家に住み着くのはアブラコウモリだけ。日本に生息するコウモリの種類・生態を知ろう!

PR

複数で羽ばたくコウモリ

私たちの身の回りにはさまざまな種類の動物が生息しています。中には人間に害を与える種類います。

たとえば、コウモリもそのひとつです。コウモリと聞くと夜間に飛び回り人間の血を吸といったイメージがあるかもしれません。

しかし、実際のコウモリは違います。人間の血を吸うことはほとんどありません。しかし、主に糞による被害を受けることがあるのです。

実際に、コウモリ被害で困っている人もいるでしょう。ここでは、コウモリの生態や特徴、被害状況とその深刻度、対策などについて詳しく紹介していきます。

コウモリはどんな生き物?生態や特徴を知ろう

まずは、コウモリがどのような生き物なのか、その生態や特徴について紹介していきます。

哺乳類の中で唯一空を飛ぶ動物「コウモリ」

鳥類は翼があり空を飛びまわることができますが、コウモリは哺乳類です。

なぜ哺乳類であるのに空を飛ぶことができるのでしょうか。それは、エサとなる虫を捕まえて食べるためです。

コウモリは他の哺乳類にはない特別な翼と筋肉を持っています。翼の形を自由に変えることができるため、飛び回ることも可能になります。

街中で見かけるコウモリは、それほど大きくはありません。しかし、たったの一晩で400匹の虫を食べると言われているほどの大食漢です。

コウモリが持つ翼(飛膜)について

コウモリは大きな翼を持っています。それはネズミの手足から大きく変化したことで、できたと言われています。

コウモリの翼をよくみると膜で作られていることがわかります。一見、大きな一枚の膜のように見えます。

実は、全面から肩にかけて、指の間、腕の背面から足、足と尾をつなぐ部分と、合計4つの膜から成り立っています。

コウモリは哺乳類ですが空を飛ぶことができます。そして、コウモリ以外にもムササビやモモンガも飛ぶことができる哺乳類です。

実は、ムササビやコウモリは飛んでいるように見えますが違うのです。高いところから滑空しているだけです。自分の力で飛んでいるわけではないのです。

つまり、翼を使って自分の力で飛ぶことができる哺乳類は、コウモリだけなのです。また、コウモリは膜の形を自在に変えて飛ぶため、自由自在に飛び回れます。

膜の形を自由に変えることができるのは、発達した筋肉のおかげです。なぜ、コウモリは筋肉が発達するのかというと、コウモリの体の作りと関係しています。

コウモリが成長するにつれて膜が出来上がってくると、胴体の筋肉が翼に入り込んでいくことがわかりました。それが、発達した膜となるのです。

コウモリが好む場所・住み着きやすい場所とは

コウモリが人間に害を与えるのは、人間の家の中に住みついてしまうからです。コウモリが好む場所を知っていると、コウモリ対策に役立ちます。

コウモリは雨風をしのぐことができ、暗くて狭い場所を好みます。しかも、外敵からも身を守ることができる場所はコウモリにとって最高の場所です。

たとえば、家の天井裏や雨戸の内側、ダクト内部といった場所です。特に繁殖や冬眠の時期は、そういった場所を好みます。

しかも、コウモリは体がとてもやわらかいです。わずか1cmほどの隙間からも、入り込むことができます。

特に繁殖期や冬眠の時期は、建物内に巣を作ることが多いです。

天井裏やダクト内部などは、人の出入りも少ない場所です。そのため、居心地も良くコウモリが住み着きやすいのです。

家の中に巣を作るときは、玄関やキッチンといった人間の出入りが多い場所には作りません。

しかし、家の中に一度住み着いてしまうと、別の場所に巣を作っても部屋の中に入ってくることもあります。

世界に分布するコウモリの種類


コウモリと一口にいってもその種類は約1000あると言われています。主なコウモリの種類について紹介していきます。

昆虫を食事にするオオコウモリ

主に「ココウモリ」と呼ばれている種類です。コウモリは夜行性ですが、目が発達していません。

超音波を使って場所や虫の位置を特定しています。また、昆虫だけではなく花や蜜も食べます。

魚を食べるウオクイコウモリ

ウオクイコウモリと呼ばれる種類です。魚を食べるだけでなく、昆虫や甲殻類も食べます。。

動物の血を吸うチスイコウモシリ

コウモリといえばドラキュラのように血を吸うイメージがあります。しかし、本当に血を吸うコウモリは限られています。チスイコウモリは動物の血を吸います。

人間の血を吸うために人間に襲い掛かることはありません。血を吸って満腹になると飛べなくなることもあります。

果物を食事にするフルーツコウモリ

果物を主食にしているのはフルーツコウモリ、別名オオコウモリと呼ばれています。

果物を主食にするコウモリの中には、シロヘラコウモリと呼ばれる種類があります。白くてふわふわの毛があり、見た目はコウモリというよりぬいぐるみです。

家に住み着くアブラコウモリとは

コウモリはたくさん種類がいますが、日本で生息しているコウモリは主に2種類と限られています。

日本にいるコウモリの種類

最も多いのがアブラコウモリです。住宅に住みつくのが特徴で、別名家コウモリとも呼ばれています。 他にも、オオコウモリという種類がいます。主に小笠原諸島に生息しており、全身真っ黒で全体的に毛が長いです。

