「家の中で何かバタバタ飛び回っていると思ったら、コウモリが住み着いていた!」
「何とかしたいけれど、業者に頼むとお金がかかるし、自分で何とかできないかな?」
コウモリはわずかな隙間からでも侵入してきます。誰の家でも被害に遭うリスクはあるでしょう。
しかし、コウモリは簡単に駆除できる動物ではありません。
ここでは、コウモリ被害の実態や、コウモリを自力で駆除する方法、業者に頼むときのポイントについて解説していきます。
目次
コウモリ駆除には許可が必要!その理由とは
コウモリが家に侵入してきたとしても、勝手に駆除をしてはいけません。それは、コウモリ駆除には許可が必要だからです。
指定動物の捕獲、殺傷を禁止する「鳥獣保護法」
コウモリを勝手に駆除できないのは、鳥獣保護法の対象となるからです。鳥獣保護法とは、生物の多様性と生活環境の保全を確保する目的で制定された法律です。
鳥獣保護法では哺乳類に属する野生動物の捕獲、駆除が禁じられています。そのため、哺乳類であるコウモリもその対象となってしまうのです。
もしも、駆除して誤って殺してしまったら大変です。鳥獣保護法に違反することになり、一年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が課せられることになるでしょう。
鳥獣保護法で保護されているため、捕獲が難しいだけではありません。コウモリは臆病で自分を捕まえようとする人間に対して強い警戒心を抱きます。
そのため、コウモリを簡単に捕まえることは難しいでしょう。自力で駆除しようとしても、失敗する確率も高いことを覚えておきましょう。
失敗しない!駆除業者の選び方
鳥獣保護法で保護されていること、自力駆除も難しいのが現状です。コウモリが家の中に侵入して来たら、業者に頼むのが確実です。ここでは、駆除業者を選ぶときのポイントについて解説していきます。
コウモリを駆除する業者は3種類
コウモリ駆除を依頼できる業者は主に3種類あります。
<コウモリ駆除専門業者>
まず一つ目が、コウモリ駆除専門業者です。
文字通りコウモリの駆除を専門に行っています。コウモリ駆除のエキスパートだと言えるでしょう。また、コウモリ駆除の経験も豊富です。いろいろなケースにも対応してもらえるでしょう。
<害獣駆除業者>
二つ目が害虫・害獣駆除業者です。世間一般に人間に危害を与える虫や動物のことを害虫や害獣と呼びます。
害虫・害獣駆除専門業者はそれらの動物、虫を広く全般的に駆除してくれます。コウモリも駆除の対象としている業者もあります。
ある程度害獣に対しての駆除知識を広く全般に持っていますので、コウモリ駆除も期待していいと思います。
しかし、中にはコウモリを対象としていない業者もあるかもしれません。また、駆除対象となっていても経験不足の可能性も考えられます。
<市役所・保健所>
三つ目が役所です。市役所や保険所などの公的機関でもコウモリ駆除を対応してくれる場合があります。特定の害虫や害獣に対して、お住まいを管轄する役所に連絡をすると、役所の担当者が駆除に来てくれることがあります。
この際にかかる駆除費用ですが、役所や駆除する害虫・害獣の種類によって異なる場合があります。
役所が対応してくれる場合、役所が提携している業者が駆除に来るか、職員が駆除に来るかのどちらかになります。
業者の場合は経験豊富ですので一定の効果が期待できるでしょう。しかし、役所の職員の場合、経験が少ない職員のこともあります。その際は、駆除に時間がかかるかもしれません。
業者選びの3つのポイント
コウモリ駆除業者を選ぶときは、以下の3点に注意して選びましょう。
①費用は適切かどうか
まず1点目が金額をチェックしましょう。コウモリ駆除の費用ですが、業者ごとに料金設定が異なります。
インターネットなどで料金についてはある程度調べることができます。それを参考にしながら、適正な価格で駆除を行っているかをチェックしましょう。
②再発保証期間があるか
2点目が保証についてです。アフターフォローがついていると安心して依頼できます。コウモリ駆除のステップとしては、まずは家にいるコウモリを追い出します。その後、コウモリが家に侵入してこないように入り口をふさぎます。
しかし、コウモリは今まで生活していた場所に戻ろうとします。ちょっとした隙を狙って、侵入を試みるでしょう。
もしも、再度コウモリが家の中に入ってきたら、再び駆除する必要が出てきます。再駆除が必要になったときに、業者によっては駆除料金が発生することがあります。
保証がつていると、一定期間内は無料で対応してくれるでしょう。そのような業者のほうが安心です。
③駆除の内容は適切かどうか
3つ目がコウモリ駆除の内容です。コウモリ被害で最も深刻なのが糞による被害です。糞には人間に害を及ぼすウィルスや病原菌が含まれています。
これらをそのまま放置しておくと、ダニなど他の害虫の発生を促します。コウモリの駆除だけでなく、糞などの処理と消毒までしっかりとやってもらえると安心です。
