トタン屋根の雨漏り、自分で修理する方法とは?原因と対策をご紹介!

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トタン屋根の家に住まわれている方は、雨漏りにより注意をしてください。なぜなら、少しの範囲の雨漏りでも、その被害はすぐに重大な雨漏りへと発展してしまうからです。

しかし、急な雨漏りについては「どうすればいいか分からない!」と、冷静に対処することができないかもしれません。そうならないために、トタン屋根からの雨漏りを修理する上での情報として、その原因と自分でできる対策や、業者の利用方法等についてご紹介いたします。

トタン屋根の特徴について

トタン屋根は、他の屋根材には無い特徴があります。では、トタン屋根はどのような屋根なのでしょうか。そしてどのようなメリットとデメリットがあるのか、これらの点について見ていきましょう。

トタン屋根のメリット

トタン屋根は、鉄などの金属を加工して作った鋼板に、亜鉛等のメッキを施して作られた屋根です。そのトタン屋根特有の主なメリットであるのが、

  • コストが低い
  • 素材の重量が軽い

以上のポイントです。

トタン屋根の素材は鋼板なので、瓦やスレートに比べてそれほど高額な素材ではありません。そのため、建築にそれほどコストをかけたくないという場合に使用することで、全体的なコストを下げることができます。

素材の重量が軽いという特徴は、建物全体の重量を軽くできることにも繋がります。重量の軽い建物は地震が起こった時に揺れにくいため、地震対策を行う上でトタン屋根にはメリットがあります。

ただ、現在は高度経済成長期に多く取り入れられていたような、加工された鉄鋼に塗料を塗った簡易的なトタン屋根は、それほど使用されることがなくなりました。そのため、従来の意味でのトタン屋根は比較的築年数の長い住宅などに多い傾向があります。

トタン屋根のメリットとデメリット

次にトタン屋根のデメリットについてです。

  • 耐熱性が低い
  • 防音性が低い
  • 定期的なメンテナンスが必要

以上の点が、主なトタン屋根のデメリットになります。

トタン屋根は薄い素材であることや、熱を吸収しやすい性質を持つ金属製の屋根です。この素材の性質から、太陽熱を家の中に通しやすくなります。夏は暑く、冬は寒い屋根であると言えるでしょう。

防音性の面についても、トタン屋根はそれほど高いとは言えません。特に雨が降ってきた時は、その雨音が家の中にかなり響くものが多いです。

そして一番重要なデメリットであるのが、定期的なメンテナンスが必要という点です。トタン屋根は雨水が浸水してこないように、メッキ加工がなされています。ですがそのメッキは雨風の影響で徐々にダメージを受けて、剥がれていってしまうのです。メッキが剥がれるとそこが錆びていってしまいます。それを防ぐために、一定期間ごとに必ずメンテナンスのための手間と費用を出さなければなりません。

トタン屋根から雨漏りが起こる原因とは?

トタンの寿命は短い

トタン屋根から雨漏りが起こっているのであれば、それはその屋根に使われているトタンが寿命を迎えている可能性が高いです。しかもその寿命は、他の屋根材に比べて短いです。

一般的なトタンの耐用年数は、10年から15年と言われています。しかしこれはあくまでも一つの指標であるため、家屋の立地条件や気候によっては10年未満で寿命を迎えることも起こり得るでしょう。そのため、場合によっては「こんなに早く雨漏りをするの?」と思うほど短期間の内に、雨漏りが発生するかもしれません。

また、耐用年数を経過したトタンは、定期的なメンテナンスを5年から8年程度の早いサイクルで行うことが求められます。寿命を迎えたり、メンテナンスをさぼってしまったりすることが、雨漏りの背景にあると言えるでしょう。

トタン屋根で雨漏りが起こる主な理由

トタン屋根で雨漏りが発生してしまう直接的な原因は、錆びや穴あきが起こることが主なものであることが知られています。

デメリットの部分でも触れましたが、トタン屋根は防水のためのメッキ加工が経年劣化によって剥がれていきます。メッキが剥がれた鋼板はとても錆びやすいため、雨水に晒されるとその水分によってすぐに錆びが発生するのです。錆びた部分は脆くなるので、穴が空きやすくなり、それが雨漏りの直接的な原因となります。

さらに、少しでも錆びが発生したトタンは、その部分を中心に加速度的に錆びによって侵食されていきます。ですので雨漏りに早急に対処しない場合、錆びやそれによる穴あきの範囲が瞬く間に広がり、規模の大きい雨漏りへと発展してしまう可能性があります。

自分でできる修理法とは?

