「夏の間、夜中にバタバタとうるさかったネズミの足音が近頃聞こえない・・。もしかして冬眠?」
「しばらく静かだったネズミが寒くなってきたら活動を再開したみたい。でもネズミって冬眠するんじゃなかったの?」
このようにネズミの冬眠に関しては、さまざまな疑問の声が上がっています。
この記事ではネズミの冬眠、さらに冬のネズミ被害とその対策法などについてお伝えします。冬のネズミの行動パターンを知り、ネズミ被害を解決しましょう!
ネズミは冬眠するの?
「そもそもネズミは冬眠するのか?」と疑問に思われている方も多いと思います。
実はネズミは種類によって冬眠するものと、しないものに分かれているのです。
冬眠するネズミの種類は?
ネズミは大きく分けて家ネズミと野ネズミの2種がいます。家ネズミは冬眠せず、野ネズミは冬眠します。それぞれの代表的なネズミの種類は次のとおりです。
家ネズミ
- クマネズミ
- ドブネズミ
- ハツカネズミ
野ネズミ
- アカネズミ
- ヒメネズミ
- カヤネズミ
このうち人に被害を与えるのは冬眠しない家ネズミです。
冬のネズミの足音…2つの「なぜ?」にお答え!
家ネズミは冬眠しないことがわかりました。でも年中活動しているなら、なぜ時期によって足音がしたりしなかったりするのでしょうか。この項では次の2つの疑問についてお答えします。
- 疑問1:夏に聞こえていた足音が静かになったのはなぜ?
- 疑問2:冬になったら急に足音がうるさくなったのはなぜ?
疑問①夏に聞こえていた足音が静かになったのはなぜ?
夏に頻繁に聞こえていたネズミの足音。気温が下がってくると何だか静かになったのは、いったいなぜなんでしょう。考えられる理由としては主に3つあります。
可能性①寒さで動きが鈍くなった
ネズミは体が小さいために寒さが苦手です。気温が10度以下になると、寒くなって動きが鈍くなります。そのため冬になると大人しくなり、足音も減るので、いなくなったように感じるのです。
可能性②ネズミが死んでしまった
ネズミは寒さだけでなく空腹にも弱い生き物です。ネズミは1日に自分の体重の3分の1から4分の1のエサを必要とします。もしエサを食べないと、暖かい時は4〜5日で、寒いと1日ほどで餓死してしまいます。苦手な寒さに加え、飢えが追い打ちをかけるので、冬になると死んでしまうネズミもいるのです。
もしネズミの毒エサとなる殺鼠剤(さっそざい)を設置しているなら、それが効いた可能性もあります。しかし殺鼠剤はすぐに効果が出ないものもあるので、本当に効いているかどうか判断が難しいところです。ネズミが殺鼠剤を警戒して大人しくなり足音が聞こえなくなっただけ、ということも十分考えられます。
可能性③天敵の存在
冬になりネズミが天敵に食べられてしまった、という可能性もあります。ネズミの天敵の中には、ネズミと同様に寒さを苦手としているものもいます。そのため暖かい家屋の中に侵入し、ネズミをエサとするのです。その結果、ネズミが食べられて数が減ったり、敵を警戒して大人しくなったりして足音が消えることがあります。
ネズミの天敵で、家屋に侵入する可能性があるのは以下のような動物です。
- ネコ
- イタチ
- ハクビシン
イタチやハクビシンは、人にとっても害獣であるため、新たな被害に遭う可能性があります。
疑問②冬になったら足音がうるさくなったのはなぜ?
2つめの疑問「冬になったらネズミの足音がうるさくなった気がする」というのは本当でしょうか。
結論から言うと、気のせいではなく本当である可能性が高いです。ネズミの生態の面から、ネズミが冬になると家に侵入してくる理由を詳しく見ていきましょう。
ネズミは寒さと空腹に弱い!
ネズミは寒さと空腹が特に苦手です。そのため冬になると暖かく、食べ物もある家の中に入ってきます。冬眠しない家ネズミは、冬の間は人家の屋根裏などで過ごします。だから寒くなるとネズミの足音が聞こえるようになるのです。
秋〜冬は繁殖のピーク
家ネズミの繁殖のピークは秋から冬です。そのため天敵から逃れて安全に子育てをする目的で、秋~冬になると家に侵入してきます。さらにネズミの繁殖力はとても強く、驚くべきスピードでどんどん数が増えていきます。
冬になり足音がうるさくなったのなら、ネズミが増えている可能性があります。そして、もしそれを放置すると、更に増殖する可能性があります。ですので、足音に気づいたら早めに対処しましょう。
冬だからこそ気をつけたいネズミ被害は?
