雨漏りが漏電・火事を引き起こす!?その被害と原因、対処方法とは

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家の中にある電気関係の機器は、水濡れによって漏電や火事など、思わぬ災害を引き起こします

そのため、「雨が降るたびに停電するけれど、これって漏電なの?」「雨漏りの水で家電が濡れていた…。もしかして出火するかもしれない?」など、雨漏りがあると漏電や火災の不安が尽きることは無いですよね。

そんな雨漏りによる不安を解消するために、具体的な雨漏りによる漏電・火災の被害の実例を踏まえて、適切な対策をご紹介いたしましょう。

雨漏りを放置すると漏電する危険性がある!

雨漏りは発見すれば、すぐに対処をしなければなりません。もしも放置してしまうと、漏電をするリスクを高めてしまいます。

では、雨漏りによる漏電はどのようなケースが多いのでしょうか。起こりやすい例を挙げて、その原因について考えていきたいと思います。

天井からの雨漏りで照明器具が濡れ、漏電した

屋根の破損などによって雨漏りが起これば、天井部分から雨水が染み出して来ます。その時に雨水に濡れやすいのが、照明器具でしょう。

一般的な部屋には、天井に照明器具が設置されていることが多いです。このような天井にある照明器具は、天井からの雨漏りが起こっている場合、直に雨水が入り込んでしまいます

この雨水が照明器具の電源部分に触れたり、絶縁体が劣化した配線に入り込んだりして、漏電を起こすのです。

さらに、電球が剥き出しのものではなくカバーを取り付けたタイプの照明器具は、より漏電に注意しましょう。なぜならば、このカバーの部分に雨水が溜まってしまいやすく、雨水が継続して照明器具の内部に溜まるからです。そうすると、漏電のリスクはさらに高くなります。

屋内の電気配線が雨水で濡れてしまった

雨漏りによって起こる漏電で意外と見落としがちなのが、家屋の内部にある配線によって起こるケースです。

普段の生活ではあまり意識しませんが、私たちの住居には無数の電気配線が張り巡らされています。雨漏りが起こると、その配線にも雨水が浸透していきますので、そこからの漏電も多いです。

通常、配線は絶縁体で保護されており、多少の水に濡れても漏電は起こりません。しかし、経年劣化や外的要因で傷がついた配線は、傷ができます。その傷の部分から雨水が入り込むこと、漏電が起こってしまうのです。

配線は家屋の至る所にあります。ですので、天井や壁を問わず、雨漏りの発生源がどこであっても、配線からの漏電リスクはあると考えておいた方が良いでしょう。

壁伝いの雨漏りで、コンセントから漏電をしているケース

家の中にある、家電などのプラグが刺さったコンセントも、漏電が好発する部分です。

家電プラグの刃は、電気を通す部分なので絶縁処理がされていません。プラグがコンセントに刺さって電気が流れている状態で、プラグの刃が水で濡れていると、流れている電流が漏電してしまいます。

コンセントは基本的に壁に取り付けられているため、雨漏りによる雨水が壁を伝って濡れるケースが多いです。そのため、コンセントは壁からの雨漏りなどで濡れることで、漏電が起こりやすい傾向があります。

特に、コンセントとプラグ部分にホコリが溜まっている場合は要注意です。このホコリに雨水が吸収・保持されて、長期的にコンセントに水が触れる状態を作り出します。それによって、漏電のリスクも高くなってしまうのです。

コンセントは普段あまり目にしない部分であるため、知らない内に漏電や発火をしてしまうかもしれません。だからこそ、日頃の点検が必要です。

雨漏りによる漏電の被害

雨漏りによって引き起こされる漏電は、一次被害と二次被害に分けることができます。

一次被害

停電

雨漏りによって起こる一次被害として、一番起こりやすいのが、停電でしょう。

漏電による停電は、ブレーカーの働きによるものです。ブレーカーは漏電を察知すると、電気を遮断して停電させた状態にします。

この漏電時のブレーカーの停電機能は、感電などの危険性から人を守るためのものです。そのため、漏電を根本的に修繕できないかぎり、停電を復旧させることができません。そうなると、漏電したエリアの電化製品等を自由に使うことが不可能となります。

漏電すると単純に停電の被害が起こるだけではなく、その停電が生活面にも大きな影響を与えることに注意しておいてください。

家電製品の故障

漏電をしてしまうと、私たちが普段の生活で使用している家電にも影響が出てしまいます。そして、場合によっては故障してしまうことも考えられるでしょう。

家電の中にはとても精密なものがあり、決められた値域以上の電流が流れると、故障してしまうものも少なくないです。

コンセントとプラグで漏電が起こっている場合、家電製品に規定量以上の電流が流れることがあります。そうすると、家電製品に負担がかかってしまい、故障する可能性が高いです。

