくなったりするなどして「公道を走行できる状態に戻れなくなってしまった…」といったことも起こり得ます。
応急処置はあくまでも応急処置にすぎないので、早めにしっかりと、そして無理をせずに対処するようにしましょう。
まずは雨漏りしている箇所を特定しよう
雨漏りしているとわかったら、まずは雨漏りしている箇所を特定しましょう。雨が降っていなくてもトランクやマットが濡れているかどうかを確認し、目星をつけておきます。誰かに協力してもらえる場合は車内に入ってもらい、車に水をかけて雨漏りする場所を特定してもらいましょう。
もしも自分で確認する場合は、洗車機を使って車内で雨漏りの箇所を特定します。車が雨漏りしやすい場所は、ドア付近、後部座席、トランクです。特に後部座席や助手席など気づきにくい場所は見逃してしまいがちなので重点的にチェックしましょう。
あらかじめ雨漏りの箇所の見当がついているのであれば、内側に新聞紙を貼ることで雨漏り箇所が明確になりますし、内部が水浸しになるのを防ぐことができます。
侵入箇所を適切に塞ぐ方法
雨の侵入箇所を見つけたら、適切な方法で塞ぎましょう。雨漏りの原因がゴムパッキンの劣化である場合は比較的修復しやすい箇所と言えるでしょう。ただし雨漏りの原因がボディのヒビ割れである場合、車の内張りを取り外したりする必要があるためかなり手間暇がかかる作業であるということは知っておくべきです。
雨漏り対策グッズをつかって修復する
雨漏りの修復には便利な対策グッズを使ってみましょう。主な修復グッズはコーキング剤と防水テープですが、それぞれ使い方にはちょっとしたコツが必要な場合や、使用上の注意が必要な場合があるので、知識として蓄えておきましょう。
応急処置の前に雨漏りする箇所に一時的にオムツを広げて置いておくと、高い吸水率で車内に浸水するのを防ぐことができるので便利です。
パッキンの修理にはコーキング剤を使用する
パッキンの修理にはコーキング剤を使用します。 コーキング剤でおススメなのが、LOCTITE(ロックタイト)黒ゴム接着剤 DBR-100です。
接着剤の粘度、硬化後の固さもゴムのような柔軟性がありちょうどよいのが特徴。耐水性が高く、接着剤塗布から貼り付けまでの時間も短く作業性に優れており、パッキン部分の修理に適しています。
車の雨漏りだけでなく、長靴などの様々なゴム製品、キャンバス布、皮革などの接着にも使用できるので便利です。作業時に手についてしまうと落とすのが大変なので、軍手などを使用するようにしましょう。
価格 | ¥698 |
コーキング剤の使用方法
コーキング剤の使用方法は以下の通りです。
- 接着する面のホコリや汚れをキレイに取り除きます。
- コーキングをする部分にマスキングテープを貼ります。
- コーキング剤をヘラ等を使って均一に塗布します。
- 乾くのを待ちます。
- 使用後はノズルを拭いてキャップをしっかり締めましょう。
コーキング剤を使用するときの注意点として、多量に使用するとき、またコーキング剤を使用して乾くまでの間は換気をしっかりと行いましょう。火気のあるところでは絶対に使用しないようにします。
とりあえずの応急処置には防水テープを使う
本格的な雨漏りの修理前にどうしても応急処置がある必要がある場合は、防水テープを使用して雨漏りを防ぎましょう。オススメはアサヒペンのパワーテープです。ポリエチレンフィルムでカバーされているので高い防水能力があります。
ポリエステルメッシュ入りなのでとても強力な上、天然ゴム系粘着剤を使用しているので強い粘着力があります。手で簡単に切ることができますが、切断面が乱雑になりがちなのでハサミを使用することをオススメします。色はブラック、ホワイト、シルバーと揃っているので、接着面に合わせて変えられるのも使いやすいポイントです。緊急時用に車に常備しておくといいでしょう。
価格 | ¥406 |
防水テープの使用方法
防水テープの使用方法は以下の通りです。
- 接着する面のホコリや汚れをキレイに落とします。
- 防水テープをシワにならないように、空気を入れないように貼り付けます。
- 曲線部に貼るときはゆっくりと圧着しながら貼り付けるようにするとうまく貼ることができます。
防水テープは接着面に触れてしまうと粘着力が弱くなるので、なるべく触らないように気をつけましょう。また雨漏りの箇所が濡れているときは粘着しづらくなるので、乾いている日に防水テープを施すようにしましょう。それまでは車を屋根付きの場所に置いておくか、シートをかけて雨漏りさせないようにしておきましょう。
雨漏りさせないための予防法
直射日光や雨風に晒されていると劣化が早く進んでしまいます。なるべく屋根付きの車庫に止めるようにしましょう。近年カーポートに使用されている屋根の素材はポリカーボネート製が主流で100%紫外線をカットしてくれます。一戸建てで屋根がついていない場合は、屋根を取り付けることをオススメします。もしも屋根を取り付けることが不可能な場合は、車用のシートをかぶせておきましょう。
また少しのキズでもサビは発生しやすくなります。サビはあっという間に広がってしまうので、キズを見つけたらすぐに対処をするようにしましょう。エンジンなどに問題がなくても車のボディがサビだらけになってしまうと廃車にせざるを得なくなってしまうので、日頃のメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
専門業者に修理を頼む場合はどうなる?
