街中でもよく目にするつがいの鳩。2羽で行動していることが多く、とても仲が良いイメージがありますよね。
でも、実際の夫婦仲はどうなのでしょうか?そもそも2羽一緒にいるからといって、本当につがいなのでしょうか?
「鳩は浮気しないって本当!?」
「鳩の子育てって夫婦で一緒にするの?」
「鳩や鳩のつがいが平和や幸福のシンボルとされているのはなぜ?」
この記事ではそんな、鳩のつがいとその子育てについてみなさんが抱いている疑問にお答えします。
また、鳩がつがいで自宅のベランダなどにやってきたときの対処法についてもお伝えしていきますのでチェックしてみてくださいね。
目次
鳩のつがいの役割分担
普段わたしたちの身の回りでよく見かけるのはドバトとキジバトです。ここではこの2種類の鳩の夫婦の役割分担についてご紹介します。
鳩の巣作りの役割分担
キジバトが巣を作るときは、巣を作る場所も夫婦で決めます。だから産卵前に巣を作る場所を探しているときから、キジバトがつがいで行動する姿をよく見かけるのです。
巣作りが始まると、オスが小枝などの巣の材料を運んできてメスに渡します。メスは1か所にとどまり、材料をその場に並べて巣を形作っていきます。その間も本当にその場所が巣作りに適しているかどうか、周囲の安全確認を怠りません。
キジバトの巣は、枯草や木の枝などをカンタンに組み合わせただけのものです。しかも夫婦で効率よく役割分担するので、巣はあっという間にできあがってしまいます。
だから「気づかないうちにいつの間にか巣が作られていた」ということがよくあるんですね。
鳩の子育ての役割分担
キジバトもドバトも抱卵はオス・メスが交替で行います。片方が抱卵している間に、もう片方はエサをとりにいっているのです。これだと育児ストレスも少なそうですね。
そして卵が孵化したあとのヒナへのエサやりもオス・メスが交替で行うのです。鳩の子育ての過程で最も特徴的なのは、産まれたばかりのヒナには液体状のピジョンミルクを与えるということです。
ピジョンミルクは鳩の体内で作られるので、エサの少ない冬場でも鳩は繁殖ができます。そしてなんと、このピジョンミルクはオス・メスどちらも生成することが可能なんです。
このピジョンミルクのおかげで鳩は年中子育てができるため、多いと1年で6回ほど産卵することもあります。
鳩のオスとメスの見分け方
では、わたしたちが普段、公園や家の周りで見かける2羽で行動している鳩は、夫婦なのでしょうか…?
答えは「Yes!」。たいていつがいなんです。
もし、オスとメスの見分け方を知っていれば、自信を持って「つがいだ」と断定できるようになります。ここではドバトとキジバト、それぞれのオス・メスの特徴を挙げていますので、以下を参考にしてください。
ドバト(カワラバト)のオス・メスの特徴
ドバト(カワラバト)は、かつては伝書鳩として人が飼っていたものが野生化したものです。
公園などで、グレーの身体に首周りにエメラルドグリーンの模様がある鳩をよく見かけるのではないでしょうか?また、結婚式などで使用されていた白い鳩もこのドバトを改良したものなんです。
ドバトのオスとメスが並ぶと、オスのほうが全体的にがっしりした体格で、頭や足も大きめです。また、首の周りの模様がはっきりと輝いているのがオスになります。
メスはオスにくらべると、なで肩でからだ全体がほっそりしていてやさしい印象です。
また、オスは羽を大きく広げてメスを追いかける求愛行動をします。追いかけるほうがオス、追いかけられているほうがメスと覚えておくとよいでしょう。
キジバトのオス・メスの特徴
羽に魚のウロコのような模様があるのがキジバトです。群れで行動することが多いドバトに比べて、キジバトのつがいを見る機会はより多いのではないでしょうか。
キジバトには鳴き声にも特徴がありますが、「デーデーポッポー」と繰り返しリズムよく鳴くのがオスです。この鳴き声は求愛行動でもあるのですね。
また、オスとメスの外見を比べてみると、オスはメスに比べて身体がやや大きくて、頭の色がやや薄く、クチバシがとがっています。
鳩のつがいがベランダに!どうすればいい?