それにトラッキング現象によって、家電がショートしてしまうと、発火等によって家電本体が破損するということも起こり得ます。

漏電による家電のダメージは想像以上ですので、大切な電化製品を守るためには、漏電に細心の注意を払っておかなければなりません。

電気代の増加

漏電の被害は、経済的な部分にまで及びます。それは、電気代が増加してしまうことです。

漏電が起こっていると、その場所から本来使われるべき電気が流れ出ていきます。流れ出てしまった電気も、使用した電気としてカウントされるため、必然的に電気代が増加してしまうのです。

通常であれば、漏電を感知したブレーカーによって停電が起こるので、それほど電気代が増えることはありません。しかし、ブレーカーの不具合によって、漏電を感知できていないケースも多くあります。

漏電していることに気がつかなければ、電気は余分に流れ出たままです。そうすると、電気代の請求額も驚くほど高額になっていることも少なくありません。

電気代の請求金額が高いことで、漏電に気がつくという事例も多くあります。漏電を放置してしまうと、金銭的な面でも損をする可能性が高いと言えるでしょう。

二次被害

漏電は、一次被害からさらに発展して、二次被害が起こることも知られています。それも重大な事故に成り得る被害です。

その二次費着の代表的なものであるのが、感電、そして火災です。

感電

私たちが使用している電化製品は、高い電圧で動いている物が多くあります。通常の生活の中では、高い電圧の電気に直接触れることは無いです。しかし、漏電をしていると、不意に漏れた電気に触れて感電してしまう可能性があります。

人間の体は、それほど電気への抵抗が強いわけではありません。特に水に濡れていると、電気を通しやすいです。そのため、漏電した高い電圧の電気に触れると、体の中を電気が流れます。この現象が感電です。

感電をした際に、ピリピリする程度であれば良いですが、強い電圧の電気ならば、人体に悪影響を与える感電となります。

その悪影響としては、電気の熱による皮膚の熱傷や、心臓へのショックが代表的なものです。特に心臓へのショックは、心室細動や心臓が停止してしまう深刻な事故になるケースも発生します。

火事

漏電によって起こる重大な二次被害であるのが、火事です。

家電製品やコンセント、そして電気配線などが漏電すると、その部分に電流が多く流れて熱が発生します。そして、この発熱部分に木材やホコリなどの燃えやすいものがあれば、それが燃料となって出火するのです。

また、プラグを差し込んだままのコンセントの部分や大型家電の裏などはホコリがたまりやすく、そのホコリが雨漏りや湿気から水分を吸収してしまいます。水気を吸い込んだホコリにより、電気が漏れて発熱し、出火してしまうのがトラッキングと呼ばれる現象です。

意外かもしれませんが、上記のように、漏電から大規模な火災への発展も十分起こり得ます。たかが雨漏りと思って放置していると、思わぬ漏電からの発火によって、家を火事で失ってしまう可能性があるかもしれません。

漏電の原因をチェックする方法

漏電・火災を防ぐ「漏電ブレーカー」

漏電をしている様子があれば、まず漏電がどのようにして起こっているのか、その原因をチェックすることから始めましょう。その漏電の原因のチェックを行いやすい方法として、漏電ブレーカーが挙げられます。

漏電ブレーカーの役割を簡単に言うと、漏電が起こった時にその被害拡大を防ぐため、電気を遮断して停電状態にしてくれるブレーカーのことです。家電や配線などで漏電があれば、漏電ブレーカーはそれを検知し、瞬時に電気を遮断してくれます。

一般的なご家庭に設置されているブレーカーは、この漏電ブレーカーが内蔵されているものがほとんどです。なお、ブレーカーには、漏電ブレーカー以外にアンペアブレーカーと安全ブレーカーが含まれています。

漏電が原因でブレーカーが落ちたならば、漏電ブレーカーの機能を活用して漏電箇所を確認しましょう。

まずブレーカー本体を確認します。そこで漏電ブレーカーのスイッチが「切」、アンペアブレーカーのスイッチが「入」になっているかどうかを見てください。もしもそれぞれのスイッチの「入」と「切」が逆の場合、ブレイカーの落ちる原因が漏電以外のものの可能性があります。

次に、部屋毎などで細かく分けられている安全ブレーカーのスイッチを、全て「切」にしてください。そして漏電ブレーカーのスイッチを「入」に変更し、安全ブレーカーのスイッチを一つずつ入れていきましょう。

順次、安全ブレーカーのスイッチを入れていくと、その中で漏電ブレーカーが再び落ちて「切」になるものが出てきます。その漏電ブレーカーが落ちたスイッチの管轄している箇所が、漏電が起こっている場所です。

ただし、上記の方法では大まかな漏電の場所しか特定できません。より詳細にどこで漏電しているか確認するならば、目視で電気コードの破損やコンセントの汚れ、その他電化製品の不具合など、漏電が疑われる場所を個別にチェックしてください。

こんな症状があれば漏電かも?