特に抵抗力が弱い小さいお子さんがいる家庭では、糞の始末はとても重要です。適切な方法で処理してくれる業者を選ぶのがおすすめです。
自分で業者を調べるときは、業者に直接質問してみるのも手段のひとつです。自社のウェブサイトを持っている業者がほとんどです。そこから金額やサービスについてある程度の情報収集ができるでしょう。
しかし、細かいところまでホームページに掲載されているとは限りません。そこで、気になる点や不明点については直接業者に聞いてみるのです。
また、役所に相談してみると役所が提携している業者を紹介してくれることもあります。困った時は、まずは役所に相談してみるのもおすすめです。
コウモリ駆除にかかる費用の目安
コウモリ駆除を業者に依頼するときは、どのくらいの費用がかかるのが気になると思います。ここでは、費用相場について説明していきます。
コウモリ駆除の費用ですが、家の大きさや種類によって相場が変わってきます。まず、コウモリが一部に侵入している場合、駆除費用の相場は8000円から25000円です。
平屋建ての場合は10〜20万円、2階建ての一軒家は20〜40万円、昔ながらの日本家屋は70〜90万円となっています。
なぜ、古い日本家屋の駆除料金が最も高くなってしまうのかというと、それは侵入経路が多いからです。
コウモリは非常に体が柔らかいのが特徴です。そのためたったの1cmという隙間からでも、簡単に侵入してきます。
古い日本家屋は至ところにコウモリが侵入できるような小さな隙間があります。それを全て塞ぐのはかなりの労力が必要なのです。
また、条件によっても費用が前後することもあります。高所での作業が増えると費用も高くなることがほとんどです。
これはあくまでも相場です。詳しい費用について知りたいときは、業者に現場をみてもらって見積もりを出してもらうのが最も正確です。
自力でコウモリを追い払う方法
コウモリは駆除業者に依頼しなくても、自力で追い払うことも可能です。その手順について詳しく紹介していきます。
コウモリ駆除の手順
コウモリは鳥獣保護法で保護されているため、許可なく捕獲・殺傷することができません。駆除する際は傷つけないように注意し、忌避剤などのグッズを使って巣から追い出しましょう。
①まずはコウモリの侵入口をチェックします。
コウモリが家の中に出入りしているのはどこなのかを調べます。
コウモリは夕方から夜にかけて活動しているので、活動時間帯を見計らって、コウモリの侵入口を探しましょう。
②侵入口がみつかったら、コウモリが家を出るまで待ちましょう。
コウモリが家から出るタイミングがわからないときは、忌避剤などのグッズなどを使ってコウモリを巣から追い出します。
コウモリを追い払う忌避剤は、ホームセンターなどに販売されています。それを、コウモリが住み着いている部分に吹きかけて追い出しましょう。
③コウモリが巣から完全に居なくなったのを確認した後は、侵入口を塞ぎます。
忌避剤の効果は長く持続するわけではありません。数時間すると効果が薄れてしまいます。コウモリは帰巣本能が強く、一度住み着いた場所に再度戻ってくる特徴があります。コウモリが戻ってくる前に侵入口を全て塞いでしまいましょう。
侵入口をふさぐ方法としては、金網やパテなどがおすすめです。ホームセンターなどで販売していますので、事前に購入しておきましょう。
駆除におすすめの時期は9月~10月
コウモリ駆除には適切な時期があります。それは9月から10月です。
コウモリは秋ごろに交尾をして、10月以降から冬眠準備に入ります。冬眠に入るとコウモリの反応が鈍くなるので、駆除が難しくなります。
コウモリがあまりにも静かなのでもう出て行ったと思って、侵入口をふさぐと大変です。閉じ込められてしまったコウモリが家の中で死んでしまう可能性が高くなるからです。
コウモリが家の中で死んでしまったら、それも被害を引き起こす原因になります。悪臭が漂い、さらには雑菌も繁殖して人間に健康被害が及ぶ危険性大です。
コウモリは大変繁殖力が高いため、冬眠から開けて子供が生まれてしまったら、コウモリ被害が拡大する危険性が高くなります。被害が拡大する前に、コウモリを追い出すようにしましょう。
駆除する時間帯は、夕方以降がおすすめです。コウモリは夜行性のため、夕方から夜にかけてもっとも活発に活動しています。
活動時間帯はコウモリが自然に家から出ていくことが多いです。上手く侵入口をふさぐことができるかもしれません。
コウモリが好む場所・おすすめの駆除グッズ
コウモリ対策グッズがいくつか販売されています。コウモリが住み着いている場所によってそれぞれ適切なグッズを使いましょう。効率よくコウモリ対策がとれるようになります。
<屋根裏などに住み着いている場合>
・駆除スプレー
コウモリが嫌う臭いが含まれています。コウモリの嫌う臭いであるハッカなどが使われている商品が多いです。コウモリがいる場所にめがけてスプレーすることで、コウモリを追い出せます。忌避剤の種類も豊富ですが「スーパーコウモリジェット」などはおすすめです。
