「なんで家の中に動物のフンが落ちてるの?」「一体何のフン…?家に潜む動物の正体を知りたい…。」
そのように、家の中で動物や虫のフンらしきものを見つけたことはありませんか?しかし、フンだけを見ても、それが何のフンであるかを判別するのは難しいでしょう。
動物や虫が入り込んだり、住みついていたりするかもしれないと考えると、気持ち悪いと感じませんか?
たかが「フン」と思ってそのまま放置しておくと、大きな病気や家への被害を引き起こすかもしれません。
なぜなら、動物や虫のフンにはアレルギーを引き起こす物質や、病原菌が含まれているからです。ここでは、フンの特徴から推測できるその落とし主の正体と、フン掃除のやり方について解説していきます。
目次
落ちていたフンの原因はアイツだった!?
姿は見えなくてもフンが見つかれば、動物や虫が家に侵入したり、巣を作ったりしている可能性が考えられます。ここでは、落ちていたフンの特徴を紹介し、落とし主を見分けるポイントについて、詳しく解説していきます。
小さなつぶつぶならゴキブリかも…
ゴキブリにもいくつかの種類がありますが、民家に住みつきやすいのがチャバネゴキブリとクロゴキブリです。
<チャバネゴキブリのフン>
- 大きさ:1mm程度
- 色:茶色やこげ茶色
- 特徴:小さい点でゴミと見間違うことが多い
<クロゴキブリのフン>
- 大きさ:2〜2.5mm
- 色:黒や茶色
- 特徴:小さな点で臭いは少なめ
家の中で落ちていても、ゴミだと思って見過ごすことが少なくありません。ゴキブリのフンかどうかを見分けるには、フンを見つけた場所がポイントになります。
ゴキブリは主にキッチン周辺に住みつきやすい特徴があります。キッチンの食器棚や引き出しなどで見つけたときは、ゴキブリの可能性を疑いましょう。
鳥のフンに似ているのはトカゲかも
鳥のフンのようなものが見つかったときは、ヤモリかカナヘビの可能性が考えられます。ヤモリやカナヘビのフンかどうかを見分けるには、フンに白い尿酸が付いているかどうかを見ます。
<ヤモリやカナヘビのフン>
- 大きさ:1〜2mm
- 色:黒やこげ茶
- 特徴:細長く米粒のような形をしているのが特徴
米粒みたいな形ならネズミやコウモリ
フンの形が米粒のような形状をしていた場合、ネズミやコウモリの可能性が高いと考えられます。
家に住みつくネズミにもいくつか種類があり、それによってフンの形や大きさも異なります。
<ドブネズミのフン>
- 大きさ:10〜20mm
- 色:茶色か灰色
- 特徴:フンがまとまっていて大きい
<クマネズミのフン>
- 大きさ:6〜10mm
- 色:茶色か灰色
- 特徴:細長い形状
<ハツカネズミのフン>
- 大きさ:4〜7mm
- 色:茶色
- 特徴:米粒位に小さく両端がとがっている
また、民家に住みつくコウモリ(アブラコウモリ)のフンも、ネズミのフンとよく似ています。
<アブラコウモリのフン>
- 大きさ:5〜10mm
- 色:茶色
- 特徴:ネズミのフンよりも乾燥している。(昆虫を主食としていて、フンの水分が少ないため。)
犬のようなフンならアライグマ!?
犬のような大きめのフンを見つけたときは、アライグマやハクビシン、イタチの可能性が高いと考えられます。
<アライグマのフン>
- 大きさ:5〜18cm
- 色:食べ物によって変わる
- 特徴:動物の骨・昆虫の羽・植物の種などが含まれている
<ハクビシンのフン>
- 大きさ:5〜15cm(小型犬とほぼ同じサイズ)
- 色:食べ物によって変わる
- 特徴:ハクビシンは『ためフン』をする習性があります。決まった場所にフンをするので、フンが山盛りになります。また、臭いも強烈です。
<イタチのフン>
- 大きさ:個体差があり、オスとメスでも大きさが異なる(オスのほうがメスよりも1.5倍大きい)
- 色:黒やこげ茶
- 特徴:水分が多めで細長く、臭いが強烈
家の中でこれらのフンを見つけたら、住みついている可能性も考えられます。もし、これらの動物が住みついているなら、駆除する必要があるかもしれません…!
「たかがフン」はNG!甘く見てはいけません
「とりあえず放っておいても大丈夫でしょ!」
…なんて考えていませんか?それはNGです!
実は、フンを放置するだけで、あなたの健康やお家にかなりの被害が起きるかもしれないんです…。フンを放っておく危険性を正しく理解することが大切ですよ!