家の中で漏電が起こっていると、普段の生活では起こらない現象が発生することも多くあります。漏電が疑われる、典型的な症状をピックアップしてみましたので、参考にしてください。

電気料金の請求額が異常に高くなった

漏電は、本来使用されるべき電気が、使われずに別の場所へ漏れ出している状態です。この漏れ出した電気は、場合によってはかなりの量になります。ですので、とても高額な電気料金の請求が来るかもしれません。

夏や冬は空調機器の使用で電気代が上がる可能性はあります。しかし、春や秋など特段電気代が上がる理由が無いのに、異常な金額の電気代の請求が来た場合は、漏電を疑いましょう。

雨が降った日だけ停電する

電化製品等が雨漏りする度に濡れると、漏電も雨が降った日に起こることが多いです。この漏電を漏電ブレーカーが検知し、それ以上の漏電が起こらないように停電が起こります。

このように、雨が降った日に限って停電するようならば、漏電をしている可能性が高いです。

電化製品を使用する時にピリピリした感覚がする

漏電した電気に触れると、ピリピリした感覚がします。この感覚が継続して起こっていた場合、漏電をしていることが考えられるでしょう。

そして、このピリピリした感覚は、感電によって起こっているものです。感電する電気の量が多ければ、心臓が止まるなどの危険性もあるので、注意してください。

コンセントに黒いすすが付いている

ホコリが溜まってしまったコンセントが漏電をすると、トラッキング現象によって発火することがあります。その発火によってコンセントに付着するのが、黒いすすです。

コンセントを確認して、黒い色がついていたり焦げていたりするようであれば、漏電によってトラッキング現象を起こしている可能性が高いでしょう。大きな火災に発展する前に、漏電を改善させてください。

原因を自分で見つけることが難しければ、専門業者に確認を頼もう

漏電が起こっていると判断できる症状があれば、どこで漏電をしているのか、その原因箇所を特定することが先決です。しかし、その漏電の原因となっている場所を見つけるのは、簡単にできることではありません。

漏電ブレーカーを用いて、大まかに漏電をしているエリアを探すことはできます。ですが、その漏電が疑われるエリアの中の、さらにどの部分で漏電をしているのかを見つけるのはとても難しいです。

詳細な漏電箇所を見つけるには、ブレーカーを開いて分電盤そのものを調査する方法があります。ただ、この調査は複雑で漏電テスターといった専用道具も必要です。そのため、知識の無い個人には扱いづらいものとなるでしょう。

上記のように、漏電の原因部分を見つけるのが難しい場合、専門業者に漏電をしている箇所の確認を依頼すると便利です。

専門業者ならば、ブレーカーを開いて、どこで漏電をしているのか詳しく確認することができます。また、その漏電が雨漏りによって起こっているのか、それとも他の原因なのかの判断も任せることができるでしょう。

また、闇雲に漏電箇所を見つけようとすると、感電してしまうリスクもあります。自分の安全を守る上でも、漏電の確認は専門業者への依頼がベストな方法です。

もしも漏電していたらどうする?

電気保安協会に調査依頼をする、もしくは電気工事業者に修理を頼む

自宅で漏電が発生していたら、その対策を依頼できる専門業者は大まかに二つ挙げられます。それは電気保安協会、そして電気工事業者です。

電気保安協会は、企業や家庭を対象として、電気に関係した安全点検などを行う団体です。その安全点検には、漏電のチェックも含まれています。数年に一回、定期検査も行ってくれるので、その時に漏電のチェックを依頼するのも良いです。

なお、電気保安協会は北海道、東北、北陸、関東、中部、関西、中国、四国、九州、沖縄のエリアに別れています。ですので、調査依頼をするのはお住いの管轄の電気保安協会になるという点に注意しましょう。

電気工事業者は、住宅等の建物における電気工事を行う業者です。電気工事業者には、電気工事士の有資格者が在籍しており、漏電のチェックはもちろん漏電箇所の修理まで行ってくれます。

明かに漏電をしていることが分かっていれば、電気工事業者に修理依頼をすると良いでしょう。

この調査や修理の依頼するにあたって、アパートなどの賃貸に住まわれている方であれば、大家さんや管理会社へ連絡をしてください。賃貸物件の場合、無許可で調査や修理をすると貸借契約に違反する可能性があるからです。

それに漏電のケースによっては、調査や修理にかかる費用を大家さんに負担して貰えるかもしれません。その期待も含めて、漏電があれば大家さんもしくは管理会社へ一報入れるようにしましょう。

なお、持ち家の戸建などに住まわれている方の場合は、特に第三者の許可を得なくても調査や修理依頼を出すことができます。

雨漏りを放置するのはNG!