トタン屋根からの雨漏りは、自分でもできる修理方法があります。その方法として、ブルーシートを使った方法、防水テープやコーキング剤を使った方法をご紹介しましょう。

ただし自分で修理を行うのは、屋根の上に登るという危険性を伴うことや、自分で行う修理は恒久的に雨漏りを防げる方法ではないという注意点があります。その点を意識して、作業を行うようにしてください。

原因が特定できない場合は、ブルーシートで応急処置を

トタン屋根の原因は、一目見ただけでは特定できないということもあります。そのような場合に手っ取り早く雨漏りの対処をするには、ブルーシートで屋根の大部分を覆うという対策が効果的です。

※屋根に登る行為は危険が伴います。必ず以下の注意を守った上で行うようにしましょう。

★雨、風の強いときは要注意

強い雨や強い風、もしくはその両方が揃っているときは危険度大です。屋根の上に登ることは控えておきましょう。雨で視界も悪くなり作業が難航します。さらには強い風で体を持っていかれることもあるからです。

★屋根の勾配に注意

屋根の形は家によってさまざまです。中には急勾配の屋根を持つ家に住んでいる人もいるでしょう。勾配の角度が急だと、足をすべらせるリスクが高くなります。そのため、屋根での作業は控えておくのが無難でしょう。

用意するものは、屋根の大きさに合った広さと数のブルーシート(ハトメという穴が空いており、3.6m×3.6m以上の対象となる屋根に合った大きさのもの、なおかつ屋根の上に持って上がれる大きさ)と、UVカット仕様の土嚢袋(ブルーシートの枚数に合わせた個数)、土嚢に入れる砂です。ブルーシートは一枚1000円前後、土嚢袋は5枚セットが400円弱、砂は20kgが200円少々の価格で売られています。

作業工程として、まず土嚢に土を入れて重りを作っておきます。屋根の上に持っていけるくらいの重さになるよう、砂を入れる量を調節してください。それが終われば、ブルーシートを折りたたんでコンパクトにし、屋根の上まで持って行きって広げて覆います。ブルーシートの広さが足りない場合は、複数枚のブルーシートを使用して屋根を覆うようにしましょう。

次に、敷いたブルーシートに土嚢を設置して固定していきます。設置方法としては、まずブルーシートのハトメに土嚢を括り付け、シートの上に重しになるように置いていってください。そして屋根の頂点を跨ぐ部分については、二つの土嚢を紐で結んで一つのセットとし、その紐部分が屋根の頂点をまたぐように土嚢を設置してください。設置するセット数も、屋根の広さに合わせて調節しましょう。

短期間であれば、このブルーシートで覆う方法で雨漏りを防ぐことができます。しかし、一ヶ月を超えるような長期になってしまうと、雨風によってブルーシートや土嚢がボロボロになってしまいます。ですので短期間の応急処置という目的で、ブルーシートを活用してください。

ブルーシートのかけ方について、詳しくはこちらで紹介しています。「自力でブルーシートを使った応急処置をしたい!」という方はぜひあわせてチェックしてくださいね。

「【DIY初心者がやってみた】自分でできる雨漏り応急処置&対策グッズ紹介!」へ

原因(穴あきなど)が目視で確認できる場合の対処法

雨漏りの直接的な原因となっている、トタン屋根の著しい錆びつきや穴あきなどが目で確認できるのであれば、防水シールもしくはコーキングを使った対処法を行いましょう。

防水テープを使った対処法

用意するものとして、トタン屋根専用の防水テープ、サンドペーパー、雑巾があります。防水テープについては、ニトムズの「トタン屋根補修テープ(メーカー価格:430円)」が低コストで使いやすいです。

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雨漏りの原因となっている箇所を、まず綺麗に掃除します。まずサンドペーパーを使って、破損箇所を擦って整え、雑巾を使ってゴミやホコリを拭き取ります。こうしておくことで、防水テープの接着が行いやすくなります。

そして、防水テープを屋根の下から上に向かって、破損箇所を大きく覆うように重ねて貼り付けていきます。このとき隙間ができてしまわないように、しっかり空気を抜きながら貼り付けを行うという点に注意してください。

防水テープで対処を行った場所は、雨や風による圧力や経年劣化によって剥がれていく可能性があります。ですので、長期間ずっと雨漏りを防ぐことはできないことを念頭に置いておいてください。