重症化すると死に至る!?健康への被害
動物や昆虫のフンには、菌やカビ、ダニといったものが含まれています。そんなフンをそのまま放置しておくと、ダニや菌が大量に発生するようになってしまうんです!その結果、感染症やアレルギーにかかるリスクが高くなります。
たとえば、ダニが大量発生すると、以下のようなアレルギーを引き起こす危険性が高くなることがわかっています。
- アトピー性皮膚炎
- 気管支ぜんそく
- アレルギー性結膜炎
- アレルギー性鼻炎
乳幼児は抵抗力が弱いため、アレルギーや感染症のリスクも高くなることを覚えておきましょう。
他にも、以下のような感染症にかかるリスクが懸念されます。
- オウム病・・・ペットのインコから感染した例もあります。
- トキソプラズマ症
- サルモネラ症・・・主に、は虫類より感染。乳児が感染して死亡した例もあります。
- 狂犬病・・・10年間で20人死亡した例もあります。
- 呼吸器感染症
- ペスト・・・プレーリードックや野生のリスから感染。死亡者も報告されています。
最悪の場合、死に至ることもあるほど重い被害を引き起こす危険性もあります。他にも、感染する可能性がある病気はいくつもあります。乳幼児や高齢者は特に免疫力が低く、感染リスクも高くなってしまうため、注意が必要です。
また、フンによっては強烈な臭いを放つものがあるので、臭いによる強いストレスを受けることもあります。そのストレスが原因で心身の健康が害されることもあるのです。
このように人間の健康を害する危険性も非常に高いため、たかがフンだと甘く見てはいけないのです。
天井が腐って落ちてくる!?建物への被害
天井に動物や昆虫が住みついてしまった場合、建物への被害も心配です。天井でフンや尿を大量にされてしまうと、そこからダニや菌、カビが大量に発生してしまいます。
また、尿やフンによる重みや菌で天井部分の腐食が進み、最悪の場合、天井が抜け落ちてしまうこともあるのです。
動物の中には、同じ場所にフンをする習性を持つ種類がいます。そんな動物が住みつけば、1か所に溜まったフンによって、家がどんどん腐っていってしまうかもしれません…!
しかも、動物の種類によっては1度にするフンの量も多くなります。フンの量が増えると、短期間で腐食が進むこともあるため、十分な注意が必要です。
屋根裏以外の場所に住みついてしまった場合も、同じように家の建材がダメージを受けてしまいます。
天井や床が腐食してしまうと、リフォームにも多額の費用がかかるようになってしまいますので、フンをあなどってはいけません。
気を抜かないで!フン掃除で注意すべきこと
フンが人間や住宅にとってどれだけ危険なのか、理解できたでしょうか?フンを見つけたときは、速やかに掃除をしましょう!
ただし、掃除の仕方を誤ってしまうと、フンによる被害を受けてしまいます。ここでは、フン掃除のポイントについて解説していきます。
用意するものは、
- ゴム手袋
- マスク
- 長靴
- 消毒用エタノール
- 新聞紙
- 雑巾
- ビニール袋
などです。中でも、ゴム手袋とマスクは必須アイテムです!これらが必須アイテムなのには、2つの理由があります。
1つめは、フンを直接手で触れないようにするため。2つめは、フンから舞い上がった菌を吸い込まないようにするためです!念のためマスクやゴーグルで目の周辺も覆うとより効果的です。また、菌やカビを肌に触れさせないように、肌を露出する服装も避けたほうがよいでしょう。
フンの掃除は、つぎの4ステップで行います。
- フンに消毒用エタノールをかける
フンが乾燥していると、掃除中に舞い上がって吸い込んでしまう危険があるので、消毒用エタノールで湿らせます。
- 雑巾や新聞紙でフンをふき取る
フンをふき取るときは、くれぐれも素手で触らないように気を付けてください。
- フンを捨てる
使用した雑巾や新聞紙ごと、フンをビニール袋に入れて捨てます。雑巾や新聞紙にも、フンに付いていた菌が付着している可能性があるので、そのまま置いておいたり、再利用したりはしないようにしましょう。
- フンがあった場所を消毒する
フンがあった場所にも、菌が残っている可能性が考えられます。フンをふき取った後も、エタノールでしっかりと掃除しておきましょう。
動物や虫のフンは、その種類に関係なく以上の手順を守って掃除を行うようにしてください。
まとめ
動物や昆虫のフンらしきものを見つけたときは、速やかに対応することが重要になります。この記事のポイントとして、おさえてほしいのはつぎの3つです。
- フンを見つけたら、その特徴から落とし主の生き物を特定し、業者への依頼などで対策をする
- 動物のフンによって生じる被害を理解し、フンを見つけたら早めに対処する
- 動物のフンを掃除するときは、ポイントをおさえ、フンに触れないように、十分な準備と対策をして行う
ポイントをおさえて、家の中のフンに正しく対処してくださいね!