・磁石
コウモリは暗いところで活動します。暗いところでも飛んだりエサを食べたりできるのは、超音波を発しているからです。磁石が出す時期が超音波に影響を与えると言われています。それが、コウモリ除けに効果があると言われています。コウモリの住んでいる場所の近くに磁石を置いてみましょう。磁石は100円ショップなどで販売されているもので十分です。
・蚊取り線香
蚊取り線香もコウモリ退治に効果があるグッズのひとつです。蚊取り線香にもコウモリの嫌う臭いが含まれているからです。しかしバルサンなどの燻煙剤に比べると、その効果は劣ります。
<入り口をふさぐのが難しいとき>
2階部分など、コウモリの侵入口が高所にある場合があります。その際は、侵入口をふさぐのも大変危険を伴います。
しかし、侵入口をふさがないとコウモリが再度家に入ってきてしまいます。そこで、おすすめしたいのが、他の方法でコウモリを遠ざけることです。
・CD、DVD
これらは、鳥よけとしても使われる対策のひとつです。CDやDVDに光が反射すると、コウモリの超音波が阻害されて、うまく飛べなくなります。そのことから、コウモリが寄り付きにくくなると言われています。侵入口の近くに、CDやDVDを吊るしてみましょう。
・ハッカ油
コウモリはハッカの香りを苦手としています。コウモリ撃退グッズの忌避剤にもハッカが使われている物が多いです。そこで、コウモリの侵入口にハッカ油などを撒いておくのもおすすめです。
放置すると被害が悪化!コウモリ駆除は早めの対策が重要
コウモリくらい大丈夫だろうと甘く見てはいけません。コウモリによる被害は思っている以上に大きいのです。コウモリを見つけたら早めに駆除することを強くおすすめします。ここではコウモリの危険性について解説していきます。
コウモリの驚くべき繁殖力
コウモリの存在に気が付いているのに、駆除せずに放っておくと大変危険です。それは、コウモリが大変繁殖力が高いからです。
コウモリにもたくさんの種類があります。中でも日本に主に生息しているコウモリは、世界でもまれにみる高い繁殖力を持っているのです。
しかも、コウモリは集団で生活をします。一度に複数の子供を産みますので、放ってくとあっというまにコウモリの個体数が増えてしまうでしょう。
コウモリ被害によって起こること
コウモリによる被害で最も危険なのが糞による被害です。コウモリは民家の屋根裏などに住みつくことが多いです。
そこで、糞をしてしまうと当然ながら臭いが漂います。しかも、糞の量が大量になると臭いもさらにきつくなるでしょう。
さらには、糞を大量にすることによって天井裏の木材などが腐敗していきます。最悪の場合、家に強いダメージが加わり劣化をすすめることにもなるのです。
また、コウモリの糞にはたくさんの病原菌が含まれています。たとえば、狂犬病もそのひとつです。
さらには、アルボウィルス感染症、エボラ出血熱、ニパウィルス感染症といったようにさまざまな病原菌を持っていることがわかっています。
それ以外にも未知の病気を持っている可能性も否定できません。そのような状況を考えると、コウモリの糞はとても危険なのです。
そして、その糞からダニなど他の害虫が発生してしまうのです。乾燥した糞が舞い上がって空気中に舞い上がると、それを人間が吸いこんでしまいます。それらが原因となりアレルギーリスクが高まってしまうでしょう。
特に抵抗力が弱い高齢者や小さいお子さんがいる家庭では、アレルギーリスクがさらに高くなってしまいます。
また、ペットを飼っている人はさらに注意が必要です。誤ってペットがコウモリの糞を食べてしまうかもしれないからです。これは、小さいお子さんでも当てはまることでしょう。 コウモリの糞には病原菌が含まれています。それが原因で病気になってもおかしくありません。
まとめ
コウモリ被害を拡大させないためには、早めの駆除が肝心です。
<駆除に注意すること>
コウモリは鳥獣保護法という法律によって保護されています。そのため、下手に捕獲してしまうと法律違反となる恐れがあります。万が一法律に違反してしまったときは、罰則が科せられます。
<業者選びのポイント>
コウモリ駆除を業者に依頼することができます。コウモリ駆除業者の種類やそれぞれの特徴、選び方のポイントについて理解しておきましょう。
<コウモリ駆除のコツ>
コウモリを傷つけることなく自力で駆除する方法もあります。コウモリを家から追い出してから、侵入口をふさいでコウモリを家に寄せ付けないようにします。また、コウモリ駆除に適した季節や時間帯も知っておくと役立ちます。
<コウモリ駆除は早めが重要>
コウモリが家に侵入してきたときは、早めの駆除*が重要です。それは、コウモリが驚くほどの繁殖力を持ち、その被害が想像以上に危険だからです。
コウモリは鳥獣保護法によって保護されていますので、むやみに駆除することはできません。しかし、コウモリは大変繁殖力が高く被害の危険性も高いのです。専門業者に依頼するなどして、適切なやり方で早めに駆除するのがおすすめです。