漏電をしている箇所が確定され、電気工事業者等に修理をして貰ったとしても、それで漏電が完全に解決したわけではありません。なぜならば、雨漏りが原因で漏電が発生している場合、漏電箇所を直しただけで雨漏りを放置したままでは漏電の再発やその他の事故のリスクがあるからです。

雨漏りを修理していないと、継続して家の中に雨水が侵入してきます。そうすると、再び家電製品が雨で濡れたり、コンセントのホコリを湿らせてトラッキング現象を起こしたりすることが考えられるでしょう。

雨漏りが原因ならば、漏電という結果部分だけを対処しても、同じような漏電が繰り返されるだけです。ですので、根本的な雨漏りは確実に修理をしておくべきだと言えます。

それに加えて、雨漏りを放置していると漏電以外にも様々な被害が起こるので、とても危険です。一例としては、雨濡れによってカビなどが繁殖し、そこに住む人に健康被害を与える、木材を腐らせて家の耐久性を下げることなどが挙げられます。

雨漏りによる漏電被害だけではなく、そこに住む人の健康や家そのものの保全のためにも、雨漏りをそのままにしておかないように気をつけましょう。

スミカルでは、自力で出来る雨漏り対策と、修理費を抑える方法を紹介しています。雨漏り修理のハードルが高いと感じる方は、自分でできるところから始めてみましょう。

「【DIY初心者がやってみた】自分でできる雨漏り応急処置&対策グッズ紹介!」へ

漏電を未然に防ぐ方法とは?

雨漏りが起こっていたとしても、予め漏電をしないような対策を取っていれば、漏電被害を最小限に食い止めることができます。

安全な生活が送られるように、代表的な漏電の予防方法をいくつかご紹介致しましょう。

コンセントとプラグ部分にホコリを溜めない

コンセント部分からの漏電は、プラグとコンセントの差し込み口の部分にホコリが溜まり、そこが水で濡れることで起こります。ですので、定期的に掃除するようにして、ホコリを溜めないことが漏電の予防策となるのです。

それに、蛸足配線を利用していると、電源プラグがかさばってホコリが溜まる傾向があります。そのため、できるだけ蛸足配線は使わないことも、ホコリをためないための対策になるでしょう。

家電製品のアースを利用する

漏電をしやすい家電製品には、電気を地面に流すためのアースと呼ばれる配線が取り付けられています。このアースをコンセントのアース接続部分にセッティングすれば、漏電した電気を地絡へと流す対策は完了です。

アースは取り付けが可能なコンセントと、不可能なコンセントがあるので注意してください。アース接続をがついていないコンセントは、電気工事業者に依頼してアース付きのコンセントへ変更することができます。

配線の定期点検を行う

家の中を通っている配線は、老朽化したりネズミなどの害虫が齧ったりすることで、絶縁体部分が破損している可能性があります。そして破損していた場合、そこから漏電が起こる可能性が高いです。

未然に漏電を防ぐためには、この配線の破損を早期に発見できるように、定期点検を行うことが欠かせません。点検については、電気保安協会などが請け負ってくれますので、数年に一回は依頼することをお勧めします。

家電の自己修理は絶対に行わない

電化製品の調子が悪くなった時に、自分で修理をしてしまわないことも、漏電の予防策の一つです。

家電を分解修理しても、組み立てが不十分で隙間が出来ている場合、そこから雨水が入り込んでしまうかもしれません。そうすると、その水に電流が流れて漏電する可能性があります。

どのような家電でも自己修理は危険です。その中でも特に、電子レンジやテレビといった高い電圧のかかる家電の自己修理は避けるようにしてください。

まとめ

  • 雨漏りから漏電が起こることがあり、場合によっては感電や火災などの重大事故の原因となる。
  • 漏電の原因が雨漏りの場合、漏電箇所の調査・修理だけでなく雨漏りそのものを直すことが必要。
  • 予め漏電の予防策を取っておくことで、漏電が発生するリスクを少なくすることができる。

雨漏りからの漏電被害は、いつどこで襲ってくるか分かりません。ですので、漏電の予防策を行っておくと同時に、雨漏りに関する対策も行うようにしておきましょう。

重大な漏電事故を引き起こさないためには、日頃からの対策が必要不可欠です。