雨漏りが見つかったらなるべく早く応急処置をし、手遅れにならないように早めに専門業者に修理を依頼しましょう。
でも、「雨漏りの修理って何だか高くつきそう…」とちょっと不安になってしまいますよね。修理費がいくらくらいかかるのか、また販売店の保証はいつまで有効なのかも知識として蓄えておきましょう。修理費用が高くて迷ってしまうのであれば、別の方法をとることも検討してみるとよいでしょう。
修理費はいくらくらい?
自分で修理をするのか、専門業者にお願いするかを決める基準の1つになるのが、修理費がいくらになるのかというところではないでしょうか。金額は雨漏りする場所や原因、そして程度によっても異なります。
ゴムパッキンを取り替える場合、交換や補修で済めば5千円~1万5千円くらいで済みますが、雨漏りの程度がひどくサビやカビの除去をお願いした場合、またクリーニングをお願いした場合は5万円~15万円くらいになることもあります。
ひび割れしたボディを修理する場合は、フレーム自体を補正しなくてはならないため、10万円~100万円にまでいたることがあります。
ゴムパッキンを取り替える場合、交換や補修で済めば一か所につき数千円で済みますが、車1台分となると数万円かかることもあります。雨漏りの程度がひどくサビやカビの除去をお願いした場合、またサビを発生させないためのクリーニングも依頼する場合は5万円~15万円くらいになることもあります。
ひび割れしたボディを修理する場合の費用は2万円~、もしくはフレーム自体を補正しなくてはならないこともあるため、一部分で10万円~、全損の場合は100万円にまでいたることがあります。
一般的に民間の工場に修理を頼む場合はディーラーよりも費用が比較的安く済みますが、工場によって技術に差があるなどのデメリットがあります。一方でディーラーに修理を頼む場合は比較的高額になるものの、サポート面で安心であるというメリットがあります。
販売店(ディーラー)の保証はいつまで有効?
新車の場合はおおむね保証期間である3年以内、もしくは走行距離6万キロ以内であればディーラーに修理、もしくは交換を要求することができます。自分で修理してしまうと無料保証期間内であっても有償対象になってしまうことがあるので注意が必要です。リコールによる雨漏りの場合は、保証期間が過ぎていても無料で修理してもらえます。
中古車は、購入して一週間以内に雨漏りが発覚した場合は無料で改善してくれることが殆どですが、稀に対象外として対応してくれない場合もあります。保証期間を過ぎてしまうと使用中に新しく発生した不具合と判断されてしまい、責任を追及することが難しくなってしまいます。
また中古車の場合はあっても保証期間が短いため、必ず購入時に雨漏りがないかどうかを確認するようにしましょう。中古車の場合は修復歴の有無や走行距離などに注意が行ってしまい、雨の日に中古車店に行かない限りは雨漏りを発見するのが難しいと思われがちですが、
- マットをめくった際に水に濡れた跡がある
- ドアやフロントガラスにサビやヒビがある
などを意識してチェックするようにしましょう。
雨漏りがひどく修理費が高額になる場合は?
雨漏りがひどく修理が高額になる場合や、製造年が古かったり走行距離数が多かったりする場合、修理をして乗り続けても故障になる可能性が高いため、売りに出して乗り替えるということも検討してみた方がよいかもしれません。
中古車は年式が1日でも低ければ低いほど査定が有利になる傾向があります。例え100万円かけて雨漏りを修理したとしても、査定が100万円上がるというわけではないので、早めに査定をお願いしましょう。
まとめ
車から雨漏りした場合の原因と対策方法についてまとめてみました。 車の中は家と同じくらい安全かつ快適であるべき場所です。「最近車の中がジメジメする」とか「車の中が黴臭いな」と感じたら、雨漏りを疑い、なるべく早めに対処するようにしましょう。
- 車の雨漏りの原因の殆どはウェザーストリップ、パッキンなどゴムの劣化によるものである。
- ゴムの劣化の原因は経年劣化によるものが多い。
- 雨漏りを放置するとカビなどの健康被害が起こるばかりか、火災の原因となることもある。
- ゴムが関係しない場所での雨漏りは、ボディがひび割れしている可能性がある。
- 応急処置はあくまでも応急処置なので、早めに専門業者に修理を依頼する。
- まずは雨漏りの箇所を特定し、応急処置をする。
- 応急処置はコーキング剤、防水シールなどを使用する。
- 雨漏りを予防するためには、なるべく屋根のある場所に駐車するか、カバーをつけておく。
- 専門業者に修理を依頼する場合にかかる費用は数千円で済むこともあれば、100万円単位にもなることがある。
- 販売店の保証は、新車の場合はおおむね3年以内であることが多い。
- 中古車の場合は購入して1週間以内だが、購入時に確認が必要。
- 修理が高額になる場合は買い替えも視野に入れて検討する。