ネズミは年中活動していますが、冬だからこそ特に注意するべき被害があります。
冬に注意したいネズミ被害2つ
冬のネズミ被害で深刻なケースに発展するのは「火災」と「死骸の放置」の2つです。具体的にどういうことなのかを見ていきましょう。
火災
冬になるとネズミが電気ケーブルや配線をかじり、漏電火災が起こるケースが多発しています。 考えられる原因は2つあります。
- ネズミの歯は伸び続ける
- 冬の空気は乾燥している
ネズミは一生伸び続ける歯をもっており、硬いものをかじって長さを調節する習性があります。電源コードをかじるのは食べ物と間違えているわけではなく、歯を削るためなのです。
ネズミがケーブルをかじると、断線した部分から発火する恐れがあります。特に空気の乾燥している冬は、火が燃え広がりやすく、火災に発展する危険が大きいのです。
死骸放置による健康被害
家ネズミは冬眠しません。もし冬になってネズミの足音がしなくなったら、冬眠しているのではなく、寒さに耐えきれずに死んでしまった可能性があります。気づかず死骸を放置すると、以下のような健康被害が起こってしまいます。
- 悪臭
- ノミやダニの発生
- 病原菌の発生
この他にもネズミ被害は、わたしたち人間にさまざまな悪影響を及ぼすことがわかっています。
あわせておさえておこう!よくあるネズミ被害3つ
ネズミの被害には衛生面・経済面・精神面の3つがあります。それぞれどんなものか見てみましょう。
衛生面
ネズミの発生で最も困るのは衛生面の被害です。ネズミに住みつかれると次のような影響があります。
- イエダニの発生
ネズミの体に付いているダニが、家の中で増殖することがあります。ダニに刺されると強烈な痒みがあり、とても厄介です。
- 菌をまき散らす
ネズミが通った場所には、サルモネラ菌などの病原菌が付着する可能性があります。
- 糞の被害
乾燥した糞が空気中に舞う可能性があります。さまざまな病原菌をもったネズミの糞を吸い込んでしまうと、感染症を発症する恐れがあるため、注意が必要です。
経済面
ネズミは経済面でもわたしたちにダメージを与えます。
- 家の柱や壁をかじられる・・・家の資産価値が下がる
- 衣類やソファを糞尿で汚される・・・臭いが酷く使用できなくなる
- 電源コードをかじられる・・・家電の故障や火事の原因となる
- 食品をかじられる・・・ネズミが少しでもかじった食品は不衛生なため、廃棄しなければならなくなる
精神面
ネズミの発生により、精神面で追い詰められてしまうこともあります。
- ネズミが住みついていることによる不安
実害はなくともネズミの姿やフンを見るだけで不安が募り、酷いときはノイローゼになることもあります。
- 騒音によるストレス
ネズミの足音がうるさく感じたり、夜中に足音で目が覚めたりすることが続くとストレスを感じ、健康面に影響が出てしまう人もいるかもしれません。
冬になる前の対策が肝心!適切な対策の時期と方法は?
では、冬になり、家の中にネズミが住みついてしまったら、いったいどう対処すればよいのでしょうか。ここではネズミが既に発生している場合の対処法をお伝えします。
ネズミ対策に適切な時期は?
ネズミ対策は本来繁殖のピークを迎える秋冬前に行うのが適切です。しかし既に住みつかれてしまっているのなら、とにかくすぐに対処しましょう。冬のネズミを放置すると、春にはまた次の繁殖期のピークがやってくるからです。
自力でできるネズミの対処法3つ
自力でできるネズミの対処法には主に以下の3つがあります。
- ネズミに狙われないように食べ物を保管する
まずはネズミのエサとなりそうな食べ物の保管の仕方に注意しましょう。冬のネズミはエサを食べないと簡単に死んでしまうので、食べ物をネズミに食べられないようにするだけでも、効果が期待できます。
- 殺鼠剤・粘着シート等でネズミを退治する
エサの少ない冬に効果が高いのは、殺鼠剤や粘着シートの使用です。
とくに粘着シートは、捕獲したネズミに触れることなく処分できる点がオススメです。使用環境によって粘着力が低下してしまう場合があるので、製品が使用したい環境に合っているか、よく確認しましょう。
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- ネズミの侵入経路を断つ
そもそもネズミが出入りできないように、ネズミの侵入経路を塞ぐという方法もあります。隙間を塞ぐ市販のネズミ専用の忌避パテを使用すると便利です。専用パテにはネズミの嫌いな辛味成分が配合されているので、ネズミにかじられることはありません。
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ただし、ネズミはかなり小さな隙間からも出入りするので、侵入経路は無数にあります。全ての侵入経路を予測して塞ぐのは素人には困難な作業です。
自力はもう限界…そんな時は業者に依頼しよう
「家のネズミが生きているのか死んでいるのか、判断がつかない。」「ネズミの姿を見るのも嫌なのに、触るなんてとても無理…。」
こんな方は無理をせず、業者へ駆除を依頼されることをおすすめします。
業者へ頼むと次のようなメリットがあります。
- フンや死骸の処理も行ってくれる
- 駆除までのスピードがはやい
- 再発防止策をしてくれる
- 駆除後もアフターケアがあり安心
困ったときは1度業者へ相談してみましょう。相談や現地調査は無料で行っている業者がほとんどです。
まとめ
冬のネズミの行動パターンや被害についてご理解いただけたでしょうか。この記事のポイントとしておさえてほしいのは、以下の4点です。
- 寒さと空腹が苦手なネズミは、冬になると家の中に入ってくる
- 家ネズミは冬眠せず、秋~冬に繁殖のピークを迎える
- 冬にネズミが発生すると、火災や死骸の放置による健康被害が発生しうる
- ネズミは衛生面・経済面・精神面にも被害を与える
冬にネズミの気配を感じたら、被害が拡大しないよう早めの対策を行ってくださいね。