木造とコンクリートの建物を比べてみると、コンクリートは雨による被害に強いと考える人が多いのではないでしょうか。
確かに、木造よりも雨に対しての耐久性は高いかもしれません。しかし、絶対に雨漏りが起こらないとは言い切れないのです。
それは、コンクリートはひび割れが発生しやすいからです。コンクリートだからといって安心していると、雨漏り被害の拡大を招いてしまうかもしれません。
ここでは、コンクリートが雨漏りする原因や適切な対処法について紹介していきたいと思います。
目次
コンクリート建物は雨漏りしやすい?その原因とは
「コンクリートだから雨漏りの心配がない!」と安心していませんか?よく事実を確認しないまま、住宅を建てるときにコンクリートを選んだ人もいるでしょう。
コンクリートでも雨漏りすることはあります。そしてその頻度も決して少なくはありません。まずは、コンクリートの雨漏り原因について理解しておきましょう。
コンクリートから雨漏りする原因とは
コンクリートから雨漏りする原因は主にひび割れ(クラック)です。コンクリートは強度が高く非常に丈夫な素材です。しかし、コンクリートも絶対に劣化や破損がないわけではありません。
コンクリートの建物で雨漏りを引き起こすのはひび割れです。なぜ、頑丈なコンクリートにひび割れが起こってしまうのでしょうか。
それは、次のような原因が考えられます。
施工不良
築浅のコンクリート建物でひび割れが起こったときは、施工不良の可能性が高いと考えられます。築10年以下の建物の場合、劣化による雨漏りは起こりにくいのです。
外的要因
コンクリートも雨風や紫外線の影響を強く受け、収縮や膨張を繰り返します。その変化にコンクリートが耐えられなくなってしまって、亀裂が入ってしまいます。
屋上・バルコニー・外壁の劣化
コンクリートの建物の場合、屋根の形状が平らなことが多く、雨水などが溜まりやすい構造です。そのため、雨の影響を受けやすくなり劣化も進みやすくなるのです。
防水層が劣化したときは、そこから雨水が大量に入り込んでしまい、ひび割れによる雨漏りが起こりやすくなります。
コンクリートからの雨漏りは自力で直せる?
コンクリートから雨漏りしているときは、自力で修繕することができるのでしょうか。それは、状況によって異なります。
自力で直すのが難しいと考えられるのは、以下の2つのパターンです。
- シート防水が切れている
- 大きなヒビ割れが入っている
まず、既に雨漏りが起こっているときは、シート防水が切れている可能性が高いと考えられます。その場合は修繕も大がかりなものとなるため、自力での修理は難しいと考えられます。
大きなヒビ割れが入っているときも、自力で直せないことがほとんどです。下地や構造部にまで影響が出ている可能性が高いため、修繕は難しいと考えられます。
もしも、修理を依頼するときは業者選びにも注意が必要です。コンクリート修繕の経験が乏しい業者に依頼してしまうと、きちんと修理できないことがあるからです。
コンクリートの防水層の構造などに熟知していない業者に依頼してしまうと、雨漏りを根本的に改善することが難しくなります。
表面上は雨漏りが収まったように見えるかもしれませんが、コンクリートの内部で雨漏りが起こっていることも考えられます。
知らない間に被害が拡大してしまって、大がかりな修繕が必要になってしまうかもしれません。
雨漏りを業者に頼む際の費用や、選び方のポイントについては次の記事でもくわしくお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【diy】自分でコンクリートの雨漏りを修復する方法
コンクリートのひび割れも、以下の2点であればDIYにてある程度修復することができます。
- 細かいひび割れ(目安はヘアークラック0.3mm以下)
- 雨水による劣化
それは、コンクリートの雨漏り補修は木造よりもシンプルだからです。木造の場合は、雨漏り修理はDIYで行うのが難しい場合がほとんどです。
しかし、コンクリートの場合はひび割れしている箇所だけを修繕することで、解決できることもあるからです。
いろいろな方法がありますが、以下の2つの方法がおすすめです。
- 雨漏り箇所に防水アルミテープを貼る
- 防水塗装を塗る
それぞれについて見ていきましょう。
防水アルミテープを貼る
まずは一番手っ取り早い、テープを貼る方法から。
以下のような商品が販売されていますので、購入して試してみましょう。
価格 | ¥ 747 |
貼るだけ、というのが一番のメリットですが、この方法で修繕できたとしても一時的な対処法にすぎないことがあります。
中には、テープで雨水を塞いだことによって、雨水の進路が変わって新たな雨漏りが発生した!…なんてことも。
この方法は応急処置と考え、合わせて業者にみてもらったほうが安心かもしれません。
防水塗装を塗る
雨水による被害を防ぐためにおすすめなのが、防水塗料を塗る方法です。防水塗料もさまざまな種類が販売されていますので、使いやすさなどで選ぶといいでしょう。
コンクリート用浸透性撥水剤(ロックペイント)
価格 | ¥ 16,416 |
私のおすすめはこちらです。この塗料は、外側だけでなくコンクリート内部にまで浸透して防水性を高めてくれます。
また、高い撥水性を発揮してコンクリートやモルタルの凍害も防いでくれますし、カビや苔、汚れの付着や発生も防いでくれる優秀な塗料です。
このような商品を事前に準備してから、修繕作業に取り掛かりましょう。
用意するものは、塗料、雑巾、バケツ、高圧洗浄機などです。塗料を塗る前にはコンクリート部分の汚れをきれいに落とすことが先決です。
カビや苔、汚れが付着していると塗料の浸透や付きが悪くなってしまうからです。コンクリート部分をきれいに掃除するときは、高圧洗浄機があると便利です。
コンクリート部分を掃除でき、コンクリートの部分が乾燥するのを待って塗料を塗るようにしましょう。
DIYで作業をする際の注意点
作業をするときにはいくつかの注意点があります。
高所の作業に注意
コンクリートの塗装を行うときは、高所部分の作業に注意しましょう。脚立やはしごを使用するときは、落下しないように十分注意しながら作業をすすめるようにしましょう。
晴れの日を狙う
作業を行うときは天気の良い日を見計らって行うようにしてください。コンクリートの部分が湿っていると、塗装が付きづらいだけでなく乾きづらくなります。塗料の効果を発揮できなくなりますので、晴れて乾燥した日に行ったほうがいいでしょう。
自分で作業を行う場合、以下のデメリットがあることも覚えておきましょう。
修理が完璧でないことも
DIYにて修理ができればよいのですが、業者に依頼するよりもしっかり修理ができないことがあります。応急処置レベルとなってしまい、雨漏りが再発する危険性も十分あり得ます。
修繕費用が高額になることも
修理のやり方が適切でなかった場合、さらに被害が拡大してしまうリスクも高くなります。その場合、修繕費用がさらに高くなってしまうことがあるのです。
まとめ
この記事のポイントで押さえておきたいのは以下の3点です。
- コンクリートの雨漏り原因
コンクリートは絶対に雨漏りをしないわけではありません。コンクリートもひび割れや穴あきによってそこから雨水が侵入してきます。ひび割れを起こす原因について理解しておくと、雨漏りが起こったときに役立つかもしれません。
- DIYでの修繕
雨漏りの修繕はDIYでもある程度行うことができます。しかし、ひび割れが小さい場合や、予防のためなら対応できますが、大がかりなひび割れの対応は業者に依頼しましょう。
- 修繕作業の注意点
DIYにて作業するときは、事前に塗料を購入すること、塗料を塗る部分をきれいにしておくことなどが大切です。適切に作業を行うことで、修繕効果を高めることができます。