コーキングを使った対処法

次に、コーキングを用いた対策方法の紹介です。

【準備物】

  • コーキング剤
  • コーキングガン
  • プライマー
  • マスキングテープ
  • ヘラ
  • サンドペーパー

ここで一つ注意点であるのが、準備するべきコーキング剤についてです。コーキング剤にはいくつもの種類があるのですが、その中から金属に使用できるもの、なおかつ耐熱性のあるものを購入してください。

これはトタン屋根が金属でできていることや、太陽光を吸収しやすくかなりの高温になりやすい素材であることが関係しています。

おすすめとしては、コニシの「ブチルコーク」やセメダインの「高硬度タイプ シーリング材(金属用)」などが挙げられます。

【コーキングの手順】

  1. コーキング剤を塗る前に、防水テープを使う時と同じように破損部位の整備を行います。まずサンドペーパーで擦って錆びてガタガタになってしまった部分をできるだけ整え、その後にゴミやホコリを雑巾で拭き取るなどの掃除を行ってください。
  2. 余分な場所にコーキング剤が付かないように、マスキングテープを使って破損部分の周辺を覆いましょう。
  3. 下処理としてプライマーを塗って乾燥させましょう。これはコーキング剤の接着を良くするためです。
  4. コーキングガンにコーキング剤をセッティングして、穴を埋めていきます。隙間が無いようにコーキング剤を破損した部分に注入していってください。
  5. コーキング剤がはみ出るような部分があれば、ヘラを使って整えるようにしましょう。
  6. コーキング剤が固まる前にマスキングテープを外し、24時間程度しっかりと乾燥させれば完了です。

(1)の前準備が意外と忘れがちなところ。しかしこの工程を踏んでおかなければ、コーキング剤がすぐに剥がれてしまうことがあります。

また、コーキングを使った修理についても、長期的にその効果があるわけではありません。特に、専門的な技術を持たずに自己修理をした場合は、コーキングした部分がすぐに剥がれたり割れたりすることも多く起こります。

ですのでコーキングで修理を行ったとしても、できるだけ早めに専門業者に本格的な修理を依頼することをお勧めします。

トタンの雨漏り修理、業者に頼むといくらかかる?

トタン屋根の修理を確実に行うのであれば、応急処置はもちろん恒久的な修理に関してまで、業者に依頼をして行ってもらうことができます。ですが業者に依頼するとなると、一番気になるのが費用の面ですよね。

実際にトタンの雨漏り修理を業者に依頼した場合、相場的にどれくらいかかるのでしょうか。そしてトタン屋根修理の代表的な方法であるカバー工法と葺き替え工法は、費用面以外にもどのようなメリットとデメリットがあるのか、それの点について説明していきます。

トタン屋根の雨漏り修理の相場はいくら?

トタン屋根の修理を業者に依頼する際、その費用は幾つかの要件によって変動してきます。その要件として特に意識しておくべきなのが、修理をする破損部分の程度と修理する工法の違いです。修理の相場を考える上で、この二つの要件を踏まえておくことは重要です。

まず修理をする破損部分の程度についてです。錆びや穴あきが軽度であり、まだ雨漏りもそれほど酷くない状態であれば、コーキングをしてもらったり部分的にトタン屋根を張り替えたりするなどの簡易的な処置で対策ができます。

この場合の修理価格の相場は、修理をする範囲にもよりますが、1㎡あたり4000円から5000円程度が相場です。ただし当然ではありますが、作業が難しい場合であれば追加料金が必要になることもあります。

次に破損部分が広範囲に渡っていたり屋根の基礎部分である野地板が腐食してしまっていたりする場合、トタン屋根のリフォームを行う必要性があります。その屋根のリフォームには大きく分けてカバー工法と葺き替え工法の二つがあり、それぞれ価格も変わってきます。

約100㎡のトタン屋根をリフォームすると仮定しましょう。その屋根をカバー工法でリフォームするならば、約70万円から約100万円程の費用がかかります。もう一つの工法である葺き替え工法であれば、カバー工法よりも少し高くなり、約80万円から約150万円弱の費用がかかるのが相場です。

上記でご紹介した相場の価格はあくまでも参考価格ですので、実際には修理に使用する素材の違いや依頼した業者さんのサービスの違い、トタン屋根の状態、地域性によっても変動します。より詳細な相場を知りたいという場合は、複数の業者さんに修理の見積もりを取ってもらいましょう。そうすれば、自分の住んでいる地域のトタン屋根修理のリアルな相場を知ることができるので、お勧めです。