オスとメスの違いがわかると、2羽の鳩がつがいなのかどうかも判断できますよね。だから、ベランダなどで鳩を見つけたらぜひチェックしてみてください!
そして、もしも自宅のベランダにやってきたのがつがいの鳩だったらどうすればよいのか…。ここからはこの点について具体的な対処法をお伝えしていきます。
鳩がつがいでベランダにくる理由
鳩がつがいで行動するのは「産卵のために巣を作る場所を探しているとき~子育ての期間」までです。
ですから、自宅の周りやベランダで鳩のつがいがウロウロしているときは、子育てのための巣作りに最適な場所を探しているサイン。注意しておかないと、自宅の敷地内にあっという間に巣を作られてしまいます。
鳩のつがいを見かけたときの対処法
つがいでベランダなどにやってくる鳩をそのまま放置すると、鳩はやがてその場所に棲みつき、巣を作ります。ベランダでの鳩の滞在時間が長くなったり、ヒナがかえったりして糞や鳴き声による被害がどんどん拡大するのは憂鬱ですよね。
そうなる前に、鳩のつがいを見かけたらまずは追い払っておくのが賢明です。
鳩を追い払う方法
ベランダに飛んでくる鳩は、次のような方法で追い払うことができます。
- 音で脅す
センサーが飛んできた鳩を感知すると、さまざまな音を出して鳩を脅かす撃退器が市販されています。防犯にもなるので一石二鳥ですね。
- 見た目で脅す
鳩の天敵であるタカのカイトやヘビのおもちゃなどをベランダに設置します。天敵をみとめた鳩が怖がって近づかなくなる効果が期待できます。
- ベランダにとまりにくくする
鳩がベランダの手すりやエアコンの室外機の上にとまりにくくなるよう、その場所に剣山(スパイク)やワイヤーなどを設置します。とまるとチクチクしたり、グラグラして足元が悪い場所には鳩も巣を作りたくなくなるでしょう。
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- 鳩の嫌がる臭いを放つ
鳩の苦手なハーブなどの植物エキスを配合した忌避剤をハトがやってくる場所に設置しておきます。置いたり吊るしたりするタイプのものや、手すりなどに塗布するジェルタイプのものなどが市販されています。
ハーブの臭いは鳩にとっては不快ですが、人にとっては無害なのが嬉しいですね。
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つがいの鳩は巣づくりのためにベランダにやってきています。だから、このようなグッズを利用してベランダを鳩にとって居心地が悪い場所にしてしまうと、鳩は巣作りをあきらめます。
しかし、これらの方法は鳩が飛来し始めた初期段階だけしか通用しないことがほとんどです。鳩は場所への執着心がとても強く、一度気に入った場所からはなかなか離れようとしないからです。
では、追い払ってもしつこくやってくるつがいの鳩にはどう対処すればよいのでしょうか?
鳩に棲みつかれたら
ベランダの鳩の様子が次のような状態なら、簡単に追い払うことが難しくなります。
- 鳩が半日以上その場所に滞在している
- 追い払っても何度も飛来する
- 既に巣を作られてしまった
ここからは、こうなったときに自力で対応できる対策と専門の業者へ依頼する方法をお伝えします。
自力で鳩の侵入を防ぐには
鳩がベランダに長時間滞在し、追い払ってもまた戻ってくるようならベランダの周りにネットを張って鳩の侵入を物理的に防ぐという方法をとることができます。鳩は少しの隙間も通り抜けてしまうので、ネットとベランダの間に隙間がないようピッタリ張りましょう。
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また鳩には、自分の糞を落とした場所は自分の縄張りだという意識があります。だから、ネットを取り付ける前に落ちている糞や羽毛などを綺麗に掃除し、できればエタノールなどで消毒・消臭を行いましょう。
ただし、既に巣ができてしまっている場合は巣の中をよく確認しましょう。巣の中に卵やヒナがいる場合は巣を勝手に撤去することができません。鳩は鳥獣保護管理法という法律で守られているからです。
卵やヒナをみつけたら、最寄りの役場に巣の撤去の許可をもらうか、ヒナが巣立つまで待ちましょう。
もしも糞や鳴き声による騒音の被害がひどく、
「そんな悠長なことは言っていられない」
「とにかく今すぐ鳩の巣を撤去したい」
というときは専門の駆除業者に依頼することも検討しましょう。
駆除業者へ依頼するには
「鳩を追い払ってもしつこく戻ってくる」
「自分で対処している暇がない」
「とにかく早く確実に鳩を追い払いたい」
というときは、プロの業者へ依頼するという選択肢もあります。多くの業者は現場確認・見積までを無料で行ってくれます。まずは電話相談だけでもしてみましょう。
また、鳩は帰巣(きそう)本能が強いことから、巣ができてしまっている場合は巣を撤去してもまた戻ってきて同じ場所に巣を作ろうとします。そのため
「せっかく苦労して自分で巣を撤去したのに、しばらくするとまた鳩がくるようになった…。」
という被害が後を絶ちません。
でも、鳩のそういった生態を熟知しているプロの業者なら、巣の撤去・掃除だけでなく再発防止策まで行ってくれます。処置後の保証もしっかりしている業者を選べばより安心ですね。
鳩が平和や幸福のシンボルと言われるのはなぜ!?