他にも主に石垣島や与那国島に生息しているカグラコウモリがいます。主に洞窟で生息しており、多いときで10000頭以上の群れを作ることがあります。

アブラコウモリの特徴

日本で主に家に住みつくのはアブラコウモリです。自然界よりも軒下や建造物といったところに住みついています。

体長は約4〜6cm、体重は約5〜10kgです。身体の色はこげ茶や黒褐色をしています。

アブラコウモリは夜行性ですので、日没ころから活発に活動を始めます。基本的には家族単位で生活をし、多いときは100頭以上の群れを作ることがあります。

わずか1センチほどの隙間があれば出入りすることができます。そのため、家の中にも簡単に入ることができるでしょう。

家の中では瓦の下や天井裏、換気口といった場所を好みます。民家だけでなくビルやその他の建物にも住み着くことが多いです。

11月頃から冬眠の時期に入ります。このころは雨風の当たらず、外敵が来ない場所を好むようになります。

そのため、冬眠の時期に住宅への侵入率が高くなります。特に都市部はヒートアイランド現象が起こりやすく、さらにはエサが充実しています。

その影響で、アブラコウモリは都市部での増加傾向がみられます。

コウモリの見分け方・糞の特徴について

コウモリは普段は人間の目から隠れて生活しています。そのため、家の中で物音が聞こえたとしても、それがコウモリかどうか判断するのが難しいのです。

住みつく場所が似ていることから、ネズミと間違われることも多いです。ネズミかコウモリかを見分ける方法のひとつに糞があります。

コウモリの糞は大きさが5〜10mmであり、落ちている場所も軒先や屋根の下というところがほとんどです。

一方でネズミの糞は丸く糞の中に昆虫などが混じっていることがあります。コウモリは草食性であるため、雑食性のネズミの糞よりももろいのが特徴です。

コウモリの糞は直接触っちゃダメ!菌や感染症の危険性

コウモリによる被害で最も気を付けなくてはいけないのがによる被害です。それは、コウモリの糞にはさまざまな有害菌が含まれているからです。

ダニや寄生虫による健康被害

アブラコウモリの糞尿によって建材がダメージを受けると、他の害虫の発生を促します。

たとえば、ダニなどもそのひとつです。ダニが大量に発生すると、アレルギーを引き起リスクが高くなります。

特に抵抗力弱い高齢者は赤ちゃんのいる家庭では、注意が必要です。また、シロアリ被害も発生しやすくなるでしょう。シロアリは、劣化した建材をエサにします。

たとえ、シロアリ駆除剤を散布していたとしても、その効果は永久に続くわけではありません。最悪の場合、家が倒壊するリスクも出てきてしまうでしょう。

病原菌や糞から病気に感染するリスク

コウモリはさまざまな場所を飛び回ります。そのため、コウモリの体やその糞にはさまざまな病原菌が含まれています。

たとえば、エボラ出血熱、狂犬病、SARSといった人間を死に至らしめることもある病原菌を媒介するとも言われています。

住宅への被害

アブラコウモリは屋根裏などに住みつきます。しかも、単体ではなく家族など数匹で群れを成して生活しています。

糞や尿を屋根裏などでされてしまうと、臭いやシミといった被害が起こるようになります。コウモリの群れの数が大きくなるほど、それだけ糞尿による被害も拡大します。

糞や尿によって建材がダメージを受けて、劣化がすすむようになります。

コウモリをペットにすることはできる?

コウモリの見た目などに惹かれて、ペットとして飼いたいと思う人がいるかもしれません。しかし、基本的にコウモリをペットとして飼うことは禁止されています。

野生のコウモリは法律で保護されている

それは、コウモリが鳥獣保護法の対象となるからです。鳥獣保護法とは特定の動物を飼育したり、捕獲したりすることが禁止されています。 鳥獣保護法によって保護されている動物は、その生物の絶滅にも関わるだけでなく、地域事情などの発展にも影響が出てくるため、捕獲してはいけないことになっています。

ただし、一時的に保護することは法律で認められています。そのため、もしも巣から落ちるなどして弱ったコウモリを見かけたら、一時的に保護することはできるでしょう。

ただし、野生のコウモリには病原菌を含む有害菌が付着しています。そのため、絶対に素手で触らないようにしてください。

また、一時保護に関しても一般人がコウモリを保護するのは法律に触れる可能性が出てきます。

一時的ではあっても、コウモリを保護したときは役所に相談することをおすすめします。

無断で捕獲するとペナルティが発生する

鳥獣保護法で守られているコウモリを、無断で飼育した場合ペナルティがあります。一年以内の懲役もしくは50万円以下の罰金に処することとされています。

そのため、一時保護した場合は速やかに役所に連絡をしましょう。弱ったコウモリを役所の担当者が保護し、コウモリの体力回復に努めてくれるはずです。

もしくは、コウモリを保護した人が役所の担当者の指示に従って、コウモリを動物病院へ連れて行くケースもあります。

いずれにせよ、自分たちの判断でコウモリを保護するのは法律に触れる危険性が高いです。 早めに担当者に連絡して、適切な判断を仰ぐようにしましょう。

ペットに出来るコウモリも居る!