カバー工法について

雨漏りが起こっており、屋根の基礎部分まで腐食が進んでいるような場合は、業者さんカバー工法もしくは葺き替え工法によってトタン屋根全体をリフォームする方が良いです。この二つの工法には、それぞれ特色があり、それによってメリットとデメリットがあります。

まずカバー工法の概要についてです。カバー工法は、従来あるトタン屋根をそのままにして、上から新しい屋根材を覆うようにして設置していきます。そのカバー工法のメリットとデメリットには、以下のものがあります。

カバー工法のメリット

  • 費用を安く済ませられる
  • 修理を行う期間が短い
  • 古い屋根材の廃棄が少ない
  • 熱や音を多く遮れるようになる

カバー工法のデメリット

  • 屋根の重量が増して耐震性が低くなる
  • 腐食や錆びの酷い屋根には適用できないことがある
  • 屋根を覆う素材が基本的に金属製になる

カバー工法は、従来の屋根をそのまま残すという点から、それほど大きな費用や長い工期がかかりません。工期については、早ければその日の内に出来上がるということも多いです。それに加えて、古い屋根を廃棄しなくても良いので、廃材の処分というコストもカットできます。また、古いトタン屋根と新しいカバーした屋根材の二重葺き状態になるため、遮熱性や遮音性に優れた屋根となり、熱や音を通しやすいというトタン屋根のデメリットも解消してくれます。

一方、カバー工法にもデメリットはあります。二重になった屋根によって家の総重量が増すことで耐震面でのリスクが大きくなることや、基本的にカバーする屋根材としてガルバリウム鋼板を使用するので屋根材を自由に選べないという点がデメリットです。それに、屋根の破損が酷ければカバー工法で対応できないというケースもあるので、その点は業者さんに見定めてもらうようにしましょう。

コストを浮かしたいという意向があれば、カバー工法を行う方が良いケースが多いです。

葺き替え工法について

次に葺き替え工法についてです。この工法は、古いトタン屋根を全て撤去した上で、新しい屋根材を葺いていきます。葺き替え工法についてのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  • 屋根の基礎部分の状態を確認できる
  • トタンとは全く別の屋根材を葺ける
  • 新品に近い屋根の状態にできる

デメリット

  • 大掛かりな工事によって費用と時間がかかる
  • 廃材の処分料が必要になる
  • 工事期間中は普段の生活ができない場合がある

葺き替えは古いトタン屋根を撤去するので、基礎部分である野地板等の状態を直接確認できます。ですので基礎部分が破損しているのを発見できれば、その部分も修復できます。そして葺き替えは再びトタンを葺くのではなく、瓦などのその他の屋根材を葺くことも可能です。ただし、重たい屋根材で葺き替えをする場合、その建物の耐震性において重たい屋根材の重量が適切かどうかという点には注意していてください。

葺き替え工法はカバー工法とは違って、古いトタンの撤去から下地の整備、そして屋根材の葺き替えという様々な作業工程を経なければなりません。そのため作業期間が長くなりがちです。さらに廃材の処分料などもかかるので、作業期間と廃棄の面でコストが多くかかってしまいます。それに、工事の規模によっては、作業音やホコリなどによって普段通りの生活ができないこともあります。

費用や時間が多くがかかっても、屋根の下地の部分からしっかりと雨漏りを修理したいという場合は、葺き替え工法がおすすめです。

まとめ

トタン屋根から雨漏りがしてきた時、その対処についてのまとめです。

  • トタン屋根はその性質から、錆びや穴ができやすく、雨漏りもしやすい。
  • 寿命は10年から15年であり、他の屋根に比べて寿命は短命。
  • 雨漏りの場所が確認できなければ、ブルーシートで大きく屋根を覆う。
  • 雨漏り箇所が見つけられれば、防水テープもしくはコーキングを使って防ぐ。
  • 自己修理の方法は一時的な対応しかできないため、専門業者に修理を依頼する方が良い。
  • 修理の工法にはカバー工法と葺き替え工法がある。屋根の状態や経済面などから、どちらの工法が適切か選ぶ。

もしも雨漏りがしてくれば、できるだけ早く業者さんに修理作業を依頼し、雨漏りの進行を抑えるようにしましょう。自分で対処するのは費用も安く済みますが、長期的には修理した箇所から再び雨漏りをする可能性がありますし、作業に関する危険性も高いです。

トタン屋根修理の相場を見ながら、自分の理想に合う方法で、トタン屋根の修理を行っていただければと思います。