ところで、鳩といえば平和や幸福の象徴というイメージがあり、記念式典や結婚式などの演出でよく鳩を飛ばしている印象がありますよね。
でも、なぜ鳩にはこのようなおめでたいイメージがあるのでしょうか…。実は、それにはちゃんと理由があるんです!
ギリシャ神話に登場する鳩
鳩が平和のシンボルと呼ばれる理由は所説ありますが、そのひとつがギリシャ神話のノアの方舟(はこぶね)に登場する鳩にまつわるエピソードです。
みなさんもよくご存じのこの神話には、後半部分に鳩が出てきて重要な役割を果たすのです。以下はカンタンなあらすじです。
大洪水を予言した神から舟を作るよう命じられたノアは、方舟を作って家族と動物たちと一緒に避難し、何とか生き延びます。
しかし大洪水が起こった後、方舟は広い海に取り残されてしまいます。困ったノアたちが陸地を探すために鳩を放すと、その鳩はオリーブの枝をくわえて舟に戻ってきました。
おかげで方舟は無事に陸地にたどり着くことができ、そこから人と動物がまた繁栄していくことになります。
ここから鳩は平和のシンボルと呼ばれるようになったのです。
ちなみに、枝を加えた鳩がちゃんと舟に戻ってこられたのは、鳩が強い帰巣(きそう)本能を持っているからです。
イベントなどで放された鳩が飼い主のところにちゃんと戻ることができるのも、このような鳩の生態が関係しているのですね。
鳩のつがいは夫婦円満!?
鳩のつがいが夫婦円満といわれ、結婚式で使用されるのは、鳩のつがいの特徴が関係しています。こちらは神話ではなく、実際の鳩の生態にもとづいた理由がちゃんとあるんです。
まず、鳩は一夫一妻制で、パートナーが亡くならない限りは一生相手を変えないと言われています。そして、多いと年に5〜6回も産卵し、繁殖力もとても旺盛なのです。夫婦円満でないとなかなかこうはいきませんよね。
さらに鳩は、すでに紹介したように何事も夫婦で役割分担をすることから、その仲睦まじさがうかがえます。
『鳩のつがいのように、いつまでも仲良く、支え合って』
結婚式で鳩が使われるのには、そんな願いも込められているのですね。
まとめ
この記事では鳩のつがいの性質や子育てへの取り組み方、鳩のつがいがベランダや家の周りにやってきたときの正しい対処法などについてお伝えしてきました。
この記事のポイントとしておさえてほしいのは、以下の4点です。
- 鳩のつがいは一生変わらないことが多い
- 鳩は巣作りや子育てを夫婦で分担している
- 鳩のつがいがベランダに来たら、巣を作られる前に撃退する
- 巣を作られてしまったら、専門の業者へ相談する
夫婦円満なのはよいことですが、鳩の鳴き声や糞の被害が酷くなると、わたしたちの生活がおびやかされてしまいます。
この記事を参考に、つがいの鳩の特徴を知り、早めに撃退してくださいね!