コウモリにもいろいろな種類があります。基本的にコウモリは飼育が認められていません。しかし中には、飼育が認められている種類もあります。

それが、フルーツコウモリです。フルーツコウモリとは別名オオコウモリと呼ばれる種類です。コウモリにはどちらかというと不気味な雰囲気の種類が多いです。その点オオコウモリは、目大きく、キツネのような可愛らしい顔立ちをしています。

そのため、ペットとしての人気が高まっているのです。オオコウモリはその名の通り、コウモリの種類の中でも体が大きいのが特徴です。

大きいものになると、翼を広げて2mまでになるものもいます。フルーツコウモリはその名の通り、果物を主な食べ物としています。

果物を食べるときは、果実を口に入れて果汁だけを飲みます。そして、口の中に残ったカスを吐き捨てるのです。

固形物をほとんど食べないので、糞は液状です。そして、その糞の中に種が含まれています。そのため、種を散布するのに役立っているのです。

また、フルーツコウモリは他の種類と比べて、視覚も発達しています。他のコウモリは視力が弱く、超音波を頼りに自分の位置やエサを探します。しかし、フルーツコウモリは視覚を頼りに飛ぶことができます。

エサがバナナやリンゴなどの果物で良いこと、飼い主の顔を覚えてくれるといったメリットが受けられます。

しかし、糞の量が多く臭いこと、夜中に動き回ってうるさいというデメリットもあります。

フルーツコウモリを飼うときは、大型インコが入るくらいの大きめケージを用意しましょう。エサや水やりはそれほど面倒ではありません。

しかし、運動は必要です。毎日ケージから出して、部屋を飛び回らせましょう。このとき、部屋を薄暗くするのがポイントです。

飛び回るときは大量に糞をします。糞をすぐに片づけられるように、新聞紙などを敷いておくことをおすすめします。

コウモリは勝手に捕獲できない!コウモリ被害が拡大しやすい理由

コウモリは勝手に捕獲することができません。もしも、コウモリを誤って捕獲した場合、被害が拡大する危険性があります。

自力で駆除するのが難しい

コウモリは鳥獣保護法によって保護されています。そのため無断で捕獲したり、傷つけたりすることは法律で禁止されています。

自力で追い出そうにもコウモリを傷つけないように追い出すしかないので、完全に駆除するのが難しいのです。

とはいえ住み着いたコウモリを放置してしまうと、被害が拡大する可能性が高くなります。コウモリ駆除の必要性が出てきたら、プロに依頼するのが確実です。

一度住み着くと一気に繁殖する

コウモリは繁殖力も高く、それが被害拡大の原因にもなります。日本で生息しているコウモリは、特に繁殖力が高いと言われています。

一度に複数の赤ちゃんを産むため、あっという間にその数を増やします。コウモリの数が増えてしまうと、それだけ被害も拡大しやすくなります。

コウモリを自力で駆除する方法

コウモリを見つけたときは、自力で駆除することもできます。基本的には住みついている場所から追い出すことです。

そして、侵入口をふさぎ二度と入れないようにします。また、コウモリの駆除には時期も重要になります。

最適だと言われているのが4〜6月と、9〜10月です。それは、コウモリの出産タイミングを避けるためです。

コウモリの出産時期は初夏です。その前にコウモリを駆除することで、被害の拡大を防げるようになります。

11月頃になると冬眠の時期に入ります。そのため、著しく活動量が低下するようになります。そのため、追い出すことが難しいのです。

自力で駆除するときは、まずコウモリ忌避剤を使って追い出しましょう。屋根裏などコウモリが住み着いている場所に、スプレーなどをかけます。

忌避剤の効果は数時間程度です。そのため、効力が薄れたころを見計らって、再度コウモリが戻ってくることがあります。

そこで、コウモリが逃げている間にコウモリの侵入口をふさぎます。侵入口をふさぐためには、金網やシーリング剤が便利です。

どれも、ホームセンターやネットショップで手軽に購入できます。

しかし、侵入口をふさぐのは簡単ではありません。それは、民家に住みつくアブラコウモリはわずか1cmの隙間からでも侵入してくるからです。

また、冬眠など駆除が難しい時期でも、コウモリ駆除を依頼したいことが出てくるでしょう。適切に確実にコウモリを駆除するためには、業者への依頼がおすすめです。

まとめ

コウモリの被害で最も危険なのが糞による被害です。コウモリは小さい体ですが大量の餌を食べます。そのため、糞の量も膨大です。

糞によって受ける被害は、建材のダメージ、臭い、アレルギーリスク拡大や、病原菌の感染など多岐にわたります。

しかも、民家に住みつくアブラコウモリは群れで生活をしています。そのためコウモリの数が多いほど、受ける被害も大きくなるでしょう。

糞による被害を拡大させないためにも、早めの被害が重要です。